人口5億人!世界最大規模の貿易圏「CPTPP11」誕生

メキシコや日本を含む太平洋沿岸の11カ国が、今月8日チリのサンティアゴで「包括的および先進的環太平洋連携協定(CPTPP)」に署名をしました。これにより、域内人口5億人の世界最大規模の経済圏が誕生します!

メキシコにとってのメリットとは

気になるのは、メキシコがCPTPPに加入するメリットです。一番の理由はやはり、「脱アメリカ依存を果たし、成長するアジア経済との結びつきを強くしたい!」ということでしょう。

GDP世界15位を誇るメキシコですが、1994年のNAFTA(北米自由貿易協定)発行以降アメリカとの経済関係が深まり、現在では輸出全体の8割以上が対アメリカなのです。これまでのメキシコは、安く製品を生産できる自国に日本などの外資系企業の生産拠点を誘致し、メキシコで作った完成品をお隣のアメリカに輸出するという形で、お金を稼ぎ雇用を生み出して経済発展してきました。

しかし、トランプ大統領誕生以降その構図に揺らぎが生じています。アメリカとメキシコの間に壁の建設を計画したり、NAFTA離脱を示唆するなど、メキシコはアメリカに振り回され続けているわけです。

つまり、CPTPPに加入することで輸出相手国を増やし、自国の優れた生産力をフルに活用したいというのが一番の狙いと考えられます。太平洋同盟を結ぶチリやペルーとさらに関係を密にし、成長著しいアジア諸国にも活路を見出したいところでしょう。

デメリットは?

メキシコがCPTPP加入することで生じるデメリットは、「外交上アメリカとの歩み寄りが難しくなること」です。

ここ数週間の動きを見てもアメリカとメキシコは、NAFTA再交渉でも上手く進んでいませんし、トランプ大統領の壁の建設計画も連日ニュースで取り上げられています。どれだけ「脱アメリカ」を果たしたいと思っても、輸出全体の8割を占める相手ですから簡単には背を向けられないのも現状です。メキシコがどのような姿勢を見せるかに注目が集まります!

最後に

CPTPPは域内人口5億人を超す世界最大規模の経済圏になりましたが、これからさらに参加国も増えていくとの見方もされています。関税や規制も段階的に緩和されるので、いきなり私たちの生活の中で変化を実感できるとは限りませんが、日本やメキシコを含め域内の経済が大きく発展し関係が強まれば、より各国にとって有意義になることでしょう!

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紹介文: 関西大学に通う21歳です!スペイン語や中南米市場に興味を持ち、日々勉強中。語学も記事執筆もまだまだ半人前ですが、皆さんに楽しんで読んでもらえる記事を精一杯書いていきます!宜しくお願いします。 Facebookの申請もお待ちしております!

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