昨年12月1日にメキシコの新大統領に就任した、ロペスオブラドール。AMLO(アムロ)の愛称で親しまれ、特に貧困層から多大な支持を受けてメキシコのトップに立ちました。そんな彼が、就任後から驚きの施策やパフォーマンスを数多く行っていることはご存知でしょうか。
ここではそんな中から、特に注目されている施策を3つご紹介します!
その1.大統領専用機を売却することにしちゃった
1つ目の驚きの施策が、大統領専用機の売却です。
こちらのニュースは多くの方もご存知なのではないでしょうか。ロペスオブラドールの前任、ペーニャニエトが購入したこの大統領専用機はなんと227億円。大理石のバスルームやベッドまで携えた、超高級飛行機に乗って前任の大統領は移動をしていました。しかしロペスオブラドールはこれを「高価な贅沢品」と選挙時から批判。就任すると直ぐに、これを売却するように押し進めたのです。
そして自分は「専用の飛行機なんて恥ずかしい」と言い、なんとエコノミークラスに!「国のトップが自分達と同じエコノミークラスに乗ってきた!」と、機内は大変な騒ぎとなったようです。
まだ買い手は決まっていませんが、国が持つ60の飛行機と70のヘリコプターと合わせて、大統領専用機の売却は進められています。
その2.大統領官邸「ロス・ピノス」(Los Pinos)を博物館にしちゃった
2つ目の驚きの施策が大統領官邸「ロス・ピノス」の一般解放です。
皆さんはメキシコの大統領官邸、ロス・ピノスをご存知でしょうか?「メキシコのホワイトハウス」とも言えるこの建物には1934年以降、ペーニャニエトをはじめとする14人もの大統領が暮らしてきました。その大きさはなんとホワイトハウスの14倍!この高級感溢れる建物で生活をするのが、メキシコ大統領たちの慣習でした。
しかしロペスオブラドールは出馬をした時から「高級すぎる」「私は近くのアパートで良い」と宣言し、ロス・ピノスを博物館として一般解放することにしてしまったのです。
しかも3日前までは前任者が生活をしていたのにも関わらず、大統領に就任した、12月1日に直ちに解放したという驚きの行動力です。長年閉ざされてきた施設を一目見ようと、初日から多くの人が押し掛けました。
その3.月収は60%カットで60万円にしちゃった
そして3つ目の驚きの施策が給与の60%カットです。ロペスオブラドール大統領は「給料は108,000ペソ(約62万円)しかもらわない」と宣言。しかも「他の政府関係者もそれ以上の額はもらってはいけない」とし、政府人件費の大幅削減に乗り出しています。前任のペーニャニエトは月収が155万円と推定されているので、実に60%もの給与カットとなります。
「月収60万円も発展途上国ならかなりの額じゃない?」と思われるかもしれませんが、実は「ラテンアメリカで3番目に給料が低い大統領」になるそうです。(下からボリビア、ペルー、メキシコ)同地域におけるメキシコの経済規模から考えると、驚きの給与の低さです。
(ちなみに私は給与を60%カットしたら、とても生きていけません…)
貧困層から絶大な支持
もちろんこれらはあくまでパフォーマンスで、メキシコの問題を根幹的に解決できるような施策ではありません。しかし大きな改革を起こそうとしていることも事実で、新大統領は貧困層を中心に絶大な支持を集めています。驚きの施策であふれるロペスオブラドール大統領の今後の動きにも要注目です。