メキシコでの挑戦。久保康友~ラテンアメリカの笑顔の秘密を求めて~

日本ではロッテ、阪神、DeNAで活躍し、アメリカ独立リーグを経て、現在は「レオンブラボーズ」に所属しメキシカンリーグに挑戦する久保康友投手に迫ります。久保選手からの読者プレゼントも頂きましたので、是非チェックしてください♪

予想外の毎日を楽しむ

―メキシコに来られてから数か月が経ったかと思いますが、メキシコの生活には慣れましたか。

生活に慣れてはきましたが、毎日予想外のことが多々起こるので、それぞれの出来事を楽しみながら日々を過ごしています。予定を立てても相手が約束を忘れていたり、こちらからの説明も空しく、物事がなかなか上手く先方に対して伝わらないなど、スケジュール通りに進まないことばかりで困ることもあります。

―昨年まではアメリカの独立リーグで活躍されていましたが、日本、アメリカ、メキシコの3か国の野球にそれぞれ違いは感じますか。

観客の雰囲気も、野球自体もそれぞれが全く違うと感じていますが、どの国だと野球がやりやすく、どの国の野球が好きだということはなく、それぞれの環境で存在する違いを楽しみながらプレーしています。僕は良くも悪くも、こだわりや好き嫌いがないんですよね。国を跨げば、身の回りの環境全てが違うことは当たり前じゃないですか。行く先々でそれぞれの違いに面白味を見出したいと思っていて、それぞれの土地で楽しみを探しながら過ごしています。

―久保選手はメキシコが3か国目の滞在国だと思いますが、今後も新しい場所での挑戦を続けていかれたいですか。

チームの遠征を通じてメキシコシティなどの各都市を訪れましたが、メキシコ国内の都市間で文化の違いを感じました。異なる文化や歴史に触れることが好きなので、これからも新たな場所で挑戦し、その土地の歴史や文化に触れ合うことで新たな発見に出会える機会に恵まれればいいなと思っています。

ラテンアメリカの人々の笑顔の裏側を探りたい

―昨年もメキシカンリーグへの挑戦を希望されていて、1年越しの実現となったわけですが、メキシコでのプレーを希望された理由を教えていただけますか。

アメリカで所属していたチームではラテンアメリカ出身の選手が多かったのですが、彼らが陽気に野球に取り組み、幸福感に満ちたその笑顔を見ていて、その理由を知りたいと思ったことがメキシコリーグへ興味を持ったきっかけでした。ラテンアメリカの人々が笑顔の裏に持っている文化やアイデンティティというものは、実際にその土地を訪れ、そこで共に生活をすることで初めて理解できると感じていたんです。メキシコとアメリカは隣国なのでメキシカンリーグのレベルの高さについてもたくさん耳にしていたので、是非挑戦してみたいと自然と考えるようになりましたね。蛇足かもしれませんが、米国での生活を通じて「適当だなぁ」と僕が感じていたアメリカ人達が口を揃えて「適当だ」というメキシコ人って一体どんな人たちなんだろうという好奇心もありましたね(笑)。

―メキシコ人の明るさの理由は何か分かりましたか。

メキシコ人は先回りしてものごとを考えることが苦手な反面、柔軟さや、アクシデントへの対応能力が非常に高く、とても臨機応変であると感じています。問題を問題であると、良い意味で捉えていないことも彼らの明るさに通じていると思いますね。時間に遅れて何かができなかった、間に合わなかったということがあっても、特に気にしてないですよね(笑)。「またやればいいや」と切り替えが早く、物事を深刻に捉えすぎないことは、とても良いですよね。この姿勢や考え方をそのまま日本の社会に持ち帰ってはいけないとは思いますが、メキシコに居る限りは、僕自身にも是非取り入れていきたいですね。

―プロになりたい子ども達のモチベーションになりたいとお伺いしましたが、実際に子ども達と関わる機会を設けるご予定はございますか。

実際に子ども達と関わる、子ども達へ野球に触れる機会を提供するということは、子ども達の背中を押してあげられる良い機会であると思うので、是非実施できればと思いますね。何をするにあたっても「きっかけ」ってとても大切なことだと思うので、僕の立場から提供できるものでいうと野球なので、やっぱり野球を通じた何かしらの「きっかけ」を子どもたちに是非提供出来ればと感じています。

