日本や米国など主要国首脳会議に参加する7カ国(G7)、ロシア連邦、メキシコや中国など新興経済国11カ国から成る主要20カ国・地域(G20)の首脳会合が、7月7日から8日にかけてドイツ・ハンブルクで開催された。
同会合中の7日、メキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領と米国のドナルド・トランプ大統領による両国の首脳会談もトランプ氏の米大統領就任後初めて実現した。当初、両国の首脳会談はトランプ氏が大統領に就任した今年1月末ごろに行われる予定だったが、トランプ大統領が不法移民流入を防ぐために両国の国境に壁の建設を指示、かつ建設費用をメキシコに負担させる考えを示したことでメキシコ側が反発し、会談が中止となった経緯がある。
同会談では主に北米自由貿易協定(North American Free Trade Agreement;NAFTA)について協議され、両国首脳はNAFTAの再交渉を行うことで一致。再交渉の開始時期は8月16日からの見込みで、2017年末までに大枠の合意を目指すという。なお、ペニャニエト大統領の報道官によると、会談中は壁の建設については議題に上がらなかったという。
しかし記者団がトランプ大統領に対し、国境の壁の建設についてメキシコに費用を負担させる考えに変わりがないかと尋ねたところ、「もちろんだ」と回答。その際、隣に座っていたペニャニエト大統領は、特に発言することなく黙っていたという。これを受け、メキシコの地元メディアなどでは、米国がメキシコに恥をかかせたとして批判の声が上がったほか、ペニャニエト大統領に対しても、メキシコが壁建設の費用を負担する予定はないと公言しなかったことへの不満も寄せられた。
ペニャニエト大統領はツイッターにて、トランプ大統領との会合では移民や安全保障、経済発展について話し合い、生産的なものだったと伝えた。また、メキシコのルイス・ビデガライ外相もラジオインタビューにて、同会談は友好的、かつ敬意を表したものだったと語り、壁の建設については協議されなかったと改めて強調。トランプ大統領の発言についても、ペニャニエト大統領もビデガライ墨外相も聞いていないとした。
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