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メキシコで日本食を人々の日常にしたい 宮内耕平

自動車関連企業のメキシコ進出先として注目されるグアナファト州レオン市。amigaの読者の方々でもレオン市内にお住いの方は沢山おられるかと思います。amigaの運営会社であるEncounter Japanはレオン市内に2018年8月1日、日本食レストラン・食材店 「GOEN」を開店致します。今回は、当店舗の料理長である宮内耕平さんにインタビューさせて頂きました。彼の波乱万丈な半生に注目です!

怠惰な服飾専門学校時代を経て、東京都で会社員の道へ

私は、生まれも育ちも埼玉の浦和です。埼玉県内で高校卒業までを過ごし、高校卒業後には服飾の専門学校に進学しました。高校を卒業する前、「就職するか大学に進学するか」の選択肢を両親から突きつけられましたが、どちらの選択肢も選びたくなかった私は、その時初めて自分の人生について考えたんです。そしてやりたいことや好きなことを考え、服が好きだったので服飾の専門学校に進むことにしました。卒業前には、自動車免許のために貯金していた貯金を使い、憧れだったアメリカ合衆国の西海岸にバックパックを背負って旅をしました。当時からアメリカのカルチャーに興味があったんです。

専門学校に入学した後に日々を過ごす中でアパレル業界に対して心踊る感情が湧かず、将来性も当時感じなかったため勉学にも身が入らず、自堕落な生活を送るようになりました。

退屈だった当時の生活の楽しみは、アルバイトで働いていた居酒屋のキッチンで料理を作っている時だったんです。それでもそのときは料理人としての人生を歩む決断はせず、専門学校卒業後には一般企業で営業職につきました。オフィスワークをしたり、営業をしながらも有給や長期休暇の度に海外へ旅行に出かけていました。

転機となったワーキングホリデー

27歳の時に、勤めていた企業を退職しオーストラリアへワーキングホリデーに向かう決断をしました。当時は英語が話せないことがやはり不安だったので。オーストラリアで働く前に、フィリピンで2ヶ月半をかけて語学学校に通いました。

オーストラリアに到着し、まずはブリスベンのガトンで野菜のピッキングを始めたものの、ハリケーンの影響などで不作が続き1ヶ月で職を失うことになります。その後、開き直って友人達とレンタカーをしてオーストラリアを旅行するのですが、貯金が底につきかけたため私だけ旅行を中断しタリーという街で仕事を始めました。タリーではバナナファームで働いていたのですが、アジア系の人間は私一人。かつ周りは地元の人や欧州から来た人々だったため最初は「中国に帰れ!」と罵倒を浴びることもあり、肉体的にも精神的にも辛い日々を過ごしていました。見たことのない量と想像を絶する重さのバナナを背にして、膝から崩れた立ち上がれないこともありました(笑)。徐々に周りのメンバーとも良好な関係が出来てきたことで、英語での会話量が非常に増えたことが英語の習得にも繋がり、結果1年間をこのバナナファームで過ごすことになります。

そこではニュージーランドと政治的に深く結びついているクック諸島と呼ばれる南太平洋の国の人々のコミュニティと接す機会が当時多く、彼らからヤシの実の取り方や民族料理を教えてもらった代わりに、味噌汁や生姜焼きを振る舞う機会があったことで料理することの楽しさと、それを海外の人に振る舞う面白さを体感しました。

その後、欧州とモロッコにバックパッカー旅行に出ました。Encounter Japanの社内では有名な話なのですが(笑)、ポルトガルのリスボンではサーカス団の団員になって興行に参加する日々を過ごすなど、不思議な経験を経た後に改めてオーストラリアへ戻り、イタリアンレストランと日本食レストランで働く日々を開始しました。

レストランで働いた一年を通じて、料理の楽しさ、レストランで働く喜びを感じるようになったんです。国籍や肌の色が違うメンバーで働いていたとしても、「店をもっと良くしよう」「お客様をもっと喜ばせよう」という共通目的に向かって働くことで「一体感」を持ってチームで動くのが、それまでの社会人人生では経験したことがなく、充実した毎日を送りながら自身の調理スキルが高まっていくことに喜びを感じていました。

