合法化に賛成している政治家の意見は?
賛成派の政治家の1人であるハリスコ州知事サンドバル氏は、賛成の立場を表明した上で「私たちは、大麻合法化について議論を始めるべきである。観光地だけでなく国全体として。なぜなら、若者の死に追いやるものはドラッグの消費ではなく交通やドラッグ密輸が原因である」と発言しました。更に「今までの倫理観を捨てるべきだ。なぜなら、治安悪化の問題は早急な解決策が必要だからである」と続け、「娯楽用及び医療用大麻の使用を合法化した、アメリカのメキシコと隣接する州の暴力犯罪は13%減少した」との研究報告を彼の意見の根拠として挙げました。
合法化に反対している政治家の意見は?
次は、反対派の政治家の意見を見ていきましょう。ナヴァレット内務大臣はグアダラハラでの会議にて、メキシコ政府は娯楽用大麻の使用を支持しないとの見解を発表しました。続けて、「麻薬は健康を害するから違法なのであり、仮に合法になったとしても健康への害は変わらないだろう。連邦政府は観光大臣の提案に同調しない」との立場を示しました。
合法化の案として指定された州の政治家の意見は?
最後に、対象となる州の知事の主張を見てみましょう。当事者であるバハカリフォルニア・スル州知事メンドーサ氏は「基本的に合法化の賛成はしない」と主張しつつも、大麻が合法化している国と隣接する我が国でコストのかかる戦略で合法化に対抗しているのは非論理的でばかげている」と相反する意見を続けました。更に「もしこの法案が可決されるのであれば、明確に決められたリゾート地などの観光地に限定するよりもむしろ、全自治体に適用すべきである」との考えを示し、「このタイプの政策を限られた地域に限定することは難しいだろう。」と述べました。
最後に
大麻が違法である日本人である私たちからすると理解できない部分は多いかもしれません。大麻を合法化することで治安改善がはかれるのか、健康への被害はどれほどのものなのか、など議論する余地は多分に含んでいるように感じます。今後、メキシコの治安と発展に関わる注目のニュースです。
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