メキシコの学校と一言で言っても州や街によっても環境は異なりますし、公立か私立かによってもシステムが全く異なってきます。メキシコでは教育はお金を出して受けるものといった考えが多く、教育水準も大きく異なってきます。
特に日本から駐在で来られるご家庭は、ほぼ私立校に通っているといっても過言ではありませんし、相当にメキシコに精通しているご家庭でない限りは私立校を強くお勧めします。
今回は、一番質問の多い私立校を中心に書いていきたいと思います。
1. メキシコでうちの子供は何年生になるの?
メキシコの教育制度は日本と同様、幼稚園3年、小学校6年、中学校3年、高校3年、大学4年がほとんどで、義務教育は幼稚園から高校卒業まで。始業は主に8月、終業は7月となり、学年もこの期間に合わせることとなります。
日本では同じ小学3年生のお子さんだとしても、生まれ月によってメキシコでは小2や小3と異なる場合も多々ありますのでご注意ください。
一方で、日本のように○年4月2日~△年4月1日生まれまでが☆年生といった定義はありませんし、保護者の方の希望で一学年下げて入学させる等も可能ですので、お子さんがどの学年になるのかは各学校に問い合わせて頂く必要があります。
また、就学前の1~2歳のお子さんでも入れる学校もありますので、ご兄弟/ご姉妹で同じ学校に通わせたい方も学校に問い合わせてみてください。
2. 日本では公立だったので、メキシコも公立でいい?
メキシコでは公立校は主に無償、私立校は有償、どちらも制服がある場合がほとんどです。貧富の差が激しいメキシコでは、残念ながらメキシコと日本の公立校とでは教育水準が雲泥の差。
教育の質についてはメキシコでも課題となっている程で、外国人で公立校に通うパターンは非常に稀です。特に日本から駐在で来られるご家庭はほぼ100%私立校に通われています。
メキシコには日本以上にそこら中に私立校がありますが、年間登録料や授業料は学校によってピンキリ。私学はメキシコでの大きなビジネスと言われるくらい学校経営側にとっては一つの商売なので、各学校によって費用も特色も大きく違いが出てきます。
お金を払って教育を受ける以上、より良い教育を求めて編入も普通のことです。家庭学習も大切な教育の一環と考えられ、幼稚園から宿題が出る学校も多くあります。また小さいうちから留年の可能性もあるので、周りには教育熱心なメキシコ人も多いです。
3. 私立校がいっぱいあるけど、違いってあるの?
メキシコシティ等の大都市には、全日制日本人学校やインターナショナルスクールもありますが、ない場合は現地の私立校でも十分な教育が受けられます。
学校によって特色は様々で、スペイン語と英語のバイリンガル教育を行う学校、モンテッソーリ教育を謳っている学校、カトリック色の強い学校、ビジネスを専門に教える学校、いわゆるお坊ちゃま/お嬢様学校等、数え上げたらキリがないくらいです。
放課後のクラブ活動やスクールバスの有無など、チェックポイントも学校によって異なります。中高生になると第三外国語の履修も出てくる場合があるので、選択言語、外国人の履修免除の有無等もチェックポイントです。
では、それだけ多くの学校がある中で、どうやって子供に合った学校を探すのか。
まずは実際に住む街にある学校を確認しないといけませんが、その前に、街の大小によっても日本人が実際に通っている学校の数に差が出てきます。
例えば、レオンのような中規模都市ではそれぞれの家庭がバラバラの学校に通っているのに対し、イラプアトやセラヤのような小規模都市では日本人家庭が通う学校が数校に絞られています。また、レオンでは北と南では車で30分以上も離れているので、住む場所によっても学校の選択肢が変わってきます。(もしくは学校を先に決めてから住宅を選択する方も多いです。)
事前にどういった教育を受けたいのか、イメージすることも大切です。
子供が混乱するのを避ける為、スペイン語だけの学校に入れたい、英語教育にも力を入れたい、のびのびモンテッソーリ教育にしたい、日本人の多い学校に通わせたい、もしくは日本人の居ない学校を望む、とにかく家から近い学校を探したい等、ご家庭によって条件は様々かと思います。
この中でも特に多い質問は「日本人の有無」なのですが、こればかりは学校や学年によっても違いますし、バヒオ地区のほとんどが駐在員家庭のお子さんなので、赴任や帰国により状況は大きく変わりますのでご注意ください。
また、メキシコのバイリンガル校では幼稚園から英語の授業が始まる場合がほとんど。小学生低学年でも日本の中高生並みに話せる子供も多々おり、編入となるとスペイン語と英語の両方で苦労するお子さんもいらっしゃいます。実際に学校に通われている日本人の方に確認する等して、お子さんに合った学校選びが大切です。
4. どうやって学校の情報を得るの?
