気になるメキシコの基礎データ
これからメキシコで働きたいと考えている方やメキシコの市場に魅力を感じ、ビジネス展開を考えている方に、今回はメキシコの経済状況についてご紹介致します。
まずはメキシコの基本データから。
メキシコは2021年6月現在、1億2,700万人以上の人口を抱えている大国です。
(外務省調べ)
人口の約43%は25歳以下の若者で、全体の平均年齢はまだまだ若く、
29歳となっています。
そんなメキシコですが、非常にポテンシャルを秘めた人口を形成しています。
現在のメキシコでは7,600万人が雇用され労働をしています。また全人口のうち労働年齢に達している人口(15歳~64歳)が多いのも魅力の一つです。
またCONAPO(国家人権委員会)そして、INEGI(国家統計・地理・情報局)によると、今後20年間で生産年齢人口は8,000万人に達するとの予測です。
実はアメリカよりも低いメキシコの失業率
続いてメキシコの失業率についてです。失業率の特徴としてメキシコは過去10年間、6%以下の失業率を保持しています。2020年のOECDが発表した報告書によると、OECD加盟国の中で9番目に低いことを示しています。また、2021年6月には失業率4%を記録し、今後も正規雇用者が増加すると予測されています。
補足として完全失業者の定義としては以下の3点が挙げられます。
①仕事がなく全く仕事をしていない。
②仕事があればすぐに就くことができる。
③仕事を探す活動や事業を始める準備をしている。
上記3つの条件に全て当てはまる人、つまり「現在仕事はないが就職に意欲がある人のことを失業者」と指すため、既に仕事探しを諦めている割合は失業率に影響しません。その為失業率が低いといっても一概に良いとは明言できないのが注意点ですね。
【OECDによる失業率統計】<br>
メキシコ経済の特徴
次に、メキシコ経済の特徴についてお話します。
メキシコ経済の特徴を一言で表すならば、「サービス業に強い経済」です。
というのも2021年上半期には、サービス業界がGDPの約62.62%を占めました。
サービス業界に次いで、
工業部門:GDPの28.78%
第一次産業:GDPの3.39%
を占めています。観光地などが多いメキシコにとってサービス業が大きな役割を担っていることが分かりますね。
そんなメキシコですが、2010年から2018年の間に2.8%の経済成長を遂げていたものの原油価格の下落やパンデミックにより、サービス業を中心とした経済に影響を及ぼしています。
輸入と輸出におけるメキシコの特徴
1980年代以降、輸出の多様化に焦点をあてた貿易戦略はメキシコを2019年に世界第11位の輸出国に成長させました。特に、サービスの輸出額はメキシコ銀行のデータによると総額4,000億ドルを超えました。またIMF(国際通過基金)の推計によると、この輸出額は今後数年間も持続的に成長を維持する見込みと発表しています。
また輸出地域に注目すると、メキシコの輸出先としてラテンアメリカがメキシコ輸出先全体の43.6%を占めています。特に製造品の輸出に関しては、同地域全体の輸出額の半分以上を占め、
中南米の中でも主要な輸出大国としての地位を示しています。
輸出産品として、2021年現在メキシコは金属機械、自動車、電子機器などの製品を中心に展開しています。その理由として、上記の付加価値の高い製品の輸出は石油などの原材料と比較し、年々増加していることにあります。
今後のメキシコ経済の方針
最後にメキシコ経済が今後どういった方向を目指しているのかをご紹介致します。
メキシコ政府による経済開発戦略では、パンデミックや原油の下落による経済影響を取り戻すため、
・社会プログラムの充実
・インフラや特定の分野の民間企業への投資の促進
・公共資産への投資の増加
・グローバルなバリューチェーンを再構築し輸出の増加をはかる
などを掲げています。
また、経済の強化といった点では経済成長率を再度増加させることを実現するためにメキシコ政府は以下のことを現在方針としています。
1.インフラ投資への支出を増やす。
2. 貯蓄を増やし、資源のより効率的な配分を可能にするための政策を実施する。
3. 平和への試み、暴力の削減、汚職との戦い
4. 投資に対するより高いリターン
5. 生産要素の組み合わせにおけるより高い効率性を実行する。
6. 若者の人的資本の開発を促進する。
まとめ
今回はメキシコの基礎経済からその特徴、今後の政府の方向性までをご紹介致しました!
今後のメキシコの経済状況にも期待ですね。
【参考】<br>