グアテマラの世界遺産ー川の国境を越えて憧れのティカル遺跡へ!

メキシコのお隣にある中米の一国、グアテマラ。マヤ文明といえばメキシコのイメージがありますが、実はグアテマラもこの文明の中心地だったため、多くの遺跡がその姿を残しています。今回はそんなメキシコの隣国グアテマラにある世界遺産のティカル遺跡群へ行ってきました!

こんにちは、amigaライターのJBです。

メキシコへ来て9ヶ月、スペイン語はまだまだですが生活には少しずつ慣れてきて、遠くへ出かける勇気も出てきました。

メキシコと接している国は、北はアメリカ、南東はベリーズ、南はグアテマラと3国ありますが、このうちスペイン語圏はグアテマラだけ。10日間と長めのお休みが取れたので、世界遺産にもなっているグアテマラのティカル遺跡へ行ってきました。

グアテマラはここ!

出典 - https://www.google.com/maps/

グアテマラはメキシコの面積の1/18、日本の1/3ほどの小さな国です。人口も1700万人弱でメキシコや日本の約1/7です。グアテマラには少し悲しい歴史があり、メキシコと同じく16世紀にスペインの支配下に置かれました。19世紀にスペインから独立しましたが、その後中米諸州連合の一国となります。連邦内の利害関係が強く、1838年にグアテマラ共和国は独立しました。しかしその後も国内での独裁政治、内戦など安定しない時代が続き、1996年にようやく内戦が終結しました。スペインの植民以前はグアテマラはマヤ文明の中心だった場所であり、また現在はコーヒーの生産国として世界的に有名です。

メキシコからの行き方

メキシコからグアテマラへ行くには飛行機や陸路などがありますが、今回は節約旅行のため、メキシコのパレンケからグアテマラの国境まで陸路で行って入国するルートを選びました。メキシコシティから長距離バスに乗り、パレンケまで行きます。パレンケから近距離バスで国境のフロンテラコロサルへ向かいます。

青矢印が実際辿ったルートです。

出典 - https://www.google.com/maps/

国境越え

フロンテラコロサルに着くと、メキシコからの出国手続きをします。国境までのバスは乗合バスなので、イミグレーションの建物の前で外国人だけがバスから降ろされます。手続きをすませると、国境の川へ向かって歩きます。川の手前がメキシコ、対岸がグアテマラです。泳いで渡れそうなくらい近いですが、この小さな船で国境を渡ります。

対岸のグアテマラへ着くと、すぐに入国手続きをするのだと思っていたのですが…小さな待合小屋があるだけで、他には何もありません!

現地の方に聞くと、入国管理所は数キロ離れた所にあり、バスで行けるとのこと。次のバスは2時間後でしたので、おとなしく待ちます。でも入国手続きの前にこの放置状態・・・。勝手に密入国できでしまいそうです(笑)

入国審査

ボーダーラインの川から乗り合いバスで1時間ほど走ったところに、イミグレーションの建物がありました。グアテマラ入国は日本人なら90日間ビザは不要で、手続きはすぐに終わりました。

フローレス

その後もバスを乗り継ぎ、フローレスという町まで移動しました。フローレスは湖のある美しい観光名所で、ティカルへの入り口です。欧米諸国からの観光客も多く、ホテルのスタッフは英語が話せました。

フローレスで旅行社を周り、ティカル行きのツアーを探します。

1. ティカルで日の出を見るコース

2. 日の出前に出発し、午前中に戻るコース

3. 日中に行く日帰りコース

4. 夕方出発し、日没をティカルで見るコース

だいたいどこの旅行社も、この4つのコースがありました。1番目の日の出を見るコースも魅力的だったのですが、深夜2時に出発だったので、2番目のコースを選択しました。旅行社の方が言うには、日中のコースはティカルでの滞在が10-14時と最も暑い時間帯になり、かなりきついとのことでした。

外国人用ツアーには英語のガイドが付き、料金はティカルの入場料150GTQ(グアテマラ・ケツアル)を含んだ250 GTQ(日本円で約3,700円)でした(2018年時点)。