オーストラリアでの計2年間の日々を経て、フィリピンで語学学校にてインターンを経験した後に日本に帰国しました。再度、カナダへワーキングホリデーに行こうとビザ取得の準備を行いながら日本でアルバイトをして貯金する日々を送っていました。その後、親族がブラジルに住んでいたこともあり、ブラジルに渡航しサンパウロ、リオデジャネイロで2ヶ月ほど滞在します。ブラジルは海もあり、趣味のスケボーも出来る場所が沢山あるし、文化も面白く、非常に居心地が良かったですね。

ブラジル経由でカナダに向かうものの、時期が冬であったこともあって極寒でした。その寒さに耐えられず(笑)、海外で働くのであれば気候の良い場所がいいなと考えて、旅行では訪れたことのある地域である東南アジアで働くことを決めてタイに渡航しました。レストランで働きたい気持ちがあったので、レストランでの求人を探しましたが希望する条件に合う企業がなく、友人の紹介でタイにある日系企業に就職したんです。

「料理で人生を送る」ことを決断

タイで過ごすプライベートの時間は充実していたし、楽しかったのですがオフィスで働く時間は正直苦痛な日々でした。30歳も間近なのに、このような中途半端な気持ちで働いていてはダメだと感じ、自分の人生に情熱を持って活きる目標や居場所が必要だと感じました。そこで、自分として本当にやりたいことを考え抜いた結果、海外生活で習得した英語を使えること、そして熱意を持ってる「料理」という分野で仕事を探すようになり、日本への帰国を決意します。

タイから福岡、北九州や広島、香川の離島など様々な土地を巡りながら自身が働きたいと感じれる場所を探していたところで、前職のバックパッカーズジャパンが運営する東京都蔵町にあるHostel & Bar Lounge Nuiとも出逢いました。今まで日本国内で訪れた中で、様々な場所について書き溜めてきたノートを見返しながら「どこで働くことが自分のやりたい想いを実現出来るのか」を考えた結果、Nuiで働くことになります。

Nuiでは腕利きの先輩が、1年以上に渡って料理の技術を教えてくださりました。ここで「料理で俺は食って行こう」という気持ちが芽生え、それを武器に世界で戦う決意が出来たんです。

現在はグアナファト市内のHostal & Bar Encounter Guanajuatoに常駐している大久保から、Encounterの存在について偶然話を聞く機会がありました。同世代の人間が日本とメキシコを行き来しながら幅広い事業を展開しながら2018年にメキシコで新店舗のオープンに向けて準備していることを知って、「どんな場所で、どんな想いで働いてる人たちがいるんだろう」と心を動かされ、取り敢えずメキシコに行こうと2017年6月にグアナファトへ向かいました。グアナファト市内の美しさに心を動かされ、Encounter Guanajuatoで提供されている唐揚げ丼は噂通り絶品だったことで、Encounterで働きたい気持ちが生まれました。唐揚げや店舗に紐付くストーリーや立ち上げた島田俊一郎の存在にも惹かれました。現地で働いていたインターン生の皆も素敵なメンバーだったことも印象に残っています。

海外で生活したり、旅をする中で旅を終えて日本国内でお店や事業を始める人、気に入った街で現地社員として働く人は知っていましたが、海外と日本で同世代が事業を行ってることに感銘を受けました。

グアナファトから日本に帰国して、昨年の夏に赤坂の居酒屋でEncounterのメンバーと飲み明かし、2018年から働くことが決定し、昨年の冬はEncounterの羽田空港にある店舗のOCHAWANで働いた後に2018年、メキシコに到着しました。まさに偶然の出逢いから生まれたチャンスでしたが、スピーディに決断した理由として、私はEncounterのGOENの立ち上げに携わることが、恐らく人生で二度とないチャンスだと思ったんです。メキシコで店舗の立ち上げに携わり、レシピの開発や人材の採用、教育まで経験出来る。日本では、本来経験を積んだ料理人でしか経験できない重要な仕事に携われることが非常に楽しみです。

