2016/07/29

『VIBRA JOVEN』国境を越えつながる日系の若者キャンプに密着

日系人として生まれ育った13~25歳の若者の間で、メキシコで年に一度行われているキャンプ「VIBRA JOVEN」。大人に頼らず自分達だけの力で企画し実行されている。そしてこのキャンプの裏には若者達の様々な思いがありました。

[2016 VIBRA JOVEN]熱い熱い1週間の始まり

ティクマンで行われた今年の[2016 VIBRA JOVEN]はメキシコ以外からもアルゼンチン、パラグアイ、ペルーから日系の若者たちが参加しました。メキシコでの開催は今年で6回目。13歳から25歳までの日系人が参加できるこのキャンプでは、毎年実行委員長のリーダーを中心に1週間の期間内に行う様々なアクティビティを企画し実行します。

このキャンプでは、1週間の中で毎日異なるテーマについて若者たちがアクティビティを通して、考え話し合い、理解を深めていきます。

2日目のこの日は、『家族と自分の原点について考える』をテーマに敬老会「ひまわり」から訪問したおじいちゃん、おばあちゃんと交流をはかりました。

若者、ひまわりのみなさんが1対1のペアを組み、一日の間一緒に踊りを踊ったりコミュニケーションを取る中で親睦を深めていきました。

Vibra Joven 2015の様子

参加者インタビュー

日系人として生まれ、育った彼ら。

どんな考えを持ち、どんな思いでキャンプを開催してるのか。

インタビューにご協力して頂きました。

お名前:Hayase Hata Megumiさん

在住:メキシコ

今回のキャンプの実行委員会のリーダーを務めています。このキャンプが実現するまでに半年以上の準備期間がありました。その期間毎週日曜に実行委員で集まり、1週間どんな内容でキャンプを作り上げていくかを話し合ってきました。例年14~15人の実行委員で進めていくんですが、今年は10人しかおらずとても大変でした。リーダーとしては、みんなの意見をどう一つにまとめるかという点が大変でした。

このキャンプの目的は、日系人社会の中でリーダーとなる人材を作ることです。そのためにはまず自分自身を知ることが重要。そこで一週間の中で毎日テーマを決めて取り組んでいます。明日のテーマは「日系人としてどうあるべきか」。それぞれがメキシコ、日本の間に立ちどんな経験をしてきたかを話し合い、日系人として両国の良さを取り入れた人間になることを目指します。

今回リーダーを務めてみて、まだまだだと思っているが、リーダーとしての自覚は出てきました。

楽しみながらも周りを見ながら色んなことに気付けるようになってきました。常に反省点と課題点を探すようにしています。

お名前:Hirata Akioさん

在住:メキシコ

今回のキャンプの副リーダーを務めています。

このキャンプでは13~25歳までが参加できます。

多くの国から参加してもらうことでそれぞれの文化が混じり、年齢もみんな違うからこそ様々なことを教え合い、多様な考えがあることを知ることができます。

一週間共に過ごすことで国を越えた絆を作ることができます。

実は日系人としての自分のルーツを知っている人は意外と少ないんです。自分の祖父母に会うことが出来なかったりするので。

普段考える機会がないからこそ、自分のルーツを、なぜ自分は日本人の顔、名前を持っているのにメキシコにいるのか。ということを知ってほしいと思います。

お名前:Andyさん

在住:ペルー

このキャンプを通じて、他の国の日系人と交流し、お互いの文化や違いを知ることができます。自発的に相手のために何かをしてあげられる、そういう絆が生まれ、今後もそれが続いていくのが良いところだと思います。

今は日系人としてのアイデンティティーを後世に伝えてくために日本語を勉強しています。

お名前:Aqino Yukariさん

在住:パラグアイ

パラグアイでは、大学で建築を学んでいます。

まだ始まって二日目ですが、すでにみんなと仲良くなれました。

自分が日系人であることには誇りを持っています。

パラグアイでは移民80周年を記念した移民の物語を再現した劇にも挑戦したんです。

親子で歌った、「次世代への想いの継承」

メキシコに移住し、26年が経つ中村みゆきさん、その息子のたけゆきさん。

HYの名曲「時をこえ」を披露し、戦争中でも希望を捨てず、おじいちゃん、おばあちゃんたちが一生懸命生き抜いたからこそ自分たちの今の命につながっているということ、若い世代の自分たちがその思いをしっかりと次の世代へと伝えていかなければならないというメッセージを込めました。

日本生まれ日本育ちの大学生が日系人のつながりを見て

日本で生まれ育った私は、自分がなぜここで生きているのかとか自分の使命なんてことは今まで考えたことがありませんでしたが、彼らと少しの間でしたが過ごしてみて、日系人として生まれた自分自身を一生懸命知ろうと努力し、日系人としての誇りを持ち、次世代に歴史を伝えていこうという彼らの姿勢をみて、改めて命についてや、自分自身について考えさせられました。彼らの、すごく明るく誰とでもすぐに打ち解け、常に感謝を持ち過ごしている姿勢からは学ぶことが多くありました。

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著者情報

紹介文: Hola! 現在メキシコでインターン中の大学4年生船戸輝(かがやき)です。メキシコでの目標は、「語学?それなら全部ストリートから教わったけど?」って言いながらタコスを食べることです。 よろしくお願いします!

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