【NEWS】腐敗行為防止法の制定から1年経つも、汚職の根絶は未だ厳しい=専門家

2016年7月、ペニャニエト大統領は腐敗行為防止制度に関する法律を制定した。しかし、汚職問題に取り組む専門家らはその法律が弱体化しつつあると指摘している。

出典 - https://www.theguardian.com/world/2017/jul/19/mexico-corruption-political-system-enrique-pena-nieto#img-1

メキシコのエンリケ・ペニャ・ニエト大統領は2016年7月、腐敗行為防止制度に関する法律を制定した。同制度は、政府機関だけでなく公務員や企業等にも適用されるもので、メキシコ国内で蔓延していた腐敗行為を撲滅するための、かつてない武器になるという評価も受けた。当時、ペニャニエト大統領が購入した不動産に関する不祥事が発覚する等問題が続いていた同政権は、これにより新たな一面を見せることができたといえる。

 

それから1年が経ち、同法律の草案に携わった学者や汚職問題に取り組む専門家らは、その制度が弱体化していると指摘した。議会では腐敗行為防止に向けた専門的な検察官や裁判官の指名に失敗したほか、汚職問題の告発よりも政治家同士の庇い合いに力が注がれているという。また、腐敗防止活動家らが各国政府や高官から雇われた見張り役に監視されたり、市民団体に捜査が入ったりする等の嫌がらせも続いている。

 

メキシコの国としての競争力に関する研究を行う機関、メキシカン・インスティテュート・フォー・コンペティティヴネス(Mexican Institute for Competitiveness)代表のジュアン・E・パルディナス氏は、メキシコの腐敗行為の防止に向けて「政治の在り方そのものによる巨大な妨害がある」と伝えた。メキシコのほとんどの政治家が腐敗行為無しで政治を行うのが難しいと考えており、その考えが政治の枢軸になってしまっていると語った。

 

尚、メキシコ国内の腐敗行為の総額は、官僚間における書類処理のための賄賂や、警察官が運転の違反者に要求する不正取引も含むと、国内総生産(GDP)の2%から10%の間になるとも見積もられている。

<参考記事>"Mexico leaders' pledges fall short as graft remains 'heart of the political system'" ,The Guardian
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