【インタビュー】豊田合成イラプアトメキシコ、社内に展示ブースを制作

豊田合成イラプアトメキシコでは工場内に自社の製品や取り組みを紹介する展示ブースを新たに設置しました。展示ブース制作の背景やプロセス、効果などについて、同社のブース制作のプロジェクトを担当された西川剛史さん、人事担当のモニカさん、パウリーナさんにインタビューを実施しました。

(西川さんへのインタビュー)

▼展示ブースを制作しようと考えた経緯と制作の過程について教えてください。

私たちのグループ会社の大半の入り口には、豊田合成で生産する製品を展示するブースがあるのですが、豊田合成イラプアトメキシコにはなかったので、以前から作りたいと思っていました。

メキシコ人従業員の中には、弊社のことをあまり理解しないまま、日系企業で給料が良い会社であるという噂を理由に働いているメンバーも多いのではないかと感じることがあります。メキシコ人従業員に対して、豊田合成の歴史や大事にしている価値観、世界各国でビジネスを展開している会社であるということを少しでも知ってもらい、その一員として誇りを持って仕事をしてもらえるきっかけになるものを提供したいと考えていたこともブース制作を実現したかった理由の一つです。

展示ブースの制作構想自体は3年ほど前からありました。ただ、前任者も私も、日本で展示ブース制作などの仕事にかかわったことがなく、どこから手をつけたらいいか、依頼できる会社はあるのか、どういうステップで進めていくのかという実現方法が全くイメージできていませんでした。そんな時に、カマラ(メキシコ日本商工会議所)の定例会でEncounter Japanの営業担当の方と名刺交換をさせていただき、ブース制作の実績があると聞いたので、とりあえず話を聞いてみようというくらいの感覚だったことはすごく覚えています。

そしてEncounter Japanさんと打ち合わせをさせていただいた際に、制作のプロセスやプロジェクトの想定スケジュール、またレファレンスを用いてデザインを説明してもらったことで、具体的にブースを制作するイメージができたので依頼することを決めました。ようやく見つかったという感覚でしたね。また、その後の詳細を詰めていく段階でも、こちらの要望に丁寧にご対応いただき、非常にありがたく感じました。

平面のデザインが完成した段階で、かっこいいなと感じていましたが、施工が始まる前までは、本当にこのデザインが形になるのか?と半信半疑なところもありました。ですが実際に施工が進んでいく中で、既にある壁を取り壊して新しい壁を作成する様子などを見て、「こんなこともできるんだ」といい意味で驚きの連続でした。

(プロジェクト開始時点のブーススペースの写真)

(平面のデザイン)

(3Dデザイン)

(完成後のデザイン)

▼ブースの反響について教えてください。

従業員にはサプライズにしたかったので、ブースの施工中は何を作っているかアナウンスをしていませんでした。ただ、入り口に大きなものを施工していたので多くの従業員は興味深そうに「なんだろう?」といった様子でチラチラ施工現場を覗いていました。

ブースの施工が完成した後、800人以上いる従業員に対して、人事の担当者から順々に展示ブースを用いて会社の紹介を改めて行なっています。従業員の反応を見ていると「私たちが働いている会社はすごい会社なんだ」と感じてくれているようで、ブース制作の本来の目的をしっかり果たせているのではないかと強く感じています。

新入社員の教育にも展示ブースを使用して説明をしているため、入社して間もない段階から豊田合成に対してある程度の知識をもった上で、各部署に配属されていくのはすごく価値のあることだと感じています。

展示ブースに期待することは、従業員が豊田合成で働く意味を自分なりに理解・解釈し、それをモチベーションに変えることです。ただ単に生活のためだけに働くというだけではなく、「世界で活躍する企業の一員である」という誇りを持って働くことで、日々の生産目標達成に対する意欲増進、新しい製品を立ち上げる際にも豊田合成という看板を背負っているという気概を持ってくれるのではないかと期待しています。

日本から弊社の役員がメキシコを訪問した際にも、展示ブースを紹介し、完成度についてお褒めの言葉をいただきました。

メキシコはまだまだポテンシャルがある国なので、豊田合成グループが今後成長していく余地は大いにあると確信しています。

ただ、そのためにはメキシコにある弊社を含めたグループ会社4社がレベルアップする必要があると思っています。日常の生産を安定して行うこともそうですし、新製品の生産をスムーズにスタートできているかという点で、日本やアメリカなどの経験が豊富な拠点と比較すると、メキシコはまだまだ成長しなければなりません。今後は、豊田合成のフィロソフィーをしっかりと理解した現地の従業員と共に伸ばしていく点であると強く感じています。

