中国の巨人、再びウーバー食いに挑戦
では今回メキシコに進出した滴滴出行(ディディチューシン)はいったいどんな企業なのでしょうか。
滴滴(ディディ)は2012年中国北京でライドシェア企業として設立されました。その後、テンセントから出資を受け急成長を果たします。2015年には当時アリババから出資を受けていた快適打車と合併します。更に2016年にはバイドゥから出資を受けていたウーバーの中国事業であるウーバー・チャイナを買収を発表し、世界に大きなインパクトを与えました。この買収により滴滴は中国3大インターネット関連企業すべてから出資を受ける企業となり、現在ではアップルやソフトバンクからも出資を受けています。
中国市場でライバルを買収し世界が熱視線を注ぐ滴滴が、このメキシコでも”ウーバー食い”を果たせるのでしょうか。
熾烈な争いの幕開け
滴滴がどれだけ急成長しているといっても、ウーバーが90%近くのシェアを持つメキシコは簡単な市場とは言えません。しかも滴滴にとってアジア以外の地域でゼロから事業を立ち上げるのは初めての試みなのです。
そのため、滴滴はメキシコ事業のためにウーバーの有能な人材を引き抜いたり、社員が実際にウーバーに乗車してライバルの弱点を探ったり、水面下で"ウーバー食い"の準備を進めています。
ウーバーのマクドナルド副社長は「滴滴出行の資金力はかなりのものだ。」と滴滴のメキシコ進出を敬遠ししつつも、「しかし、メキシコは一筋縄ではいかない市場だ。」と強気の姿勢です。
近々私たちもメキシコで滴滴(ディディ)を利用する日は来るのでしょうか。