ビニール要らずの新デザインとは
毎年6月にフランスのカンヌで開かれる「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」にて、コロナが新しい缶のデザインを発表しました。それが上の写真のものです。一見普通の缶のようにも見えますが、どこが違うかというと…缶の上部に注目してみてください。ねじのように螺旋状なっているのが分かるでしょうか。この部分がデザインのポイントです。この構造により、缶同士を連結させられるのです。これにより、メキシコでよく使われているビニールの結束材を使う必要がなくなります。
このデザインは上記のカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルのデザイン部門で受賞しました。とても画期的なアイデアではありますが、実はこのデザインの開発には、暗い背景があります。
ビニールによる問題
その背景とは、ビニールによる海洋汚染の問題で、特に缶飲料に関しては写真のようなビニールの結束材がその原因となっているそうです。日本では缶の飲料が4本や6本ごとまとめ販売されていることはあまり多くないため、日本人には馴染みがないかもしれません。しかし世界的に見るとその使用率は高く、これらによる海洋汚染の問題が生じ、生物への危害が報告されています。そのため、コロナは5年間にわたりビニールを減らす取り組みを行い、今回の連結できるデザインの缶「フィット・パック(Fit packs)」が完成しました。詳しくは以下の動画をご覧ください。
まとめ
現時点ではデザインを発表した段階であり、「フィット・パック」実用化の予定は決まっていないそうです。しかし世界中でビニールの使用量削減が取り組まれている今、店頭に並ぶ日も近いのではないでしょうか。最大10本まで連結が可能だというこのデザイン、これがあればビニールの結束材はもちろんビニール袋も必要がなくなりそうです。
メキシコでは重いものを入れると破れてしまうような脆いビニール袋であることもしばしば…。またメキシコシティでは環境問題への配慮から使い捨てのビニール袋の使用禁止が発表されています。
実用化されれば嬉しい人も多いのではないでしょうか。メキシコに限らず日本などでも連結できる缶が販売されれば、ついつい2本以上購入してしまいそうですね。