2016/09/02

第二回メキシコ留学の魅力その2 チャレンジへの敷居の低さ

前編はメキシコでの生活のしやすさをお伝えしました。今回は、「実際にメキシコ留学をして、一体何ができるのか?」というちょっとまじめなお話です。

結論から言うと、「新しい環境で様々なことにチャレンジしてみたい!」という方にこそおすすめしたいのが「メキシコ留学」です。メキシコは、チャレンジへの敷居が低く、頑張る人を応援する土壌の整った国なのです。

私の体験談

私は「日墨戦略的グローバルパートナーシップ研修計画」(参考:http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/mexico/jm_kk.html)という、

40年以上の歴史を持つ日本とメキシコ間の国費留学の研修生として派遣され、メキシコ国立自治大学(UNAM)で勉強していました。

この制度には、長期コースと短期コースがあります。長期コースは、一年の間、日本を含むメキシコ国外へは渡航しないことを条件に、往復の航空費、UNAM付属のスペイン語学校セペ(CEPE)の学費、月々の奨学金が保証されます。毎年、30人程度が派遣されるプログラムです。

日墨戦略的グローバルパートナーシップ研修計画

聴講の扉は常に開かれている

ただ、留学制度上、大学の授業登録をすることができませんでした。なので私は直接教室のドアを叩き、片言で「¿Podría aceptarme como oyente? (聴講生として受け入れてもらえますか?)」とダメもとで聞くところから始めました。すると、ほとんどの教授が、スペイン語がほとんどできない一日本人を聴講生として受け入れてくれました。そのおかげで、現地大学生と同じ課題をこなす機会を与えられ、スペイン語向上には最良と言える環境で過ごせました。

並行してスペイン語学校に通学

大学の授業と並行し、セペで6ヶ月スペイン語を学びました。日本人やアジア人が多く在籍していますが、クラスが初級から上級まで9段階に分かれているので、一から学びたい方だけでなく、さらにブラッシュアップしたい方にもおすすめです。

こちらは入学金の3350ペソと年間の学費1300ペソを払えば、5週間の1コースを2000ペソで受講できます。UNAMの敷地外にも、メキシコシティーの北部ポランコ地区や、ゲレロ州のタスコにも分校があります。

その他の留学環境

学費は高くなるのですが、メキシコシティーにあるTEC Monterreyやイベロ大学などの私立大学は、授業のレベルも高いと言われており、英語での授業もあります。さらに、私費留学プログラムも充実しているようです。

メキシコでの日系企業インターン、門戸は広い!

「いや、私は勉強より、企業でインターンがしたい!」という方もいると思います。現在、メキシコに進出している日系企業でのインターン募集は、公式非公式含め多くあります。私の周りにいた多くの学生が、メキシコシティー内外で様々な業種のインターンをされていました。

インターン募集の情報はどこで手に入るのか?

実際にインターンをしていた友人によると、メキシコ日本商工会議所に履歴書を登録しておくことで、企業への履歴書公開システムを通してインターンの声がかかることがあるそうです。なので、まずはこちらから履歴書を送ってみると良いでしょう。(求職者リスト登録http://www.japon.org.mx/ja/buscar-trabajo_jp/info-empleo_jp)ちなみに、彼女は当商工会議所でインターンをし、定例会の手配や現地の治安情報収集などを任されていました。

求職者リスト登録(メキシコ日本商工会議所)

日本人コミュニティから広がる可能性

他には、メキシコにいる日本人のコミュニティに顔を出すと様々な人脈が生まれます。別の友人は、コミュニティで出会った駐在員との話の中で、インターンがしたいという話題になり、面接をセッティングしてもらったそうです。そして、これが現地の日系銀行でのインターンにつながったとのことです。

彼女は、日本の企業がメキシコでどのような業務に携わるのかを学びながら、新たな専門知識をつけ、さらにそれを実務で使うことでより実践的なスキルを身につけられることが良かったと語ります。

このように、「メキシコでインターンがしたい!」と口にすることで、その意欲を買ってチャンスを与えてくださる方はたくさんいます。何もないところからでも、自分からぶつかればそれを実現しやすい雰囲気は、メキシコという土壌ならではなのかもしれません。

また一口に日系企業といっても、ほとんどの業務が日本語や英語のところや、従業員のほとんどがメキシコ人のところなど、仕事内容や環境は企業によって様々なので、自分の留学の目的に合ったインターン先を見つけることが重要です。勤務体系は各企業により様々ですが、給与が発生する場合は就労ビザが必要になるので、あらかじめ企業側と相談しておきましょう。

メキシコ人に囲まれての実地研修

日系企業だけでなく、メキシコの企業や団体へのインターンも可能です。毎年、研究のフィールドワークを兼ねて、NPOや地方の農業学校などでボランティアや実地研修をしている方がいます。

インターンの方法

こちらでインターンする方法としては、あらかじめ自分の研究に近い活動をしている教授や団体に連絡を取って、紹介を受けるケースが一般的なようです。

様々な分野のNPOやボランティアがあるので、スペイン語がある程度できて、メキシコのリアルな現状を深く知りたい方にはおすすめです。

また、手始めに短・中期のボランティア活動をネットで探すとなると、インターナショナルなボランティア団体のサイトがヒットすると思います。3週間で参加費が20万円ほどかかるため高額ではありますが、現地のラジオ局でのインターンシップなど、その分内容は充実しています。

リーズナブルな金額で探したい場合

学生の方など、もっと手軽な金額で探したいという方には、ボランティアの企画をしているVIMEX(http://vimex.org.mx/site/スペイン語)という団体のサイトがおすすめです。自分が興味のある分野と期間を選択して検索をかけると、条件にあったメキシコ国内のボランティアがわかります。費用は3000ペソ(2万4000円)程度。外国人の参加も多いそうです。

例えば、環境保全の分野ではウミガメの産卵を手伝うものや、教育関係の分野では子どもたちに英語を教えるものなどがあります。

VIMEX

人脈を駆使せよ!自分からしつこく連絡を

メキシコでやりたいことを探すには、募集がないからといってあきらめず、人脈を使って自ら飛び込んでいくことが大切です。メキシ

コ社会の面白いところは、メキシコ人は日本人同様けっこうシャイなのですが、会ったその時に必ず自己紹介をし、友好関係が広がりやすいので、人脈がどんどん広がっていくところです。メキシコでは、できた人脈を仕事にも私生活にも最大限活用することが当たり前。そして、幸いなことにメキシコは親日の方が多く、留学中の学生であれば特に「いろいろ大変でしょう」と親切にしてもらえます。一方、チャンスは手にしやすいのですが、メキシコ人は連絡無精なので、自分から電話などで(メールはあまり見ない)連絡をし続けないと、話が流れてしまうことはよくある話。さらに、数ある選択肢の中から、何が自分にふさわしいのか選ぶことも大切です。粘り強く相手にアタックすることと、常に警戒すること(リンク、第一回コラム)を忘れずにいれば、自分の第六感を信じて飛び込むことが非常に容易な環境です。このチャレンジへの敷居の低さを活用して、新しいフィールドに進んでいってください!

さて、次回は料理の魅力に迫ります。前回のコラムで料理の魅力を語った際、なにやらアヤシげなメキシコ料理の名前がたくさんちりばめておきましたが、この正体が明かされますよ!

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