トゥルムでウミガメの産卵&ベビーウミガメの誕生を観察しよう!

ユカタン半島のカリブ海沿岸「リビエラ・マヤ」と呼ばれる地域には、毎年4月~10月ぐらいまでたくさんのウミガメが産卵にやってきます。1メートル以上の体長がある大きな母ウミガメが何時間もかけて卵を産み落としていく姿、そして、百数十匹の小さなベビーウミガメが砂から出てきて海へと帰っていく姿・・・そんな感動的なシーンに立ち会ってみませんか?

カリブ海沿岸は世界有数のウミガメの産卵ゾーン!

ユカタン半島のカリブ海沿岸は「リビエラ・マヤ」と呼ばれ、カンクン、プラヤ・デル・カルメン、アクマル、トゥルム・・・といった観光地に加え、たくさんのリゾートホテルが立ち並んでいます。

リビエラ・マヤの魅力は、美しいビーチでのバケーション、マヤの遺跡観光そして、セノーテやジャングル探索などの自然との触れ合いですが、ウミガメの産卵観察も、忘れてはいけません!11月~3月のハイシーズンにはウミガメは上陸してこないので、あまり取り上げられることが無いのですが、4月~10月のローシーズン、つまり雨の多い時期にやってきて、ビーチに卵を産んでいくのです。

トゥルムビーチに来るウミガメの種類

トゥルムに産卵にやってくるウミガメは、大きく分けて「アオウミガメ」と「アカウミガメ」の二種類。

下記の写真は「アオウミガメ」で、この地方ではTortuga Blancaと呼ばれます。体長は大きく、2メートル近くになるものもあります。体の大きさに対して頭がとても小さいのが特徴です。

こちらはアオウミガメが産卵を終えて海に帰っていくところです。手足を大きく使って砂を掘るため、砂が大きく飛び、甲羅の上に降り積もってしまいます。

もう一方の「アカウミガメ」は、この地方ではCaguamaと呼ばれ、体長は1~1.5メートルほどと、アオウミガメよりは小さいのですが、頭が大きいのが特徴です。残念ながら、アカウミガメはアオウミガメよりも上陸頻度が少なくうまく撮影できた写真がありません。下の写真はアカウミガメが産卵を終えて、海に帰っていく様子です。かなり激しく穴を掘ったようで、甲羅が砂で真っ白になっているのがわかります。見えている足の部分をアオウミガメと比べていただくと、少し茶色っぽいのがお分かりいただけるかと思います。

母ウミガメが巣の位置を決めるまで

4月中旬に入ると、母ウミガメたちが自分が生まれたビーチに卵を産むためにはるばるとやってきます。産卵が行われるのはたいてい夜中です。この時期に朝のトゥルムビーチを歩くと、下の写真のような光景に出くわします。

まるで海からトラクターが出てきて穴を掘ったみたいに見えますが、実はこの穴が、ウミガメが卵を産んだ巣であり、タイヤの跡みたいなものが、母ウミガメが海に帰った「跡」なのです。

母ウミガメは暗くなると岸に上がってきて、卵を産むための場所を探します。すぐに場所が決まる場合もありますが、たいていの場合は何か所か試し掘りをし、卵を産んでも安全かどうかを確認してから、本格的に穴を掘り始めます。最終的な場所を決めるまでに2時間以上かけて歩き回ることもあります。私が見た中で一番時間がかかったのは、2回本格的に掘ったのに穴が気に入らず、3回目にしてやっと卵を産んだケース。岸に上がってから海に帰るまで、約5時間を要しました。

母ウミガメが産卵をしてから海に帰るまで

位置を決めた母ウミガメは、大きなヒレのようになった前足をバッタバッタと動かして自分の周りの砂をどけていきます。その勢いは非常に強く、近くで見ていると砂が飛んできて、痛いほどです。大きな穴の中に自分の体がすっぽりと収まったところで、今度は後ろ足をドリルのように使って、直径20センチほどの円柱形の穴をあけていきます。約50~60センチほど掘ったところで、安全確認をしてから卵を産み始めます。卵はピンポン玉ぐらいの大きさで、平均的に140~150個を産み落とすといわれています。下の赤外線写真は、穴の中に入っている母ウミガメを遠くから撮影したものです。

