偶然見つかった神秘の洞窟
2000年に世紀の大発見として世界中の注目を集めたクリスタルの洞窟。内部を巨大なクリスタルが埋め尽くしまばゆい光を放つこの洞窟は、ここメキシコにあります。場所はメキシコ北西部・チワワ州のナイカ鉱山です。2000年4月、サンチェス兄弟がこの鉱山で新たなトンネルを切削しようとしていた際、偶然この洞窟に辿り着き発見に至りました。そこにはこの世のものとは思えない光景が広がっており、兄弟はすぐに鉱山採掘の技術責任者に連絡しました。その後鉱山の管理会社により洞窟の保護のため鉄製の扉が設置され、許可のある人間以外は立ち入りを禁止されました。
全長27m、幅9mと小さな洞窟ですが、驚くべきはクリスタルの大きさです。最大のもので長さ11m、直径4m、重さ55tと、想像を絶する大きさです。洞窟内の気温は58℃に達し、湿度は常に90-100%を保っているため、適切な装備をしていない人間は長くこの場所にとどまることができません。
生物学・地質学に関する調査も行われ、貴重な微生物や太古の生物の痕跡が発見されたという研究も報告されてきました。そしてこの珍しい光景を見るべく、以前はツアーも催されていたようです。しかし鉱山は現在操業を終了し閉鎖されています。操業のための排水ポンプも停止しているため、数年後には洞窟内は水で満たされ人が立ち入れなくなる見通しです。
世にも珍しいこの光景が人の目に触れられなくなるのは残念ですが、近年になってもこのような自然の大発見があったということは、地球上にはまだまだ私たちの知らない絶景が残されているというロマンを与えてくれます。