メキシコの子どもの権利のためのネットワーク(REDIM)が、報告書「2017年のメキシコの子どもの数。子どもや十代の若者のための司法制度利用への挑戦(スペイン語:La Infancia cuenta en México 2017. Desafíos en el acceso a la justicia para niñas, niños y adolescentes、英語:2017 Childhood counts in Mexico. Challenges in access to justice for children and teenagers)」を発表しました。これによると、2016年は過去17年で、子どもやティーンエージャーの失踪者数が最も多かった年であったことが分かりました。
ビセンテ・フォックス政権時代(2000年12月~2006年12月)は20件に留まっていた失踪者数が、フェリペ・カルデロン政権時代(2006年12月~2012年11月)は1,584件、現在のエンリケ・ペーニャ・ニエト政権(2012年12月~現職)には4,394件へと年々増加しています。
また統計によると4件に1件はメヒコ州で報告されており、同州で最も多くの失踪が起きています。子どもの失踪者数増加の背景には、性的人身売買、武装集団や犯罪組織の暴力が関連しているとされています。
REDIM代表のフアン・マルティン・ぺレス・ガルシア(Juan Martín Pérez García)氏は、2006年から2014年の間に殺害された約2,000人の子どものうち、半数が治安部隊との衝突によるものだったとし、メキシコは子どもや十代の若者の人権問題が深刻化していると強調。また、子どもやティーンエージャーに対する性犯罪の刑罰が不十分で、被害に対する賠償制度利用の保証もないと伝えました。
参考記事下記に掲載した記事では「2017年、1日あたりの殺人事件記録を更新」と題し、メキシコの殺人事件の増加について記載されています。SESNSP(保証国家公安システム)調べによれば1年間で25,339件の殺人、1日あたりに換算すると70人、前年度対比18.9%の上昇とのことです。
事件の大半は組織犯罪(前年比55%上昇)であり、全ての地域で治安が悪化していると判断できるものではありませんが、メキシコで暮らす上で十分に注意して日々を送るようにしましょう。
2017年の殺人数参考資料(スペイン語)最後に、今回の記事公開についての意図を記載させていただきます。私たちはただ不安を煽りたいわけではなく、メキシコで暮らすという意味を考えていただければと思い、今回のようなネガティブな記事を公開することにしました。amigaでは、「安心」と「ワクワク」を提供するメディアとしてこういった負の面についても時々ご紹介したいと考えています。