ウシュマルのみどころ

ウシュマルはたいへん広い遺跡で、装飾やデザインが面白い建造物がたくさんあります。細かく見学するのであれば2～3時間は必要となるでしょう。

【魔法使いのピラミッド】

ゲートを入ってすぐ目の前に見えるのが「魔法使いのピラミッド」。高さは35メートル。普通のピラミッドは四角い形をしていますが、ウシュマルのピラミッドの特徴は楕円錘の形をしていること。ピラミッドの角が丸まっていてとても女性的なフォルムです。魔法使いのピラミッドという名前が付けられているのは、小人がたった一晩で建ててしまったという伝説があるからだそうです。

実は、今まで写真を紹介してきたピラミッドの丸みを帯びた部分は、ピラミッドの裏面にあたります。ピラミッドの表側は以下の写真のように中央に階段があり、建物に囲まれた広場に隣接しています。

下の写真は、ピラミッドに隣接する「尼僧院」に続く回廊から、魔法使いのピラミッドを見たところです。ピラミッドの前には建物に囲まれた広場があるのがわかります。この魔法使いのピラミッド、以前は登ることが出来たのですが、残念ながら今は遺跡保全のため禁止されています。

広場を見下ろす建物の壁は、細かな石を組み上げて装飾されています。これをプウク様式といいます。下の写真の建物の角には、くちばしのようなものがついた顔が作られています。この象のような、鳥のような不思議な形をした顔が、実は、雨の神チャークを表しているのです。この地方では雨が貴重な水源であり、雨の神は大変重要な崇拝対象だったのです。