彩度にこだわる
ご覧いただければわかるように、メキシコで使われている色は彩度が高いことが特徴です。白や黒、灰色が混ざっていない純粋な原色で、スペイン語では”color vivo(コロール・ビボ)”と呼ばれます。明るくエネルギッシュな印象を受けますね。メキシコ人の陽気な国民性が表れているようにも感じます。
黄色、ピンク、赤、ターコイズブルーなど…奇抜な色使いですが、それが派手派手しく見えたり、目がチカチカしたりしないのが不思議です。その秘密は、色と色の組み合わせにありました!
反対色を組み合わせる
反対色とは、色相環における色の反対の色を指します。青の反対色はオレンジ、黄色の反対色は紫、ピンクの反対色は緑…といった具合です。反対色を組み合わせることでお互いを引き立て合い、派手な印象を与えます。
通常このような派手な色を組み合わせるとハレーション(目のチカチカ)を引き起こすと言われいます。しかしメキシコで目にする色彩は非常に美しく、目がチカチカするといった印象を受けないのが不思議ですね。そこにはメキシコ人の色彩感覚のセンスが光っているように感じられます。
ハレーションとは…
デザイン用語での「ハレーション」は、「隣り合う色の作用で見た目の違和感を起こすこと」を指しています。例えば視力検査で、隣接した鮮やかな赤と緑のパネルを同時に見せられることがあります。この時に、違和感を感じ目がチカチカした経験を持つ方は多いのではないでしょうか。このように色の組み合わせで視覚に不快感を与えてしまうことを、デザイン用語では「ハレーション」と呼びます。長く注視は出来なくとも、目を引いて注目されやすいことから、街頭ポスターなどでは効果的に使われることもあります。
インテリアから見る生活の中の「色」
それでは、このような魅力的なメキシコの色彩は生活のどのような場面に用いられているのでしょうか。今でこそメキシコにもモダンでシックな内装の家が増えてきましたが、一般的な民家のインテリアには、このメキシコならではの色彩が強く反映されています。
壁の色はもちろん、クッションや絨毯の色などに彩度が高い色やメキシコらしい奇抜な模様を用いることで、素敵な部屋が出来上がります。セルビン焼きなどメキシコの美しい焼き物や、サボテンなどの植物と組み合わせれば、さらにメキシコらしく可愛らしい部屋になります。
自然と交わり表情を変える
メキシコの色は、自然と交わることでその表情を変えます。同じ場所でも、時間帯によって、または季節によってその景色が変化します。乾季のメキシコは雨がほとんど降らず、毎日真っ青な青空が広がるため、カラフルな教会との絶妙なコントラストを生み出します。
夕暮れ時には街全体がピンクがかった光に包まれ、柔らかい印象を受けます。夜には街中でオレンジがかった光が目立ちはじめ、ロマンティックな雰囲気を味わえます。ひとつの街で時間帯によって違った楽しみ方ができるのも、メキシコの色の魅力です。
まとめ
今回はメキシコを彩る美しい「色」の秘密に迫りました。日本にお住いの皆様も、家の中に少しメキシコらしい色合いを取り入れることで、明るい気持ちになれるかもしれませんね。メキシコをお仕事や旅行で訪れる際には、メキシコの「色」と自然とのコントラストにも注目してみてください。そして、みなさんのお気に入りの色を見つけてみてください♪