日墨関係の起源、御宿町ってどんなところ?
千葉県の南部に位置する御宿町(おんじゅくまち)は、アワビやイセエビなどの海産物が豊富な小さな町。全長2㎞にも及ぶ御宿海岸は、毎年夏季になると海水浴客で盛り上がりをみせます。また、童謡「月の砂漠」の舞台としても有名です。そんな小さなこの町が日本とメキシコの国交の始まりの地ってご存知でしたか?400年前に御宿町で起きた座礁事件とその心温まるストーリーをお届けします。
御宿町で起きた座礁事件 ~1609年、偶然の遭遇~
1609年9月30日未明、スペイン人のドン・ロドリゴ率いるサン・フランシスコ号を含むガレオン船3隻が、フィリピン・マニラからメキシコ・アカプルコ(当時はスペイン領)へ向かう途中、嵐に遭遇し、御宿沖に座礁しました。これを見た御宿の村人たちは、乗組員を献身的に救助、食料や衣服などを惜しみなく提供し、結果として船員373人のうち317人の命が助かりました。
またドン・ロドリゴは、幕府から盛大な歓迎を受け、江戸、京都、大阪などを見物し、日本に大いに感嘆したそうです。その後、徳川家康から提供されたガレオン船で彼らはメキシコに向かいました。
この事件が現在まで400年以上続く日墨関係の始まりとなりました。
そして現在はメキシコ2都市と姉妹都市に…
この事件をきっかけにメキシコと深い関わりを持つようになった御宿町は、現在メキシコのアカプルコ市とテカマチャルコ市の2つの都市と姉妹都市に。文化、教育、スポーツなど様々な分野での交流を目指しています。
アカプルコ市は、ゲレーロ州にある世界屈指のリゾート地として有名で、美しい海岸沿いには、大規模なリゾートホテルや別荘が立ち並んでいます。
テカマチャルコ市は、メキシコ中部に位置し、農業、畜産業を中心産業とする都市。この町では、船員が助けられた9月30日が、「御宿の日」と制定されています。
日西墨三国交通発祥記念之碑(メキシコ記念塔)
御宿町には、日本、スペイン、メキシコとの国交が始まるきっかけとなった地として、1928年に記念碑が建設されています。鉄筋コンクリート製で高さ17mのオベリスク型のこの記念碑は、標高約50mの丘の上に立っており、網代湾と御宿市街地を一望できます。また、2009年、日墨交流400周年を記念し、メキシコ政府から御宿町に「抱擁の像」が寄贈されました。
ぜひ、訪れてみてください!
御宿町の夏は、海水浴場として多くの人で賑わいます。また、アワビやイセエビなど海産物が豊富で、毎年「イセエビ祭り」などさまざまなイベントも開催されています。詳しくは下記の「御宿町観光協会公式サイト」をご覧ください!
御宿町観光協会公式サイト