完成した8つの試作品
2017年10月26日木曜日 アメリカ政府はトランプ大統領が選挙期間中から目玉公約として掲げてきたメキシコ国境沿いの壁の計8種類の試作品を発表した。
試作品としてつくられた壁は、カリフォルニア州サンディエゴのメキシコとの国境すぐ近くに設置された。壁の試作品はいずれも多くが鉄とコンクリートで構成され、高さは約9mにものぼる。また、入札の基準によると壁の試作品の建設コストはそれぞれ400,000USドルから500,000USドルであることがわかった。試作品の壁は今週から数週間にわたり一連の強度試験にかけられる。
トランプ政権が壁の建設に関しての議論を確実に前に進めていることをアピールする狙いがあるとみられる。
トランプの壁、試作品の建設の様子
国境の町ティファナでの悲しみと怒り
メキシコ側の国境の町ティファナでは悲しみと怒りの声が上がっている。
壁の試作品の上部分が見える家に住むJuana Rodríguez(48)はBBC Mundoの取材に対し「壁の建設を見ていると悲しみと怒りを感じる。貧困問題や他にも様々な問題に対しお金が必要な中、どうしてこのような浪費ができるのか」と語った。また、José Ávila氏は壁の建設に関して「トランプの人種差別的な政治の一例だ」と述べ、「私たちは非行者ではない。全てのメキシコ人を悪者扱いするのはやめてほしい。その上、壁を建設したところで必ずしも人の流入を防げるとは限らない」と続けた。
いずれにしても壁の建設に至るにはまだまだ課題があり時間がかかる見通しだ。
ティファナの住人らは壁の建設問題は気になるが、変わらず毎日を生きていくと語った。
翻訳元記事(スペイン語)