メキシコ政府が発表した第5回政府報告書により、過去3年で、58万4,000人以上のメキシコ人が米国から送還されたことがわかった。なお、違法滞在などが発覚し送還された人と、自発的に帰国した人との区別は、公式にはされていない。
メキシコに帰国する送還者は、メキシコの内務省(Secretaría de Gobernación)が2014年3月に立ち上げた支援プログラム、ウィー・アー・メキシカンズ(We Are Mexicans、スペイン語名:ソモス・メヒカノス/Somos Mexicanos)を受けることが可能。同プログラムは、移民者に向けて食料の支援や宿泊施設、輸送サービスなどの提供を行っており、各政府機関に専用施設を設けている。家族や友人・知人に電話をかけることも許可されているという。
また内務省は、米国から送還されたメキシコ人の社会復帰に向けた政策を増強する方針を明らかにした。
国立統計・地理研究所(Instituto Nacional de Estadística y Geografía)による人口統計調査では、2009年から2014年の間に、約100万人のメキシコ人とその家族らが米国からメキシコに帰国したという。米国における調査では、同期間中、87万人以上がメキシコから米国に入国したことも明らかになった。
米国ワシントンD.C.を拠点とし、社会問題や人種などの意見調査を行う研究所ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)は、在米メキシコ人の数よりメキシコへ帰国する数の方が多いと伝えた。また、米国の出入国管理局によると、中米からの移民者が増加している一方、メキシコの移民者は減少傾向にあるという。
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