レオンってどんなところ?
レオンはグアナファト州最大の都市です。靴産業がとても活発で、メキシコ全土の約7割の靴がレオンで生産され、海外輸出も盛んに行われています。レオンの靴と革の質は世界的に好評を博していて、一年を通して多くのビジネス展示会やイベントが開催されています。
さらに、グアナファト州は近年自動車関連の日系企業が急激に進出しています。2016年には、バヒオ地区への日系企業による投資ラッシュを背景に、バヒオ地区の6州を管轄する在レオン総領事館が開館されています。そして、レオンの南にあるシラオ市の工業団地に日系企業が多く進出していることからレオンの日本人駐在員やその家族は年々増加しています。
外務省海外安全ホームページ外務省の海外安全ホームページにある治安マップを見ると、グアナファト州全体が白色です。メキシコの中では比較的治安の良い州だと言えます。しかし、毎年様々な犯罪が発生していることも事実です。今回はそんなグアナファト州にあるレオンの治安をご紹介していきます!
レオンの犯罪
レオンの社会問題や犯罪を調査しているOCL(Observatorio Ciudadano de Leon)の発表によると、残念ながら近年レオンにおける殺人の件数が増加しています。2015年上期にレオンで起きた殺人件数は68件でしたが、2018年の同期間には160件と2.3倍に増加。10万人あたりの殺人被害者は12.42人で、グアナファト州全体としても殺人件数が2倍に増えています。また、傷害事件に関しては2018年1月から6月の間で1654件発生していて、10万人あたり128.42人が被害にあっています。
続いて盗難事件ですが、こちらは2015年から件数にあまり変化がみられません。2018年1月から6月にかけては、事業所や商業施設、サービス施設への盗難事件が947件、車上荒らしが484件、通りでのスリや強盗が24件、自宅への空き巣が524件ありました。
麻薬の取引件数に関しては、通報があっただけでも半年で3777件ありました。これは2015年の845件と比べても激増していて、年々増加傾向にあります。麻薬取引に関しては通報されることの方が珍しいので、実際の数字ははるかに大きいと見られています。
これらの犯罪件数は発表している機関によっても数が異なっているので、その数字自体は正確ではありませんが、レオンの殺人件数や傷害事件数、麻薬取引件数は年々増加傾向にあることは事実です。
実際の事件例
続いて昨年、在レオン領事館から日本人に対して警告が出された、レオン市内での事件を3つご紹介します。
・2018年4月11日午後12時30分頃、レオン市南部の日本人が多数住んでいる居住区(El DoradoやMayorazgo)近くのガソリンスタンド(Oxxo Gas)で、メキシコ人同士の発砲事件が発生し,1人が死亡した事件。
この事件は日本人が多く住む地域のガソリンスタンドで起こったため警告が出されました。万が一発砲音が聞こえた場合には、標的にならないよう叫び声や目立つ行動は控え、速やかにその場を離れましょう。もしも発砲音がかなり近い場合、すぐにその場に伏せ、近くに隠れましょう。
・2018年6月17日夜9時前、レオン市南部にある日本人が多く利用するショッピングモール(Plaza Altacia)のMac Storeに,3名の強盗(全員男性で1名は拳銃を所持)が客を装って侵入,店員(女性)を脅し金品を要求したところ,店員が抵抗したため,頭を拳銃で殴りケガを負わせた事件。
この事件は閉店間際の時間帯に起こっています。多くの強盗事件が買い物客の少ない時間帯に起こるので、客数の少ないときの買い物は避けるようにしましょう。
・2018年7月18日午後2時30分ごろ、レオン市北部にあるCOSTCO横のガソリンスタンドで車に乗って順番待ちをしていた男女2名が強盗に金品を要求されたが、拒否したため、けん銃で足を撃たれ、病院に搬送された事件。
この事件は日本人も利用するガソリンスタンドで起きたため警告が出されました。被害者はガソリンを入れる前に銀行でお金を引き下ろしていたようです。銀行に行く場合には、利用客が多い時間帯を選びましょう。また、警備員がいるか、不審な人物はいないかなども確認しましょう。さらに、金品を要求された場合には、絶対に抵抗するようなそぶりは一切見せず、犯人の指示に従うようにしましょう。
参考URL:https://mediciblog.news/
レオンの危険な地区
OCLは昨年8月にエル・コエシージョ(El Coecillo)、ラ・マルティーニカ(La Martinica)、サン・イシドロ(San Isidro)、サン・フアン・ボスコ(San Juan Bosco)、そしてサン・ミゲル(San Miguel)が「レオン市内で最も犯罪件数が多い5地区」だと発表しています。これらはOCLが把握している犯罪件数によって計算されたランキングであり、治安が悪い地区であればあるほど被害者も麻薬取引に関わっている人物であったり、被害者家族が報復を恐れていたり、といった理由によって通報されない場合が多いので、この発表が必ずしも正しいとは限りませんが、これらの地域にはあまり近づかないようにして近くを通る場合には十分注意しましょう。
また、レオン市出身の地元メキシコ人によると、
・デルタ(Delta)
・レオン I(Leon I)
・レオン II(Leon II)
・ラス・ホジャス(Las Joyas)
・サン・ミゲル(San Miguel)
・サン・ホセ・デル・コンスエロ(San Jose del Consuelo)
・リオ・マジョ(Río Mayo)
・ロス・カスティジョス(Los Castillos)
・サングレ・デ・クリスト(Sangre de Cristo)
・チャパリタ(Chapalita)
上記の地域は治安が悪いためできるだけ近づかない方が良いそうです。地元のメキシコ人でも、これらの地域に行くときには細心の注意を払い、大金や高そうな時計などは持たないようにするそうです。日本人はお金を持っているイメージがあり、特に狙われやすいので、可能な限り近づかず、夜は決して行かないようにしましょう。
移動手段
レオン市内の移動にはUberやタクシー、バスなどがあります。Uberは基本的に安全だとされていますが、自分の呼んだUberが来たらナンバーとドライバーの顔を確認するようにしましょう。間違えて違う車に乗らないようにしてください。タクシーはUberよりも危険だとされています。流しのタクシーには乗らない方がいいでしょう。また、レオン市内には”Optibus”(通称オルーガ)という都市バスが走っています。比較的安全な移動手段ですが、混雑時には窃盗被害にあわないよう、持ち物には細心の注意をしましょう。オルーガは夜11時ごろまで運行していますが、夜の使用は控えましょう。
最後に
今回は様々な面からレオンの治安をご紹介しました。危険な地域や犯罪件数など、治安面に関して否定的な情報が多くなってしまいましたが、レオンはメキシコの中では比較的安全な街の一つです。夜の一人の外出や危険な地域へ近づかなければ、安全に楽しむこともできます。だからこそ、危険な地域や防犯対策を知っておくことがとても重要です!
レオンには大きなスーパーやショッピングモール、日本食品店などさまざまなものが揃っているので、とても生活しやすい素敵な街ですよ♪ 正しい知識を持って安全にメキシコでの生活を送りましょう。