(モニカさんとパウリーナさんへのインタビュー)

展示ブースを用いてメキシコ人従業員に対して豊田合成の歴史やグローバルでの事業展開を説明している、人事部のモニカさんとパウリーナさんに本プロジェクトについてお話しを伺いました。

▼展示ブースを初めて見た時の印象を教えて下さい。

展示ブースを初めて見たときは、おしゃれで清潔で、何よりもとても素敵な場所だという第一印象を受けました。

展示ブースに掲載されている情報をじっくりと見ると、私自身も豊田合成について知らなかった情報も多くあり、豊田合成に対する理解が深まりました。豊田合成には長い歴史があり、世界中でビジネスを展開するグローバル企業です。そこで働いていることを今はとても誇りに感じています。

他のメキシコ人従業員からの展示ブースへの印象も非常に好意的でした。展示ブース制作中は多くの従業員が、何かを作っていることには気づいていましたが、実際に何であるかは理解していませんでした。私たちが従業員に対して展示ブースを案内すると分かった時はとても嬉しかったという声を多く聞きました。

▼展示ブースの紹介を通して、メキシコ人従業員からの声を具体的に教えて下さい。

以前より多くの従業員が、チームとして仕事をすることが重要であるということは理解していました。ただ、展示ブースの紹介を通じて、普段自分が担当するライン以外で生産される部品を実際に見ることで、普段行なっている業務が豊田合成全体のビジネスの一部になっていることを改めて肌で実感した社員も多くいたはずです。私たちは “One team, One TG” (TG=Toyoda Gosei)というモットーを掲げて仕事をしているので、今回の展示ブースでその意欲がさらに高まったと思います。

また豊田合成が将来何を目指しているのかという点を理解してくれた従業員もいたのではないでしょうか。今回作成したブースは、あえて展示するスペースに余白を残しています。これは、今後の事業の発展に伴い、さらに展示するものを追加していくためです。この展示によっておそらく多くの従業員が、今後豊田合成がさらに成長していくことを感じてくれたと思います。ただ、そのためにはやはり、私たちのモットーである “One team, One TG”として、自分自身の行っていることの一つ一つが会社の成長に寄与しているという認識を持って働く必要があると思います。

展示ブースの紹介の最後には、社内で実施している交流イベントについての動画を流して説明をしました。豊田合成がグローバルで活躍する会社であることも重要ですが、「人を非常に大事にする会社である」ということも理解してもらうためです。人は私たちにとって最も大切なリソースの一つです。従業員がいて初めて大きな工場で日々の生産を継続して行うことができます。多くの従業員が既に豊田合成が良い会社であるということは給与水準や労働時間といった側面からも理解してくれていると思いますが、今後本当の意味で良い会社であるということを実感するためには、従業員全員が会社から与えられていることを享受するだけでなく、自ら職場環境を向上し続ける気概を持つことが大切だと思います。

▼少し展示ブースのこととは脱線してしまいますが、豊田合成で働き続ける理由がありましたら教えてください。

私は3年間豊田合成で働いていますが、当社で働き続ける主な理由は私が持っている信念と豊田合成が掲げる理念とが一致していることが挙げられます。例えば、豊田合成はオーナーシップ(当事者意識)を大事にしており、私は豊田合成に貢献するためにここにいると感じています。もちろん、仕事をする上で苦労することもたくさんありますが、豊田合成は常に改善・成長を続けています。これからも私はこの会社と共に成長するためにここで働き続けます。もちろん、上司である剛史(西川)さんがそれを望むならですが(笑)

【インタビュー後記】

納品させて頂いた後に、プロジェクトの目的に沿った効果が出ているのかを知る機会はあまりないため、今回のようなAmiga向けインタビューという機会を通じて、プロジェクトの結果を認識することができたのは、非常に有益な機会になったと感じています。元々、西川さんをはじめとする日本人社員の方々がメキシコ人社員の方々のために作成した展示ブースであるため、メキシコ人社員の方から直接ブースについて印象や効果についての話を聞くことができて非常に貴重な時間となりました。

株式会社Encounter Japanでは、展示ブース制作、動画制作、Webサイト制作、カタログ制作、各種マーケティング施策、その他デザインに関わる制作などのサービスを提供しています。お客様のあらゆる課題に対して、ヒヤリングを丁寧に行なった上で、予算に合わせて適切な解決策を提案させて頂きます。お問い合わせはお気軽に以下のアドレスまでご連絡頂けますと幸いです。

担当:原 文都

連絡先:a.hara@encounter-japan.com

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