「マリアッチ」とは
「マリアッチ」とは、メキシコの音楽を演奏する楽団のことを指します。基本的にこの楽団は7名もしくは12名で構成され、バイオリン、ギター、トランペットなどの主要な楽器に加えて、フルートやアコーディオンが用いられる場合もあります。稀に「マリアッチ」が特定の音楽ジャンルを指すと勘違いされることがありますが、実際はメキシコの伝統曲やメキシコの地方曲を演奏する楽団を意味します。
メキシコで「マリアッチ」は祭りや宴会、卒業記念など各種イベントの際に親しまれています。また母の日(毎年5月10日)や聖グアダルーペの日(毎年12月12日)には、愛する人に贈るセレナータとしても用いられます。「セレナータ」とは、恋人や親しい女性を讃えるために演奏される楽曲のことです。かつては女性のマリアッチは存在しませんでした。しかし最近では、女性のマリアッチグループも増えてきているようです。
「マリアッチ」の歴史
マリアッチの起源には諸説ありますが、マリアッチの楽曲や使われている言語から分析するに、先住民族に由来するのではないかとの説があります。初期のマリアッチの特徴の一つとして、楽団が弦楽器のみで構成されていたことが挙げられます。そこにギターよりも高音域をカバーするビウエラと低音域をカバーするギタロンが加わり、さらにアルバやトランペットなどの楽器が加わって力強さを増したと言われています。
またその語源に関して、フランス語で結婚を意味する「マリアージュ」という言葉が訛って「マリアッチ」に変化したという説が提唱されています。マリアッチの楽団は当初、結婚式や披露宴でのみ演奏を行なっていました。1862年に開始されたフランスのメキシコ干渉戦争時に、多くのフランス人兵士がハリスコ州を訪れ、地元の結婚式の様子を見かけました。そこで彼らが「あれはなんだ?」とフランス人に問いかけた際、「マリアージュ(結婚)」と言われたのを誤って「マリアッチ」と聞き取り、それを「楽器」と認識してそのまま広まってしまったようです。
「マリアッチ」の楽しみ方
グアナファトやサン・ミゲル・デ・アジェンデなどの観光地では、昼夜を問わずマリアッチの姿を頻繁に目にします。テラスがあるレストランや窓際の席があるレストランでは、マリアッチにすぐ近くで演奏をしてもらい、メキシコの伝統的な音楽とともに食事を楽しむことができます。
またグアダラハラ市では、毎年「国際マリアッチ&チャレリア大会」が開催されています。チャロというのはスポーツ競技の一種で、マリアッチ部門では演奏発表会のようなものが開催されます。一方メキシコシティでは、旧市街繁華街のガリバルディ地区にて、支払う金額に応じて演奏してくれるマリアッチのグループを選ぶことができます。この地区では夜遅くまでマリアッチの音色が響き渡り、賑わいを見せています。
東京で「マリアッチ」を堪能できるお店
メキシコの音色を味わいたいけど、地球の裏側まで行くのは遠すぎる…そんなあなたも、ご安心ください。今回はおまけとして、東京でメキシコのマリアッチを堪能できるレストランをご紹介します!
■フォンダ・デ・ラ・マドゥルガーダ
こちらは原宿駅近くにあるメキシカンレストラン。「FONDA DE LA MADRUGADA(夜明けまで人が集い楽しめる場所)」をキャッチフレーズとするこちらのレストランでは、メキシコ人シェフが本場の料理をここ東京で再現すべく、腕をふるっています。こちらでは3人組のマリアッチ楽団が奏でるラテン音楽をお楽しみいただけます。
■エル・カリエンテ・モダンメキシカーノ
期間限定でマリアッチによる演奏を楽しめるのがこちらのレストラン。HUGEという会社が展開するモダンメキシコ料理のレストランで、都内では品川(el caliente-modern mexicano)、丸の内(MUCHO-MODERN MEXICANO)、原宿(LAS DOS CARAS)と3店舗を展開しています。最近だと今年のGWに各店舗でマリアッチによる生演奏を楽しむことができたそうです。マリアッチの生演奏など、イベント情報はHUGEのFacebookページにてチェックしてみてください!
HUGE 公式Facebookまとめ
以上、メキシコの伝統的な音色を奏でる「マリアッチ」に関する情報をお届けしました!「マリアッチ」の演奏を聴くことで、味覚や視覚だけでなく、聴覚でもメキシコの魅力を味わえること間違いなし!みなさんも是非「マリアッチ」の生演奏を体験してみてください♪