アトレ(Atole)
アトレはメキシコがスペイン人に征服される前から飲まれている、トウモロコシ粉に水、又は牛乳を混ぜた飲み物です。
少しトロッとした飲み心地にする為、お湯・温めた牛乳で作るのが一般的です。
更に、風味を付ける為にココア、バニラ、シナモンなどのスパイスや、チョコレート、フルーツの果肉などを加え、現在は多くの種類があります。
また、アトレはメキシコの他に、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカ、ベネズエラなどの地域でも愛されています。
アステカ人は、トウモロコシ粉と水を濃くなるまで煮て、カカオと唐辛子、蜂蜜等の調味料を用いていました。
スペイン人征服者のエルナン・コルテスはアトレについて、「非常にエネルギーが出る飲み物」と書いています。しかしこの時代のアトレは、スペイン人達にとって美味しい物では無かった為、スペイン人達はアトレを飲みやすく改良し、砂糖を加え、水の代わりに牛乳を使用しました。
そして現在は様々なフルーツ、スパイスなどを入れアレンジして飲まれています。
少しトロリとした、温かくて甘いアトレを飲めば、体も心も温まる事間違いなしです♪
テパチェ(Tepache)
テパチェはサトウキビやパイナップルの搾り汁、砂糖などから作る発酵飲料です。
味はビールを甘くした感じで、1%未満ではありますがアルコールが含まれています。
テパチェは、パイナップル、ナシ、リンゴ、オレンジなどの果物に発酵させた果汁を加え、更に数日間発酵させます。そのテパチェにどの果物を入れたかにも寄りますが、更に発酵させるとより高いアルコール濃度を含む代わりに、苦味と酸味も加わります。
テパチェは当初トウモロコシを発酵させて飲まれており、アルコール度数の高いものはマヤの儀式で供物として捧げられてきました。
テパチェの中でも、パイナップルのテパチェは糖度が多く含まれている為甘く、エネルギーが出る上に美味しい飲み物として人気があるので、まずはパイナップルのテパチェから挑戦してみると良いかもしれません♪
オルチャータ(Horchata)
オルチャータは水に米粉、白砂糖、シナモン、粉ミルク、バニラなどを混ぜて作られる飲み物です。地域や好みによってレシピは異なり、コンデンスミルクやアーモンド、ココナッツなどを加えて、アレンジして様々な味を楽しむ事が出来ます。
オルチャータの発祥はスペインで、特にバレンシア地方でカヤツリグサという植物から作られる物が一般的でした。
メキシコでは主に「ベラクルス」、「タバスコ」、「ユカタン」と「カンペチェ」が生産に特化しています。ユカタン半島では子豚をあぶり焼きにした料理にはオルチャータが欠かせないらしく、セットで出される事が多いそうです。
オルチャータは夏の暑い日や暑い場所で飲む用に、氷を加えた冷たい飲み物として考えられていましたが、現在では温めたオルチャータの上にシナモンを振りかけ、アロス・コン・レチェの飲み物バージョンとして、冬の寒い日に楽しまれている様です♪
冷たくても温かくても、違った美味しさを楽しめるオルチャータ。
是非夏と冬に飲み比べて自分のお気に入りを見つけて下さい!
アグア・デ・ハマイカ(Agua de jamaica)
アグア・デ・ハマイカはハイビスカスジュースの事で、ハイビスカスの花の萼(がく)を煎じて作られます。世界中でジュースやホットティーとして飲まれており、酸味が強い為砂糖を加えて飲みます。
ハイビスカスにはビタミンCと微量元素が含まれており、薬として利用されていました。
アグア・デ・ハマイカはメキシコの他にジャマイカ、中央アメリカ、南アメリカ、カリブ諸国で、美味しい上に価格も安いことから人気があります。
ハイビスカスの萼(がく)が柔らかくなるまで沸騰したお湯に入れ、萼(がく)がジュースに入らないように漉すだけで作れるので、メキシコの多くのレストランで提供されています。
日本ではあまりお目に掛かれないジュースなので、メキシコで安くて美味しいアグア・デ・ハマイカを堪能してください♪
メキシコの飲み物特集如何でしたか?
エネルギッシュな飲み物が多いメキシコ。飲んだら元気が溢れること間違いなし!
日本人の方もきっと気に入るような美味しいものばかりですので、挑戦してみてください♪