連帯感と仲間意識
先月、国連が調査を行った「世界幸福度ランキング」2021年版では、4年連続フィンランドが1位を飾りました。新型コロナウィルス感染症により日常生活に多くの制限が設けられたため、幸福度の低下が予想されていましたが予測に反し、平均値は低下していませんでした。その理由として自粛などの悪影響よりもコロナ禍で得た「他者との連帯感や仲間意識、つながり」の方がプラスに動いたとされています。
幸福度の格差
そんな中、日本は今年度149か国中、世界第56位という結果になっています。上位10位のランキングではニュージーランド以外は全て欧州国と、幸福度格差が生まれていると心理学者は述べています。幸福学者曰く、格差を埋めるためには幸福度に大きな影響をもたらす「自由度」と「寛容さ」がキーになると指摘しています。
温かい人間関係
ハーバード大学の研究で最も幸福度に影響を与えるのが、「温かな人間関係」だと結論づけています。実際に研究の結果、幸福度が最も高かった上位10%と、下位10%を比較したところ、両者の最大の違いは「温かな人間関係」を築くことができているかでした。温かな人間関係を作るためには、相手に理解を示す「寛容さ」が重要になってくるということです。コロナ禍中に、日本国内のビジネスマン473人にアンケートを取ったところ、リモートワークで「家族との時間が増えた」と答える人もいる一方で、幸福度が下がったと答えた人の中には「孤独を感じる」という要因を述べています。やはり、「人とのつながり」が重要だということが分かりますね。
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メキシコから学ぶ幸せに生きる方法
では、メキシコは何位にランクインしているのでしょうか。2021年版では、メキシコは36位にランクインしていました。GDPだけで比較すると日本が3位、メキシコが15位とかなり経済面で差がありますが、メキシコはなぜこんなにも幸福度が高いのでしょうか。
恐らく、それはメキシコ人の「心配しない国民性」に関係しています。メキシコで暮らしていると「Ni modo」という言葉をよく聞くのではないでしょうか。これには「仕方ない」・「諦めよう」などの意味があり、ネガティブに聞こえますが、一方で切り替えが得意であるとも言えます。あまり先のことを考えないメキシコ人はその場、その場での対応力があります。この切り替え上手な精神があってこそ極度に落ち込むこともないのではないでしょうか。また昔から経済危機などに慣れているということもあり、仕事を失ったのであれば、「今できることを探そう」という精神が働きます。
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コミュニケーションを大事にするメキシコ人
一般的な国民性からして、メキシコ人は人との繋がりを大切にし、自分を幸せにするのが得意な国民であると言えます。例えば、Uberに乗っているとドライバーに高確率で話しかけられたりします。珍しい日本人に興味があるという理由もあるかもしれません。ですが日本人であれば聞くのを戸惑ってしまうことでも、容易に壁を越え繋がりを持とうとしてくれるのです。そしてタクシーだけでの会話では終わらせず、「連絡先を交換しよう」とその先の関係性へと広げていきます。メキシコ人が顔見知りが多いのはこういった理由から来るのではないでしょうか。
またメキシコ人は挨拶を大切にする習慣があります。例えば、筆者がこちらに来てから驚いたことの1つに初対面の人やもう2度と会わないような人にも「Cómo está?」(元気?)や「Hasta luego」(またね)などという言葉を欠かせません。これはカフェやスーパーであってもです。他にもよく会う中であれば「descanse」(ゆっくり休んで)や「cuidate mucho」(元気でね・またね)などの労わる言葉も付け加えてくれる気遣いがあります。こういった積極的なコミュニケーションが、社会の1人1人のつながりを強くしているのではないでしょうか。例え、一人暮らしのリモートワーカーであっても買い物にいけば、友達のように会話をする人がいる。こういった「連帯感」・「温かい人間関係」が幸福度を上げているのかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、陽気な国メキシコの幸せになる秘訣に迫ってみました!
以下が幸福度ランキングのアンケート項目になります。ご参照下さい。
参照≪関連記事≫メキシコ人の性格14箇条