まずは学校の名前をもとに、学校のホームページを覗いてみることをお勧めします。また、各学校でFacebookのページを持っているところが多く、沢山の写真が載っているので、学校での様子やイベントを確認することが出来ます。
メキシコは何でも「口コミ」の国なので、学校に直接問い合わせてみることの他、実際に通われている方に評判を聞くのもお勧めです。(メキシコは陽気なラテンの国なので、連絡をしてもメールの返信がないということも正直なところ日常茶飯事。あの手がダメなら他の手を使う等、懲りずに連絡を取ってみてください。)
最終的には学校見学は必須です。メールベースで入学許可をもらったつもりでも、実際に行ってみたら定員オーバーで断られることもあります。必要書類を提出、入学金を払い、完全に受け入れ許可を貰うまでは気を緩めずに、ご注意ください。
5. 私立校入学に必要なモノとは?
入学に関し必要な書類は、学校によって異なりますので各校に問い合わせて頂く必要があります。
外国人の場合、①パスポート ②メキシコビザのコピー(在留カード取得前は駐在員ご本人のビザ等)③日本の戸籍謄本 ④予防接種証明書 ⑤成績証明書もしくは卒業証明書/最終修了学年証明書 ⑥学校によっては入学/編入テスト が一般的です。
戸籍謄本、予防接種、成績証明はスペイン語への翻訳が必要です。場合によって英語も可ですが、これも学校により異なります。また政府のアポスティーユ証明が必要となる場合も多々あります。
イラプアトの学校例
・Alexander Bain Irapuato:イラプアトの中で日本人受け入れの実績が一番多く、また一番多く通う学校。日本語を話す先生も常時おり、授業や宿題のサポートも受けられる。学費は他校と比較し、高め。
・Instituto Kipling de Irapuato:日本人受け入れ実績あり。
・Colegio del Bosque:日本人が多く住むコミュニティ近隣にある学校。
・Colegio Montessori de Irapuato:モンテッソーリ教育の学校。
・Carlos Darwin Itesm (TEC):バイリンガルコース、インターナショナルコースがある。
レオンの学校例
・Colegio Nuevo Continente:レオンの中で日本人受け入れの実績が一番多い学校。宗教色は強くなく、一般的なメキシコ文化を体験できる学校。レオンの高級住宅街である北部に位置し、立地も良い。英語とのバイリンガル校。
・Colegio Humane:レオンのモンテッソーリ教育の中でも日本人には人気の学校。制服はなく、子供の自発性を大切にする教育方針。入学案内から日々の連絡事項まで、日本語サポート有り。英語とのバイリンガル校。
バヒオ地区レオンのおすすめ学校紹介 ~Humane編~・Colegio Britanico:日本人学生も多く受け入れるイギリス系の学校(但しインターナショナルスクールではなく、あくまでメキシコの私立校)。教育熱心なことでも知られ、宿題は幼稚園から多め。英語とのバイリンガル校。
・Instituto Lux:メキシコ人学生には非常に人気が高く、レオンの中では大規模校。英語の授業はあるが、基本的にはスペイン語がメイン。各種クラブ活動も盛ん。レオン南部の立地。日本人受け入れ実績有。
・Colegio Monclair:学校サイズは中規模ながら、質の良い教育を提供する学校。英語の授業はあるが、基本的にはスペイン語がメイン。日本人受け入れ実績有。
・Colegio SuBire:2014年にレオン校が出来たばかりの新しい学校。メキシコでは珍しいビジネススクールで、幼稚園からビジネスの授業がある。それ故、親の出番も多い。カトリック色は強く、定期的にミサや宗教行事もある。英語とのバイリンガル校。
・Colegio Miraflores:レオンの中でも有数のお坊ちゃま/お嬢様学校。カトリック色は非常に強く、過去にはローマ教皇も来校したという威厳に満ちた学校。特別な紹介がないと日本人の入学は難しいが、由緒正しく歴史ある学校。
・他、Hispanoamericano, Galileo Galilei, Martin Luther King Jr., Oviedo, Motivare, Leones, Hispano Ingles等、多数。