メキシコのスマートフォン普及率は2017年には全携帯回線契約の内75％とともいわれる程アップしてきており、ユーザが携帯回線に求める物も変化を見せています。また2014年、政府の指導でTelcelの課金システムが改善、2015年度末のAT&Tによる統合（IUSACEL,NEXTEL MEXICO)をきっかけとして、メキシコの携帯キャリア3社は激しい競争の時代に突入しました。Movistar、AT&T共に2017年までに弱点であったサービスエリアの狭さをTelcelとのローミング契約によって改善したので、多くの都市部においては各社が競って出しているサービスをお得に利用できそうです。

ここではメキシコ到着間もない方向けに、「お得に携帯を利用するためのヒント」を紹介したいと思います。

その1：回線を手に入れる前に

日本から持って来たスマートフォンがSIMフリー端末の方で機種の対応周波数バンドが3GでBAND2又は5、LTE/4GでBAND4 又はBAND2（Movistarのみ）に対応している物をお持ちならばSIM（CHIPといいます）の挿し換えでメキシコでも使う事ができます。日本のキャリアでSIMロック解除をしたスマートフォンに関してもこれらのバンドに対応している物は利用できるので確認してみてください。（Docomoの物については3G帯域には対応しているようですが、LTE/4Gは利用できない物が多いようです。）

新しい携帯電話は携帯ショップの他、コンビニ、スーパーなどで安い物から売られており、旅行者でも買い易いと感じます。（パスポートなど身分証明書のコピーを取られます。）有名メーカーの最新のスマートフォンは日本と変わらないような価格の物もあります。しかしここでお話するまでもなく、高価な携帯を持ち歩く時には注意が必要な地域もある事も考え合わせて機種を選んでくださいね。

その2：支払い方法・SIMについて

昨今は先に料金をチャージすることで、金額に応じた有効期限内利用できるプリペイド方式が主流となっています。特別な契約もなく利用する事が可能です。後払い方式プランもありますが、クレジットカードなどでの支払いなど、外国人には特にハードルが高く、申し込みの手間も掛かる為、ここではプリペイド利用についてお話します。

SIMは路面の携帯ショップやスーパーなどの量販店、コンビニで売っています。料金は各社共、100ペソくらいまでが標準価格です。キャンペーンなどで安くなっている場合もあります。もしも道端等の業者から購入する場合は「cerrado（未開封）」かどうかの確認をして下さい。安い「abierto（開封済）」でも使えますが、紛失時に同じ番号を取り戻したりする場合に厄介だったり等、正直、どなたにでもおすすめはできる物ではありません。もし購入したら、端末に挿した時に電話番号を「設定」やSMSから確認して下さい。

販売業者によっては、予め通信料を含んだSIMを提供しています。旅行者の方は、これが尽きるまでオンデマンド料金で利用してもいいかもしれませんが、例えばMB(メガバイト)あたりのデータ通信分はTelcelの場合で0.85ペソと費用がかさむ為、後述するパック料金の利用をおすすめします。

開通設定方法などはここでは省きますが、いずれの場合にせよ、開通設定（SIMのアクティベーション・キャリアAPN設定）は店の人にやってもらうと楽です。

その3：プリペイド料金パック

2016年後半頃より各社で「Ilimitado」「sin limite」といった名前で「無制限料金」パック(paquete)が展開され、各社、内容でしのぎを削る状況となっています。2017年12月からの料金パックでは通話とSMSが終日無料（メキシコ国内＋米国＋カナダ）、データ分については、料金に応じてブラウザでの閲覧用の容量の他、ソーシャルアプリ専用容量がついてくるシステムになっています。日本でも一部格安SIMで利用できる「カウントフリー」のようなサービスですが、全キャリア、MVNOのパックに導入されて、最早スタンダードとなったようです。各社とも基本はFacebook、TwitterとWhatsapp(海外ではよく利用されている通話＋メッセンジャーアプリ）の３種となっています。

2017年、AT&TはInstagram, Snapchatも含むパックをリリースしました。2018年1月現在、3大キャリア他社においてはプリペイドではこれに追従する動きはありませんが、Movistarはサッカーのメキシコ代表のサポータークラブ利用料を含むパックを出していますし、追加料金になりますが、各社NETFLIX、YouTube又は自社のエンターテインメントコンテンツを格安で利用できるサービスを展開しているので、今後益々ライフスタイルに合った課金ができるようになりそうです。

その4：利用するにはどうしたらいいの？

＜Telcel「Amigo Sin Limite」＞

https://www.telcel.com/personas/telefonia/amigo/tarifas-y-opciones#!amigo-sin-limite

2017年12月現在、20ペソ以上の金額をチャージするだけで適用されます。

※スペイン語サイトです

＜Movistar＞

http://www.movistar.com.mx/descubre/prepago/movil

2017年12月現在、40ペソ以上の金額をチャージするだけで適用されます。

※スペイン語サイトです

＜AT&T 「Unidos Prepago」＞

https://www.att.com.mx/planes-att-prepago.html

2017年12月時点、50ペソ以上の金額をチャージするだけで適用されます。ただし、facebookやmessenger、Twitterといったアプリが使用できるのは100ペソからとなっています。

※スペイン語サイトです。

これ以外の追加容量パックなどは最後の項で申し込み方法のみ紹介します。料金詳細については各リンク先にある各社HPをご覧ください。

その5：チャージはどうしたらいいの？

キャリアのサービスセンター、契約携帯ショップの店頭、コンビニ、スーパー、ドラッグストアのレジ、銀行ATMから、あるいは各社HPのユーザエリアからクレジットカードにて、といろいろな方法でチャージする事ができます。変わったものではTelcelが2017年ローンチしたPaypal利用の新決済システムTelcelPayというのもあるので、通販などを利用したい方には便利かもしれません。

コンビニからの場合、OXXOで依頼すると、バーコードカードを作ってくれるので次回から楽です。（他のコンビニでだと、店員さんに番号を口頭で伝える事になり、うまく伝わらず、時間がかかってしまうこともありました。）チャージの残高はキャリアのユーティリティアプリやユーザページから確認する事ができます。また課金明細のまとめもキャリアのユーザーページからオンラインで見る事ができます。（パスワード忘れにはご注意ください。）

さて、お財布の中身と相談しながら、使う分だけ払える前払いパックですが、最長で30日毎にチャージしたりするのが面倒だったりする方もおられるかもしれません。そんな方はAT&Tから発売された有効期限6ヶ月、9ヶ月の料金を含むSIMパック料金もあります。

次ページでは データ向けプランの申し込みや、料金の注意点についてご説明します。