メキシコに来るまでに持っていたメキシコの印象と現実の違い

ベタかもしれませんが、来るまでにあった「マフィア」「ギャング」「ドラッグ」というネガティブなイメージだけがメキシコの現実ではないことを知りました。グアナファト市内、レオン市内にしか未だ住んだ経験はありませんが、海外で生活する上での必要最低限の注意を払っていれば基本的には生活に問題はないとは思っています。細かいトラブルは日常的にありますが(笑)。天気も良いし近所のメキシコ人の方々とのコミュニケーションも盛んだし、スケボー出来る場所もあるので、メキシコの生活には満足しています。メキシコで働く上では、メキシコ人が非常に真面目であることも驚きの一つですね。現在、GOENのオープニングスタッフに対して日中は研修を行なっていますが、貪欲に学ぶ意識が強いことが印象的です。他国の人々よりも他人から学ぶ意識があるなと感じています。メキシコ人の肩の力を抜いて、良くも悪くもリラックスしてる姿や仕事の仕方は私たち日本人も時に見習うべきことだと思いますね。

日本人にとっても、メキシコ人にとってもGOENが日常にある世界を

特別な日や会食の機会などでご来店頂くだけではなく、メキシコに住む人々の日常の一部になるような、

GOENはそのような店舗にしていきたい思っています。日本人の方々にとって、メキシコでの生活や時間がより豊かになるように、メキシコ人の方々にとっては日本のカルチャーを知るきっかけになる場所であり、興味を持ってもらう場所にしたいと考えています。店舗で買い物をする、食事をする日々が皆様の日常になると同時に、私という存在もその日常を彩ることが出来るように努力したいと思っています。GOENでぜひ皆様に食べて頂きたいメニューを三つあげるとすれば、ラーメン。お好み焼き。刺身類ですね。ラーメンは絶対的に自信があって、魚介を使って煮干スープを取り、煮干ラーメンの提供も予定しています。またお好み焼きも、お好み焼き粉を使わず調合したオリジナルの粉で作っているため、ふっくらした美味しい仕上がりとなっておりますので、ぜひ期待して欲しいですね。エンセナーダ産のマグロや魚介類は勿論、自家製のシメサバもオススメです。

今後、GOENに来てくださる日本人の方々へのメッセージをお願いします。

近所の定食屋に来るように、ラフな格好でぜひ来て頂きたいと思っています。

GOENのコンセプトにも御座いますように、「Mi casa es tu casa」の精神で運営して参ります。スペイン語で、「私の家は君の家」という意味ですが、「ここはあなたの家なのよ」という親しさを表したり、意訳では「自分の家のようにくつろいでくれ」となります。

プラザデマヨールやHEBにお買い物へ行くついでに、GOENの商品販売ブースを見に来られるだけでも良いですし、「誰かと喋りたいな」と思ったとき、店舗に立つ私や島田俊一郎に会いに来るだけでも大歓迎です。それくらいラフに利用して欲しいですし、敷居の低い「居場所」になれればいいなと思っています。

レオン在住の方々も、レオンにご出張、旅行に来られる方々もぜひGOENにお越し頂ければと思います。

GOEN

37160 Leon

Avenida Paseo del Moral 519

2018年7月30日(月)に招待制のOpening Partyを行った後に、8月1日(水)より通常営業(13:00から23:00)を開始致します。

なお7月31日(火)は開店前の準備のためお休みとさせて頂きます。

なお2018年7月28日(土)-29日(日)には13:00から18:00までの間、プレオープン期間とさせて頂きますので

ぜひ皆様お越しください。なお店内内装の最終調整やオペレーションの不備もあるかと存じますが宜しくお願い致します。

メールアドレス: info@encounter-japan.com

電話番号: 477-688-6436

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著者情報

紹介文: amiga編集部です。メキシコに関心のある皆さまに「安心」と「ワクワク」を届けるメディアとして、毎日メキシコ情報を発信していきます。

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