1.バレロ(Balero)
市場や屋台で売られているバレロ(balero)。見た目だけではあまりわからないかもしれませんが、このおもちゃは日本のけん玉に似たおもちゃなんです。バレロは木製の2つのパーツからできていて、片方は棒状の木材で、手で持つ部分になっています。もう片方のパーツはコップのような形で、中心に穴が開いています。けん玉もこのバレロもフランスのビルボケが起源だと言われています。
バレロの遊び方としては日本のけん玉をする際に、玉をけん先で刺す「とめけん」という技をするのに似ています。日本のけん玉には玉を乗せる「皿」があるのに対しバレロは手の持つ部分が棒状なので、それを使った技しかないのですが、けん玉の玉と異なり穴が開いているパーツが円柱状なので、この部分を「~回転させて刺す」などといったけん玉では存在しない技も可能です。さらにバレロの糸はけん玉よりも短いので、タイミングを合わせて持ち手を引くことでコップ状の部分自体を持ち手の方に引いて刺すスタイルの技が多くあります。
こちらにさまざまな技の動画があるので見てみてください♪
2.トロンポ(Trompo)
こちらもメキシコの屋台や市場で買えるおもちゃです。日本のコマによく似ているんです。違いと言えばその形。日本のコマに比べて縦に長く、洋ナシのような形をしています。伝統的なものは木で作られていますが、最近はプラスチック製のものも多く売られています。
トロンポはラテンアメリカで人気なおもちゃなので、メキシコを始めコロンビアやペルー、キューバ、ニカラグア、プエルトリコなどの学校で大会があったりと様々な場所で根強い人気を誇っています。メキシコでは、日本のベーゴマのように、描いてある円から相手のトロンポを弾き出した方が勝ちという遊び方や、コインを床に置き、それにトロンポを当てるといった遊び方があります。
3.アトラパ・ノビオス(Atrapa Novios)
このおもちゃの正確な起源はわかっていませんが、カンペチェ州やゲレロ州、ミチョアカン州、オアハカ州、そしてプエブラ州の工芸家などによってヤシを使って作られています。片方が閉じて持ち手がついた筒状のアトラパ・ノビオスはその名前を直訳すると「恋人を捕まえる」となります。なぜこのような名前なのかと言うと、このおもちゃは持ち手の反対側に指を入れると引っ張っても引っ張っても指が抜けないんです。その名前通り捕まってしまいます。
「日本にはこんなおもちゃないでしょ。」と思われるかもしれませんが、そっくりなものが沖縄にあるんです。指ハブという名前のおもちゃで、沖縄のものはヤシではなくクバやアダンという植物の葉を使って作られます。指ハブもアトラパ・ノビオスもとても似たおもちゃなのに、その名前にそれぞれの文化が見られるのが面白いですね♪
指を抜くにはもちろん方法があるのですがその方法は実際にアトラパ・ノビオスを買って見つけてみてください。
最後に
古き良き日本を思い出すおもちゃがメキシコではまだまだ子供たちの間で人気です。学校などでメキシコの子供たちがトロンポやバレロをやっているのを見ると温かい気持ちになります。テレビゲームやゲーム機などの楽しさもわかりますが、伝統的なおもちゃにもその良さはたくさんありますよね♪