歴史の中に入り込んで、歴史を体感したい

―遺跡巡りが好きだというお話を伺ったのですが、メキシコの遺跡はどの程度廻られましたか。

シーズン前のキャンプが1か月程度あったのですが、キャンプ中は寧ろ出かけなかった日が2、3日程しかなかったのではないかと思います。グアダラハラの周辺都市では、マイナーな場所も含めて行きつくしたのではないでしょうか。

(久保選手通訳:福岡さん)僕、通訳のはずなんですけど、キャンプの時期は専属の観光ガイドでもしてるかのようでしたよ(笑)

ー特に良かったところや、オススメしたい場所などはありましたか。

そうですね…。どの場所にもそれぞれの良さがあるので一概に決めるのは難しいですが、トナラの雰囲気は好きでしたね。あとは特に印象に残っている場所でいうとグアダラハラ近辺のトラケパケという街ですね。マリアッチの発祥の地として有名ですが、街自体も非常に綺麗なので皆様にも是非オススメしたい場所です。

―メキシコには歴史的な遺産が非常に多いですが、これから行きたいと考えてる場所はどこかありますか。

今はタムールも気になっていますが、遺跡好きの私にとって最も期待しているのはパレンケですね。シーズン中はチームでの行動が非常に多く、旅行出来るほどの個人の自由な時間を作ることは中々難しいですが、周りの方々から勧められている場所でもあるのでなんとかして行きたいですね。

直で観れば必ず好きになる

―球団の久保選手獲得の背景には日本人の観客増を期待する部分もあるそうですが、久保選手としては観客増員などに対して何か考えられていることはありますか。

メキシコに在住されている日本人の方々に来場して欲しいという気持ちも強いですが、日本人に留まらずメキシコにおける野球の人気獲得に是非貢献したいですね。メキシコ国内でのスポーツで圧倒的に人気なのはサッカーじゃないですか。サッカーの地位はそう簡単に揺るぐものではないと思いますが、野球もサッカーの次くらいの人気にはできるのではないかと感じています。特にレオンではバスケがサッカーの次に人々から支持されていると聞きました。バスケと同等、もしくはそれ以上の人気スポーツへ成長させたいと考えています。

メキシコの様々な方々にスタジアムまで来て頂くきっかけの1つとしても、是非日本人の方に応援に来ていただけたら嬉しいです。メキシコ人の方も日本人の皆さまに誘われたり、球場が賑わっている姿を見かけたりすれば野球に対してより興味を持ってくれるのではないかと思います。一度球場で、生観戦してくれれば、これまで野球への関心が薄かった方々でも野球を好きになってもらえると感じていますので、是非メキシコ人の友人の方々、同僚の方々を連れて観戦に訪れて頂ければと思っています。

―最後に、メキシコに住む日本人へのメッセージをいただけますか。

レオンブラボーズが本拠地を置くグアナファト州レオン市には、多くの日本人の方々が住まれているということで、是非皆さまの息抜きの選択肢の1つとして試合を観戦しに来ていただければと思います。日本人の皆さまが野球に注目している姿を見て、新たに野球へ関心を持ち始めるメキシコ人もいると思います。是非僕と一緒にメキシコの野球を盛り上げましょう!

読者プレゼント

インタビューの最後に、久保選手からレオンブラボーズのチームTシャツにサインを頂きました。日本では手に入らない貴重な、サイン入りのレオンブラボーズのチームシャツです。是非、ご応募ください!

応募の期限は日本時間の6月30日(日)までです。皆さまのご応募をお待ちしております。

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また、皆さまからの久保選手へのメッセージは、選手へとしっかりと届けさせていただきます。熱いメッセージをお待ちしております♪

久保選手の登板については、通訳の福岡さんがTwitterで発信されています。是非、こちらもチェックしてみてくださいね。

通訳:福岡さんTwitterアカウント
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