そもそもデング熱とは?
感染源
デング熱ウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカなどに刺されることで感染します。不顕性感染を含めて感染した人を蚊が刺すと、蚊の体内で1週間ほどでウイルス量が増えます。その蚊に人が刺されると感染する可能性があります。人から人へ直接感染することはありません。
症状
デング熱ウイルスを保有した蚊に刺されてから2~14日(通常3~7日)の潜伏期間の後、およそ2~4割の人に発症します。発症すると38~40℃の発熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛及び発疹が現れます。不顕性感染例も報告されています。
デング熱を起こすウイルスには4種類あると言われています。同じ型のウイルスに再び感染した場合、免疫によって軽症ですみますが、異なる型に感染すると免疫が過剰に働き重症化することがあります。重症化したものはデング出血熱またはデングショック症候群と呼ばれ、稀に死亡することもありますが、インフルエンザと比べると致死率がかなり低い病気です。
メキシコでデング熱の感染を防ぐには?
ジカ熱及びデング熱には予防接種も予防薬もなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。1月~5月にかけて蚊の繁殖が最盛期を迎えますので、メキシコ在住の方や旅行を予定されている方は次の5点に十分注意の上、感染の予防に努めてください。
・外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくし、肌の露出した部分には昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を2~3時間おきに塗布する。
・室内においても、電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を効果的に使用する。
・規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとることで抵抗力をつける。
・突然の高熱や頭痛、関節痛や筋肉痛、発疹等が現れた場合には、デング熱を疑って、直ちに専門医師の診断を受ける。
・なお、蚊の繁殖を防ぐために、タイヤ、バケツ、おもちゃ、ペットの餌皿等を屋外放置しない、植木の水受け等には砂を入れるなどの対策をとる。
万一感染してしまった時にできること
現在、デング熱には特効薬がなく、一般に対症療法が行われます。血小板が低下し、出血を起こしやすくなるので、通常使用される鎮痛・解熱剤は控えてください。血小板の働きを弱める作用を持つアスピリンやイブプロフェンなどのNSAIDsと呼ばれる解熱鎮痛剤の使用を避け、アセトアミノフェン(パラセタモール)を使用してください。ジカ熱やデング熱が流行している地域で蚊に刺されて発熱が続く、または発熱後に発疹が出たなど、デング熱を疑う症状が現れた場合には、医療機関への受診をお勧めします。
参考HP:在メキシコ日本国大使館参考HP:(スペイン語)