【ルチャリブレ】負けたら坊主?!日本人女性が挑んだカベジェラ戦とは一体

メキシコのプロレス「ルチャリブレ」には坊主をかけた戦いがあるのをご存じですか?その名は「カベジェラ戦」。そんなカベジェラ戦に先日、日本人の女性プロレスラー「KAHO KOBAYASHI」が挑戦しました。

ルチャリブレといえば、メキシコの代名詞の1つとして思い浮かべる人も多いと思います。そんなルチャリブレに「坊主」をかけた戦いがあるというということは知っていますか?今回はそんな坊主をかけた戦い「カベジェラ戦」について、先日カベジェラ戦に挑んだ日本人女性プロレスラー小林香萌さんの試合の様子を交えてお届けします。

カベジェラ戦とは

カベジェラ戦の「カベジェラ(Cabellera)」とはスペイン語で「髪の毛」を指す単語です。つまりカベジェラ戦とは「髪の毛をかけた戦い」なのです。スペイン語では、両者ともに坊主をかける場合を「Cabellera contra Cabellera」と、一方が坊主もう一方がマスクをかけて戦う場合を「Máscara contra Cabellera」と言います。「Contra」とはコントラと読み、対やVSにあたる言葉です。日本のプロレスでもメキシコのルチャリブレを受けて、坊主をかけたりマスクをかけたりする試合は「コントラマッチ」と呼ばれています。

このようなマスクや坊主をかけた試合への注目度は非常に高く、タイトルマッチ以上の格を持ち、ビッグマッチのメインイベントとして扱われることが多いです。そのため、ルチャドールなら誰でも挑戦できるわけではなく、互いに人気のあるルチャドールでなければ成立しません。余談ですが、「マスクをかける」というのは、覆面のレスラーがマスクを脱ぐことを指します。マスクをかけた試合に負けるとその選手は、素顔が露わになると同時に、本名や出身地なども公開され、その後もう一度マスクを着用すること許されません。

それではここからは、先日日本人のルチャドーラ小林香萌さんが挑んだカベジェラ戦についてお届けします。

KAHO KOBAYASHI

出典 - https://twitter.com/zuppasi_5884

【プロフィール】

・名前:小林香萌(Kaho Kobayashi)

・生年月日:1992年5月12日(27歳)

・出身地:埼玉県春日部市

・身長:152㎝

・所属:なし(フリー)

・日本デビュー:2013年6月28日(対リン・バイロン戦)

・メキシコデビュー:2017年2月19日(メキシコ時間)

・CMLLデビュー:2018年1月30日(メキシコ時間)

彼女がメキシコの地に初めて足を踏み入れたのは、2017年。およそ1か月の短期遠征でした。その後、2018年1月末にCMLLデビューを果たし、メキシコでの本格的な戦いをスタートしました。CMLLはメキシコのプロレスで最も長い歴史と高い人気を持つ団体です。しかし女子の試合は、男子の試合ほどの人気は得られていないのが現状です。そのため彼女はルチャリブレ、特にCMLLにおける女子の試合数を増やすという野望を胸にメキシコに挑みました。ルチャリブレではルチャドールは「ルード/ルーダ(Rudo/Ruda)」と呼ばれるヒール(悪)と、「テクニコ/テクニカ(Técnico/Técnica)」と呼ばれるベビーフェス(正義)とに分けられます。日本人選手がルチャリブレに参加する場合は、悪側に振り分けられることが多いですが、小林香萌選手はテクニカとしての参加となりました。2018年9月には日本での試合中に左ひじの靭帯損傷というアクシデントに見舞われましたが、翌2019年1月には試合に復帰しました。そして今回、5月31日にCMLLのホーム、メキシコシティにあるアレナ・メヒコ(Arena México)でアマポーラ(La Amapola)とのカベジェラ戦に挑みました。アマポーラはCMLLに所属するルーダで、過去には日本のプロレス界でも活躍した選手です。

当日は小林選手等のカベジェラ戦だけではなく、マスカラ・アニョ・ドスミル(Máscara Año 2000)対ウルティモ・ゲレロ(Último Guerrero)のカベジェラ戦と1日に2本のカベジェラ戦が行われるということもあり、会場は超満員。収容人数16,500人のアレナ・メヒコが、スタンド席まで空席が見当たらないほどの客入りでした。よく観戦に来るという方でも見たことがないというほどの観客数で、その注目度の高さがうかがえました。

入場前には、各選手にちなんだパフォーマンスがダンサーの女性達によって行われていました。日本人から観ると「中国っぽいな」と感じるパフォーマンスではありましたが、赤と白の和傘を使ったアジア風のパフォーマンスが披露されました。

女性のカベジェラ戦は珍しいということもあり、会場は大盛り上がり。大きな歓声に包まれていました。

小林選手のセコンドには、同じく日本人ルチャドールで当日も出場していた川人拓来さんが就きました。

開始数十秒で、アマポーロに1本とられるという急展開からスタートしたカベジェラ戦。冒頭の急展開の後は、小林選手が1本を取り返すなど拮抗した試合が繰り広げられました。しかしあと一歩及ばず、1-2でアマポーロに軍配が上がりました。

その場で坊主に

出典 - https://www.facebook.com/cmll.oficial/photos/a.941998885943055/1456466547829617/?type=3&theater

カベジェラ戦の醍醐味とも言える、ヘアカット。試合終了の合図がされるとすぐさま、バリカンを持った男性が近づいて行きます。男であろうと女であろうとお構いなく、容赦なく且つ雑に(笑)バリカンが入れられていきます。長かった髪が、みるみる削がれていきました。

「これで本当に完成?」と思わず突っ込みを入れたくなるほどガタガタで、なんともメキシコクオリティな坊主で完成となりました。(終了後、控え室できちんと形を整えるそうです。)

さいごに

遠く離れたメキシコの地で、日本人女性がメキシコの代名詞とも言える「ルチャリブレ」の世界で活躍されているのはとても素敵ですね。フィールドこそ違えど、異国メキシコの地でともに戦う仲間として応援すると同時に、誇りにも思いました。

ルチャドーラの小林香萌さんの試合を中心にカベジェラ戦についてご紹介しましたが、実は彼女はこの試合を最後に日本へと帰国しました。今回のメキシコ遠征最終戦は黒星となってしまいましたが、小林選手の「女子のルチャリブレの地位を上げる」という野望の達成へはまだ道半ば。本人の口からも、その達成のためにまたメキシコの地への帰ってくると述べられました。

今後の日本での活躍にも注目したいですが、やはりメキシコへの帰還を心待ちにしたいものです。

小林選手のSNS

小林香萌さんの近況をチェックしたい方は、是非こちらをご覧ください♪

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紹介文: 旅行とファッションと美味しいものが生きがいで、最近は写真好きが高じてSNSにはまっていたり…そんな私だからこそな記事をお届けします。(amiga編集部所属)

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