【インタビュー】コロナ禍での人生を変える転職。メキシコでの新たな生活を前向きに楽しむ日本人女性

初めての国で、初めての職種への挑戦

私が現在、Mapfre社の三井住友海上部で担当しているのは日系企業に対する法人営業です。日本人が働いているかどうかではなく、日系の資本が入っているメキシコ国内の企業がお客様となるため、お客様の中には社長がメキシコ人の場合もあります。

首都のメキシコシティ、マツダ自動車を中心に自動車関連企業が多数進出するイラプアト、そしてトヨタ自動車のサプライヤーの多くが拠点を構えるケレタロの三拠点で、合わせて30人ほどのメンバーが、三井住友海上部として日系企業領域のサービスに関わっています。

上司や同僚のメキシコ人も日本人も、オンライン会議においても常に5分前集合。皆、真面目で優秀、よく働くメンバーが揃っています。日本からの駐在員も全員、スペイン語や英語が堪能です。通訳はいませんし、会議の中で、一人でもメキシコ人スタッフが出席した場合はスペイン語で会話するのが当たり前になっています。

実際、メキシコで仕事をして、生活を始めてみて思うのは、メキシコで外国人が一人で生きていく上では会社の存在がないと、非常に大変であるということです。労働ビザや高額医療、福利厚生についても整備、サポートしてくれているのは会社なので、本当に感謝です。

残念なのは、コロナのために、対面で皆と会える機会に恵まれないことですね。オンライン会議では顔を見ながら話をしていますが、なるべく早く全員と会ってお話したいと願っています。

異国の地でも前向きにチャレンジできる秘訣

メキシコでの生活が始まり、9ヶ月が経過しました。楽しくも停滞感を感じていた、福山での生活からは劇的に変化しましたが、現時点では、ネガティブなことは殆どありません。海外での長期生活は、約20年ぶりですが、当時と異なり、今はスマホもWifiもあります。スペインでの留学時には公衆電話で1分200円程だったかとても高く、時間を気にしながら家族と通話していたのが、いまは無料のLINE電話もあるし、オンライン飲み会を通じて日本の友人や家族とも日本にいるのと変わらないコミュニケーションが取れます。

あとは「助けを求める」ことが上手になりましたね。異国の地で右も左も分からない生活を支えてくれるのは、メキシコ人そして日本人の同僚や上司たち。本当に偶然にもイスパニア語学科の同期家族が近くに住んでいること。福山訪問をきっかけに知り合ったメキシコ人のスポーツ関係者やそのご家族ともご縁が続いています。

また、言語も文化も違う異国で生活する中で、感情の波が生じるのは当たり前だと、海外が長い先輩に言葉をかけて頂いたのを、今も大切にしています。海外なんてそんなもの、何かあったら運動するか、お酒を飲んで、早く寝ろ、と（笑）メキシコ行きを決めた時の「勇気と体力と語学力があるからこそ、出来ることですね」というマラソン仲間からの言葉も忘れられません。私は10年近く、マラソンや登山を趣味として取り組んできたので、体力はあります。語学も、これまでの経験を通じて培ってきました。

コロナが落ち着いたら、休日はより登山やマラソンに取り組みたいですね。メキシコで一番高いオリサバ(5,636m)も、ぜひ挑戦したいです。メキシコシティマラソンも、2021年の今年、もし開催されるならチャレンジしたいです。料理が好きで苦にならないので、毎週日曜は青空市場に行きほぼ毎日自炊しています。たまにテイクアウトや友達と外食することもありますが、いまだにデリバリーは一度も使わず過ごしています。

海外、メキシコでの生活についてアドバイスをお願いします！

日常生活でのアドバイス、これも受け売りですが(笑)、長期で海外生活を送る際には、日本で日常的に使っているものを持参すると良いです。例えば日本で毎日使っている食器や小物など新天地でも生活の一部にすると、心が落ち着きます。身の回りで使うもの全てが一気に変わると気分が落ち着かないよと教えられ、私は愛用のマグカップやトレイを持参しましたが、ほっとするのでオススメです。

最後に、私がメキシコで唯一許せないことがあります。コーヒーがぬるいこと！高地なので沸点が低いメキシコシティでは、仕方がないのかもしれませんが熱々のコーヒーが飲みたいのです。「熱々にしてね！」とオーダーしても、ぬるいことがしばしば。これだけはどうにかならないものですかね。笑と宮地さんは笑って話してくれました。