原産はブラジル?
メキシコでは冬が明け、だいぶ暖かくなってきました。今回の記事ではメキシコの春を代表する花である、ハカランダについて取り上げます。
ハカランダはメキシコ各地で見られることから、メキシコ原産であると考えられがちですが、実は同じラテンアメリカの国、ブラジル原産です。ハカランダとはスペイン語での呼び方であり、原産国であるブラジルではポルトガル語での呼び方のためジャカランダと呼ばれます。
世界三大花木??
ハカランダはカエンボク、ホウオウボクと合わせて世界三大花木の1つとして数えられています。
ハカランダ以外の2つの花木はアフリカ原産であり、ハカランダのみがラテンアメリカの原産です。そのため、ハカランダがラテンアメリカを代表する花木と言っても過言ではないでしょう。
花の色は淡い紫色をしており、春の訪れとともにメキシコの街に春らしい鮮やかな色彩をもたらします。春が終わり、雨季が訪れると美しい花が散っていきます。このことからも、ハカランダはメキシコの春を象徴する花と言えるでしょう。しかしながら、この花は散り始めてからもまた一興、まるで紫色の絨毯を敷き詰めたように地面が綺麗な紫色に染まります。
美しいだけじゃない!高級ギターの材料としても
ここまで紹介してきたように、ハカランダは世界三大花木と呼ぶに相応しい美しさを備えておりますが、それだけではありません!
アコースティックギターの材料としても用いられているんです。ハカランダを使ったギターは、明瞭かつ重厚な音を持つことで惹かれる人も多いことでしょう。
美しさと質、その両方を兼ね備えたハカランダはまさに花木界の才色兼備と言ったところでしょうか。
メキシコに導入された理由は、日本人?!
さて、ここまで紹介してきましたハカランダですが、なぜブラジルからメキシコに持ち込まれたのか、その理由が気になりますよね。実はこのハカランダがメキシコに持ち込まれたのは日本人が関わっています!
その日本人とは、19世紀に造園業を営んでいた松本辰五郎さんです。彼は長年にわたる造園の経験から、日本の桜よりもハカランダの方が、雨の少ないメキシコには合っていることを知っていました。そうした経緯から、日本を代表する桜ではなく、ハカランダをブラジルからメキシコに導入することを当時の大統領に提案しました。日本人とメキシコ人の協力により、今日のメキシコで美しいハカランダを眺める事が出来るようになったのです!
彼はメキシコに渡る以前にも、ペルーやアメリカにも滞在していた経験があったほか、メキシコにも定住することを決めていたためで、日本には長い間帰ることがありませんでした。そのため祖国である日本の桜に想いを馳せ、遠く離れたメキシコの地で「メキシコの桜」を植えることを決意したのかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回の記事ではメキシコの春を代表する花木、ハカランダについてまとめました。
その花を眺めながら、その美しさに感動するだけでなく、その独特な歴史と、ハカランダをメキシコに導入することに至った当時の松本氏の心境についても、考えてみてはいかがでしょうか。