トランプ氏メキシコの国境に壁を建設
2016年米大統領選に立候補しているドナルド・トランプ氏は、これまで「大統領になったらアメリカはメキシコとの間に国境の壁を建設し、メキシコにその費用を支払わせる」と常に公言している。
また、トランプ氏は過去1年以上に渡りメキシコ人やメキシコ政府、そしてメキシコ系アメリカ人を中傷し続け、2015年6月16日の出馬会見にてトランプ氏はメキシコからの移民は麻薬や犯罪をアメリカに持ち込んでおり、メキシコ人は「レイプ犯」だと決めつけた。
そして移民の流入を防ぐ為、アメリカとメキシコの国境に「万里の頂上を築く」と公約した。
その案については、米同時多発テロ後に制定された「愛国者法」を利用することで、メキシコ政府に建設費用を支払わせるとの考えを明らかにしている。
トランプ氏が書いたメモによれば、米国はメキシコに対し、50億~100億ドル(約5500億~1兆1000億円)の建設費を引き受けさせるという。
計画の骨子は、米国にいる不法移民のメキシコ人が母国へ送金することを禁じるというもの。
愛国者法の解釈を拡大し、送金業務を行う企業に対して、送金を承認する前に顧客の身元や法的地位を確認することを義務付ける新しい規則を導入すると圧力をかけるという。
メキシコ大統領ペニャニエト氏との会談
トランプ氏は8月31日メキシコのペニャニエト大統領と会談を行った。
ペニャニエト大統領との会談は、緊迫したものになる可能性があった。
なぜなら、ペニャニエト大統領は、メキシコが国境の壁の支払いをすることは「絶対に」ありえないと述べていたし、多くのメキシコ国民は、メキシコにトランプ氏を招いたことに憤慨していたからだ。
会談中のペニャニエト大統領はトランプ氏との意見の違いをやんわりと強調しつつ、会談は「オープンで建設的だった」と述べ、一方いつもより発言が控えめに見えたトランプ氏は、メキシコ系アメリカ人や、メキシコから来る「数多くの友人」に対する愛情を強調した。
「国境の壁については話し合ったが、費用を誰が支払うのか、私たちは話さなかった」と、トランプ氏はメキシコ・シティで行われた会談の後で記者団に語り、「その件については後日改めて話し合うことになる」と述べた。
メキシコ中央銀行総裁 トランプ氏に対しメキシコ経済への対応策を準備
メキシコ中央銀行総裁は、米大統領選挙立候補中のドナルド・トランプ氏の当選に備え6日までにメキシコ経済への対応策を準備していることを明らかにした。
緊急対応策の詳細は公表されていないが、トランプ氏当選による自国経済への衝撃を「ハリケーン」とも称して警戒しており、トランプ氏をメキシコの大きな脅威と認識していることを裏付けている。
中銀のアグスティン・カルステン総裁は地元のミレニオTVの取材に、緊急対応策は財務相と話し合って詰めていると述べた。トランプ候補は大統領選の選挙戦で、雇用対策などの面から米企業がメキシコ内で製造し米国内で売る製品に35%の輸入関税を課す考えを表明。メキシコは経済活動の3分の1を輸出に頼り、ほぼ全ての製品が米国市場向けとなっている。トランプ氏はまた、協定の再交渉がない場合、カナダやメキシコと締結する「北米自由貿易協定(NAFTA)」を破棄する計画にも言及。不法移民対策でメキシコとの国境沿いに壁を築き、その工費をメキシコ側に負担させる案も明らかにしている。メキシコ大統領は工費支払いを拒否している。メキシコを否定的にとらえるトランプ氏の政策提言はメキシコ通貨ペソの価値減少にもつながり、今年に入り9%目減りしている。トランプ氏の支持率が上がれば、ペソの価値が下がる循環にもなっている。
今後のメキシコとアメリカはどうなるのか。
長きにわたるクリントン氏とトランプ氏の戦いは終わりを告げました。
トランプ新大統領が誕生し、今後のアメリカはより一層変化していくことでしょう。
また、トランプ新大統領は当選後演説を行いました。
以下のリンクからご確認ください。
トランプ新大統領が勝利宣言「私は全てのアメリカ人の大統領になる」(演説詳細)