2020/01/24

これがLimantourの成功だ

友人とのパーティーでカクテルを作っていたのが、今や世界トップ50内のバーのオーナーに!この友人集団は、パーティーやおもてなし、カクテル作りへの熱い思いを自営業にまで成長させました。その名も、Limantourです。一躍人気店となった方法を教えてもらいましょう。(メキシコ新聞:フランク・ベラスケス)

Limantourはメキシコシティにある、カクテル専門のバーです。The World's 50 Best Bars 2019というランキングで、世界のトップクラスのバーのうちの1つに選ばれました。このランキングは、ドリンクの独自性やコンセプト、筆者が飲んだ杯数、お店を訪れるお客さんの数、装飾デザインやバーの雰囲気など、様々な側面を評価しているものです。

The World’s 50 Best BarsによるとLimantourは、ランクインした100のバーの中でも 、ドリンクの美味しさとバランスの良さで特に目立っていたそうで、店のサービスについては同タイプのバーの中では世界的な高評価だったそうです。さらに、メキシコシティの雑踏から一歩抜け出して雰囲気を味わえるような、シンプルできれいな店内装飾も評価されています。

このような高評価のおかげで、Limantourはランキングの10位内にランクインすることができました。50位以内に入ったメキシコにあるバーはLimantourだけで、65位にHanky Pankyというバーが入ったのみです。 Limantourがランキングに数えられたのは初めてではなく、これまで6回、ランキング内に該当したことがあるのです。

Limantourは2011年に、パーティーやおもてなし、楽しみといったことに熱心な友人たちのグループが開店しました。メンバーの名前はBenjamín Padrón, Rodrigo Maceda, Paul Curuchet, Carlo Ross, Martín Casas, Hugo Diaz, Alberto Gonzálezです。8年以上前、Benjamín が友人たちの間で開かれていたパーティーでカクテルを作っていたことから、全ては始まりました。

Benjamínはイギリスのロンドンでカクテル作りの勉強をした経験があり、友人たちとのパーティーで、学んだことを生かしてカクテルを作っていました。Limantour共同設立者のAlbertoによるとその頃、1980年代にDJに取って代わられていたバーやナイトクラブでの夜の主役が、バーテンダーに新たに舞い戻ってきていたのでした。

このことは起業家たちにとって、新しい冒険へのモチベーションになりました。「カクテルバーという形態が再評価され始めていたから、お店を開くのに良い時期だったと思うよ。」とAlbertoは言います。 そしてそれこそが、Limantourがこの8年間やってきたことなのです。「The World’s 50 Best Barsで評価されたのは、このバーを作った理由でもある、お客さんがドリンクを通して素晴らしい体験ができるようにバーテンダーをその専門家として見なす、という姿勢だと思う。」とAlbertoは続けます。

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彼ら起業家の計画は、自分たちが行きたかったような、質の高いカクテルに特化したバーを開くことでした。Albertoによると、「質の高いドリンクを探しに以前は高いホテルまで行って、結局そんなに美味しくないものにたどり着いていたんだ。」そこで、メキシコシティで最もナイトシーンが盛り上がっているローマ地区で、最初のお店を出すために場所を探し始めました。

開店の裏には戦略がありました:「道を歩いていてすぐに立ち寄れるような場所に開くこと、カクテルは頼みやすい値段にすること、バーテンダーが素早く動き回って力を発揮できるような理想のバーカウンターを作ること」だとAlbertoは語ります。その後、ポランコ地区で同じメニューの2号店を開きました。

しかし、どうやって人気店となり、The World’s 50 Best Barsの評価も得たのでしょうか?Limantourの成功を可能にした材料と調合を、Albertoが教えてくれました。

1.体験

Limantourが競争に勝てた一番の優位点は、お客さんが訪れてから得られる体験の数々です。質の高いカクテルでもてなすだけではなく、サービスの良さ、音楽を使った良い雰囲気作り、店内の装飾デザイン、そしてドリンクの素晴らしさももちろん含みます。

2.おもてなし

Albertoによると、お客さんが場所を見て感じることには大きな重要性があるそうです。しかしこれには、いかにしてお客さんにいい気分になってもらい、再び来店してもらうか、そして再来店してからも同じサービスで良い体験をしてもらうか、というおもてなしの精神も功を奏しているのです。

3.独創性

Limantourのカクテルメニューには、クラシックなものとバーテンダー独自のものの両方が含まれています。全てのドリンクが、どのように文化やコミュニティを創り出したいか、メキシコでどのような存在でありたいかといったことを意識して作られています。一番象徴的なのはマルガリータ・アル・パストールというカクテルで、ライム、テキーラ、パイナップル、唐辛子などの材料が入っているものです。6カ月ごとに変わる旬のメニューもあります。

4. 繊細な感受性

ドリンクの専門家であるバーテンダーが持っている才能を評価することが重要です。 「お客さんと我々を理想的な形でつなげてくれるのは、バーテンダーたちなのです」とAlbertoは指摘します。Limantourでは、カクテルはJosé Luis Neónやバー主任のPablo Pastiといった才能あるバーテンダーに 任されています。

8年前に開店して以来、Limantourでは100万以上のカクテルが約45万人の人々に振る舞われてきました。バーでは50人を超えるメキシコ人、外国人のバーテンダーが働いてきました。

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著者情報

紹介文: グアナフアト州に住む日本人向けに日本語の記事を出しているメキシコ新聞です。 詳しい記事はこちら。 http://www.shimbun.mx/

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