卵を産み終わったら、注意深く後ろ足で円柱形の穴を閉じ、そのあと、前足をつかって砂を動かし、穴全体を埋めていきます。下記の写真は母ウミガメが埋め戻した巣の穴です。脇に刺さっている棒は、ウミガメの管理をしているレンジャーに伝えるためのサインで、ウミガメの産卵を見ていた人は必ず印を残すよう要請されています。

仕事を終えた母ウミガメは、何時間も作業し、卵まで産んだ体だというのに、一休みすることもなく、素早く海へと帰っていきます。

ベビーウミガメの誕生

ウミガメの卵は産卵後約60日で孵ります。巣の上には、ウミガメレンジャーによって産卵日を書いた棒が差し込まれるので、その日付を見れば、大体何日ごろウミガメの赤ちゃんが出てくるかが予想できます。たいていの場合、少し暗くなってからベビーウミガメたちが砂の中から姿を現します。下記の写真はアオウミガメの赤ちゃんですが、体長は10センチほどで非常に活発に動きます。

最初に1、2匹出てくると、あとは、あれよあれよという間に、百数十匹が一気に砂の中から現れ、海に向かって突進していきます。いったいどうやって方向がわかるのだろう?と思いますが、まっしぐらに海に向かって這っていくのです。

ウミガメの赤ちゃんたちが全部出終わったあとに、巣を開けてみると、まだ奥の方に子亀が眠っていることがあります。

こちらがウミガメの赤ちゃんが残していった卵の殻。こんなにフニャフニャです。

ウミガメを観察するには?

母ウミガメが岸に上がって卵を産み始めるのがだいたい4月の中旬からです。そして、最も多いのが6月~9月。そして赤ちゃんウミガメの誕生のピークが8月~10月になります。母ウミガメの産卵シーンも、赤ちゃんウミガメの誕生シーンも両方見てみたい!ということであれば、8月~9月がオススメということになります。

ウミガメが見られるかどうかは、毎年の気象条件などによっても変わってきます。例えば2015年はトゥルムでは、ウミガメの当たり年で、6月~9月の間はほぼ毎晩のようにトゥルムビーチのどこかで母ウミガメが産卵をしており、たくさんの巣が出来ました。しかしながら、2016年の今年は、昨年の1/20しか巣ができていないといわれています。ですから、産卵シーズンにトゥルムに来れば必ず見られます!とお約束できるものではないのですが、夜ビーチを散策していれば、見られる確率が高いと言えましょう。

ウミガメを見る際の注意事項

ウミガメはとても大きな生き物ですが、とても繊細です。産卵を前に穴を掘っているときに、邪魔をしたり、フラッシュをたいて写真を撮影したりすると、びっくりして海に帰ってしまいます。ウミガメの産卵を見るときは、少し離れた場所でお願いします。そして、決して大声を出したり、フラッシュをたいたりしないよう、細心の注意を払ってください。どうしても明かりをつけたいときは、赤外線ライトを使うようにしましょう。

ウミガメの赤ちゃんが生まれるシーンはとても感動的で、ついつい明かりをつけて見たくなってしまいます。しかし、ウミガメの赤ちゃんは、明かりの方が海だと思う傾向があります。懐中電灯をつけていると、あなたに向かって突進していきます。ですから、決してライトはつけないでください。そしてライトをつける場合には海側に誘導するように、ライトで亀を照らしながら、ご自身で海に入っていってください。そうすれば、赤ちゃんウミガメたちは、きちんと海に帰ることができます。

母ウミガメが安心して卵を産み落とし、そして赤ちゃんウミガメが安全に海に帰れるよう、ご協力をお願いいたします。

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著者情報

紹介文: カリブ海に面したおしゃれな街・トゥルムの小さなブティックホテルで働いています。ここ数年でトゥルムはヨガのメッカとなり、美と健康に興味のある方々が世界中から集まります。「マヤ遺跡のある田舎町」から「キュートでヘルシーな町」へと、トゥルムは急激に進化中♪トゥルムのいろんな表情をお伝えできたらと思います。

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