いよいよティカルへ

フローレスを朝4時半に出発し、ティカルのある国立公園に向かいます。フローレス市街から1時間ほどで公園の入り口に到着。見たところ、ティカルへ来る手段は自家用車とツアーバス以外はなさそうでした。国立公園へ入りティカル遺跡群の入り口まで着くと、ここからは徒歩です。しばらく緑のジャングルを歩きます。

50mほどあるセイバの木。マヤの人たちの聖なる木で、グアテマラの国の木に指定されています。ガイドさんから、ティカルがロケ地に使われたハリウッド映画の作品名などを聞きながら歩いていると、いきなりピラミッド出現です。

ティカルはジャングルが深いので、歩いていると突然視界が開いて巨大な神殿やピラミッドが出現します。

2号神殿。グラン・プラザには1号神殿と2号神殿が向かい合って建っています。

横から見た1号神殿。

4号神殿の上に登ると、遠くに他の神殿が望めます。左から1、2、少し離れて3号神殿。ジャングルの朝の霧に霞む神殿は、この世とは思えない程美しく神秘的です。ティカルは、一生に1度は訪れていただきたい場所です。

グアテマラシティ

ティカルを後にし、深夜バスでグアテマラシティまで一気に南下しました。グアテマラシティは、メキシコシティやケレタロにあるような、メトロバス(路線電車のようなバス)などもあり、かなり都会です。残念ながら治安はあまり良くなく、町のお店の入り口に大きなライフルを持った警備員が立っていて、はじめはギョッとしました。「うちの店は(警備員を雇っていて)安全なので、ゆっくり買い物を楽しんでください」というサービスの一環だそうです。靴屋や、洋服屋、コスメショップまであらゆる小売店に銃を持った警備員がいました。

典型的なグアテマラの朝食です。卵の焼き方と、パンにするかトルティージャにするかを聞かれます。揚げバナナはコーヒーとの相性が抜群です。チーズと豆も必ず付いています。グアテマラではコーヒーはだいたいどこでもおかわり自由です。少し薄めで上品な味でとても美味しくておススメです。

コーヒーの木。朝昼の寒暖差が美味しい豆になるとのこと。

グアテマラの誇る政府庁舎です。緑の石で作られていて、光り輝いていました。

グアテマラシティ名物の通称チキンバス。弱虫は乗れないということでしょうか。確かに運転はかなり上手かった(荒かった)です。バスには運転手の他に必ずバスボーイが同乗しています。チキンバスに乗られたら、ぜひバスボーイに注目をしてください!道路が混み出すとバスはなんと路肩を走るのですが、バスボーイがバスを誘導して路肩に停まっている単車や露店を避けたり、渋滞していない道の情報を、他のバスのバスボーイと電話でやりとりして抜け道を走ったりと、驚異の活躍です。またどんなに車内が混みだしても、乗った人の顔と人数を覚えていて、満員の車内をかきわけて集金にくるのです。私が社長なら、このバスボーイさんたちを全員雇いたい!と思ったほどの働きぶりでした。

チキンバスを乗り継ぎ、先日火山が噴火したアンティグアなどを回って再び陸路でメキシコへ入国。メキシコとは一味違うグアテマラ旅行は、とても印象的で素敵な思い出となりました。

グアテマラへ行ってみて

お隣の国とはいえ、グアテマラとメキシコは思ったより違いました。町中にはマヤの人たちが普通に暮らし、ご年配の方たちはマヤ語で話をしています。マヤの人たちは男性でも背が低いので、身長153cmの私はグアテマラでは少し背の高い部類でした。

食事は、種類は多くないですが、素朴で力強く、とても美味しいです。メキシコに比べ、量は控えめでした。そういえばぽっちゃりしている方も少なかったです。

グアテマラでは、自身の国に誇りを持つよう、小さな頃からグアテマラの歴史や文化を熱心に教えるそうです。グアテマラのどこへ行っても、外国人の私を歓迎するムードがありました。遠くの国の人が自分たちの文化遺産を観に来てくれていることが嬉しいのだと話してくれました。

素朴で生命力溢れるお隣の国、グアテマラ。一度訪れてみてはいかがですか?

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著者情報

紹介文: メキシコに住み始めて1年、スペイン語を勉強しながら古代遺跡を訪ね歩いています!

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