墨ベーカー経済次官、TPP発効に向けて日本との協力関係強化の姿勢を示す。
ベーカー氏は、「メキシコと日本はTPP発行に向けて非常に重要な役割を果たす」と述べ、両国が主導し、米国を除いた11カ国によるTPPの早期発効を目指す考えを表明した。さらに、TPP参加11カ国は協定内容の大きな見直しを行う為の再交渉を求めてはいないため、基本的に現行の内容から変更されることはないとの見解も示した。
ベーカー氏は5月21日、ベトナム・ハノイで開催されたTPP参加11カ国の閣僚会合には、メキシコの交渉担当として参加。日本及びオーストラリア、ニュージーランドなどはTPP発効に前向きだが、チリ、ペルー、マレーシア、ベトナムなどは米国抜きでの発効に慎重な姿勢を示している。メキシコは以前より、米国がTPPを離脱した場合でも発効は可能との姿勢を崩しておらず、米国抜きでのTPP発効を推進してきた。同会合では、11月に開催されるアジア太平洋経済協力(Asia-Pacific Economic Cooperation;APEC)の首脳会合に向け、TPP発効に向けた協議を続けることで一致したが、日本などが目指したTPPの早期発効には至らなかった。
閣僚会議後、ベーカー氏は5月23日に来日。外務大臣政務官の武井俊輔氏を表敬訪問したほか、日本経済団体連合会が主催するメキシコ経済セミナー等にも参加。TPP発効に向けて両国間で緊密に協力していきたい旨を述べた。加えて、メキシコの条件が不利にならない限り、現在はTPP非参加国であるタイやフィリピン、韓国など、加盟国数の増加も認める発言をしていた。
その他、ベーカー氏はメキシコが日本との二国間貿易・投資の強化を行いたい意向があることも伝えた。今年7月にはメキシコの経済大臣であるイルデフォンソ・グアハルド(Ildefonso Guajardo)氏が訪日予定で、日本企業のセミナー等に参加する予定である。
また、ベーカー氏はメキシコのほか、米国、カナダも参加する北米自由貿易協定(North American Free Trade Agreement;NAFTA)に関しても発言している。NAFTAでは現在、メキシコのエネルギー市場の開放を含む、協定内容の近代化に向けた再交渉を求めているが、メキシコは輸入品の関税引き上げや課税を導入する方針は一切受け入れないとの考えを示した。
引用記事引用記事引用記事引用記事