米国税関・国境警備局(United States Customs and Border Protection;CBP)は6月27日、米国のドナルド・トランプ大統領が提案するメキシコと米国の国境の壁建設に関しての報道を発表。壁の試作品が今年9月までに完成する予定であると伝えた。
同プロジェクトは数十億ドル(数千億円)規模となる見込み。計画進行の第一段階として現在、南部がメキシコと面する米国カリフォルニア州サンディエゴ市における壁の試作品建設に向けた入札が行われている。
CBP副局長のロン・ヴィティエッロ氏は記者団に対し、「私たちの計画では、夏の終わりまでに壁の試作品を完成させる予定だが、正確な日時を伝えることは難しい」と伝えた。ヴィティエッロ氏によると、同入札は最終段階にあり、4社から8社が参加しているとのこと。各社とも発注後30日以内に、鉄筋コンクリートなどを使用した試作品を完成させることが可能だと伝えられている。
試作品完成後は評価や意見の収集を行うとしたが、最終的な契約、実際の壁の建設などの正確な時期を定めるのは難しいとした。なお、CBPのカーラ・プロボスト氏は、壁の建設は2018年春に始まる可能性が高いと伝えている。
またヴィティエッロ氏は、建設する壁のおおよその長さが約130マイル(約209キロメートル)になると初めて数値化。未だメキシコとの合意に至っていないことを前置きしつつ、実用的でもなく必要でもない長さとした。
壁の建設は、カリフォルニア州サンディエゴ市、テキサス州リオ・グランデ市で優先的に進められるという。一方、テキサス州南部にあるビッグ・ベンド国立公園は広大な湖と河川を擁しているため、人の流入を防ぐ自然の壁となるとした。
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