そもそもゴーストタウンとは?
過酷な自然環境や突如起きた自然災害によってその町に人が住めなくなり、道路や建物だけが取り残された町のことを言います。広大な領土をもつメキシコには様々な自然環境があるため、ゴーストタウンの数も多く形も然り様々なのです。それにしても日本語で「亡霊の町」、だなんて恐ろしい呼ばれ方ですね...。
ゴーストタウン #1 旧ゲレロ
アメリカとの国境沿いのヌエバ・レオンに位置するこのゴーストタウン、旧ゲレロ。
1944年、かつて人がまだこの町に住んでいた当時この町の近隣にメキシコとアメリカ両政府が共同でダムを建設しました。着工から約10年でダムは完成。しかし、このダムにより町は時々洪水の被害を受けるようになった為、当時住んでいた町の人々は忽ち移住を余儀無くされてしまいました。
今日では、ダムの水位が低い時に限り旧ゲレロを訪れることができます。度重なる洪水により木材と鋼材部分はほぼ全て風化で奪い取られ、石材部分のみを残した当時の建物の残骸が残ります。また、濁流により奇妙な模様に変色してしまった建物の残骸は、元々町だったこの場所に不気味な空気を漂わせます…。
ゴーストタウン #2 旧パランガリクトゥロ
ミチョウワカン州に位置する旧パランガリクトゥロ。小さな教会が岩山の上に1軒建っているように見えるこの写真ですが、実はかつて人が住む町だったのです。
1943年2月に起こったパリクティン山の噴火が起こった際に町ごと溶岩に飲み込まれてしまいました。溶岩は粘性が強く、流れはゆっくりだった為幸いなことに被害者はでていませんが、この溶岩の下にかつて町が存在したと考えると噴火の威力は凄まじいですね…。この噴火にて唯一残されたのが教会の鐘塔部分で、神により唯一保護された場所と言われています。今ではミチョウワカン州の観光名所の1つとして注目を集めています。
一方で、石化した溶岩に埋まってしまった町の掘削作業は復興した新パランガリクトゥロの町人たちの重要な雇用に繋がっています。
翻訳原文記事