メキシコでの観光収入9.5%増、外国人観光客は3210万人に
メキシコの観光広報委員会長ロドルフォ・ロペス氏は、メキシコの観光業収入は2015年、前年比9.5%増加、外国人観光客は3年間で37.4%増加し、3210万人がメキシコを訪れたと発表しました。しかし単に数字が増加しただけでなく、メキシコ観光市場ではこれまでと異なる傾向が表れているようです。
多様化するメキシコの観光市場。いろんな国から、いろんな都市へ
注目すべきは、メキシコの観光市場が多様化。かつては「メキシコ=カンクン=アメリカ人のリゾート地」というイメージがありましたが、今は様々な国から来た観光客が、様々な地域に分散しています。例えば、グアテマラ人、アルゼンチン人、韓国人、中国人などが現在のメキシコ観光業のターゲット。さらに場所別では、首都であり遺跡や博物館ナイトライフなどを満喫できるメキシコシティー、第二の都市ながら落ち着いたコロニアル風の街並みが魅力のグアダラハラ、太平洋の綺麗なビーチでのダイビングやホエールウォッチングが人気上昇中のロスカボスなどで観光客が増加しており、それまで一極集中していたカンクン以外の観光地に人気が集まっています。
メキシコのペソ安が観光客を誘引。観光業による外貨収入が急増中
メキシコへの観光客の増加を促しているのは、原油安に伴う急激なペソ安です。それまで1ドル14~15ペソ台だったレートが、昨年の夏頃から9月にかけて17ペソ台前半まで下落。昨年12月にはメキシコ中央銀行による利上げの金融政策も行われましたが下げ止まらず、2016年5月現在1ドル18ペソまで値を下げています。メキシコ国内の財政状況には厳しい状況ですが、外国からの観光客にとってはありがたいレートです。
ここでメキシコ政府が期待しているのは、外国人観光客による外貨収入。昨年2015年の観光客による外貨収入の総額は、現政権が成立した2012年に比べて47億1700万ドル(約5000億円)増加し、174億5700万ドル(約2兆円)に達しました。
円高・旅客機増便で、日本にとってメキシコはさらに身近に
特に日本の場合は円高も手伝って、今メキシコ行きはかなり手が届きやすくなっています。昨年はメキシコの航空会社アエロメヒコが成田便を週3便から4便に増便。さらに、全日空(ANA)の成田-メキシコシティー直行便が、2017年の3月までに就航するというニュースも話題になっています。
日本にとって、コストや交通の点でもさらに身近な国になっているメキシコ。この機会に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか?
参考元サイト(外部リンク・スペイン語)参考元サイト(外部リンク)