2019/04/22

バヒオ地区に新たな日本人学校が開校!グアナファト日本人学校に迫る!

近年日系企業の進出に伴い、日本人の人口が増加し続けているバヒオ地区。そのイラプアトにメキシコで3校目となるグアナファト日本人学校が開校しました。amigaではその開校式及び、入学式に潜入してきましたので、その様子と学校についてご紹介します。

開校式・入学式の様子

 開校式には、伯耆田在レオン日本国総領事、水谷グアナファト日本人学校理事長、リカルド・オルティス・イラプアト市長など多方面から多くの方が来賓として出席されたほか、メキシコの現地メディアも多数取材に駆けつけていました。来賓の方々からは開校を迎えたことへの祝福の言葉と、学校のこれからの活躍の期待が述べられ、会場は厳かな雰囲気も持ちつつも、出席した全ての人の顔から期待の表情がみてとれました。

 また、このグアナファト日本人学校は、これから日本人の子ども達のために教育が提供される場所でありながらも、メキシコの地に建つメキシコの学校であるという側面も兼ね備えています。それを象徴するように、開校式では「君が代」とともに「メキシコ国歌」も斉唱されました。互いの国歌が分からない人々も、分からないなりにも互いの国歌へ敬意を払い聞き入っていました。これから地域と学校の文化交流が進み、いつの日かこの学校で、この地域で人々が互いの国歌を共に口ずさめる日が訪れれば、嬉しいなと感じました。

 入学式では、小学1年生1名、中学1年生2名の計3名の新入生を迎えました。3人の新入生からは少しの不安と緊張の表情も伺えましたが、彼らの笑顔は不安や緊張以上に、これから始まる学校生活に対する期待の方が強く抱かれているように感じられました。本日、つまり今年度開校の学校であるため、入校する25名の児童、生徒全員にとっての「新しい場所」ではありますが、なかでも「入学式」とは人生で数回しかない特別な経験です。そのため彼ら3人にとって、またそのご両親にとっては忘れられない、掛け替えのない経験となったことでしょう。

 また、今回の開校式及び入学式の会場となったのはITESI生涯教育センターの校舎でした。現在グアナファト日本人学校の校舎は建設中であり、完成は8月を予定しています。そのため当面は、ITESI生涯教育センターの校舎をお借りして授業を行います。新校舎の使用開始は夏休み明けの9月からを予定しています。

ITESI生涯教育センター(Googleマップ)

開校式、入学式終了後には、水谷理事長と、リカルド・オルティス市長にお時間を頂き、お話を伺いましたでの、その様子もご紹介します。

水谷理事長

―現地の学校と日本人学校の違い、また日本人学校の良さはどのようなところでしょうか。

 日本人学校の一番の違いであり良さは、日本の教育課程に則った授業、教育を実施することです。グアナファトにはメキシコに長く住む人はそれほど多くはなく、数年で日本へ帰国する人が多いです。そのため帰国を前提とした時には、子ども達が帰国後の学校生活で起きる問題をなるべく少なくしてあげることは大切であると考えます。特に、母語を確立することはとても大切なことであり、日本人学校では母語の形成が終わっていない小学校低学年で海外滞在をする子ども達の手助けができると考えます。また、中学生の子ども達は帰国後には高校受験を控えています。日本の高校を受験する上で、日本の教育課程で学習をすることはとても重要であると感じています。

 そして日本人学校のメリットとしては、少人数制の授業となるため子ども達一人一人に目が届きやすく、かけられる力や時間の割合も日本の学校及び、現地の学校より大きくなります。そのため日本人学校では塾などに通う必要がない、より密度の高い教育が提供出来ると考えています。

―日本人学校ではスペイン語の学習や、海外体験という部分にはついてはどう行われていくご予定でしょうか。

 授業としては日本の教育カリキュラムに加えて、スペイン語及び英語の授業も実施されます。メキシコの現地学校への通学と比較すると、スペイン語に触れる機会は確かに少ないかもしれません。しかし現地交流及び文化交流として、日本人学校と現地の学校という学校という括りでの交流、また地域との交流も積極的に図っていく予定です。

 今回の日本人学校開校は、選択肢が増えたということでありこれからお子様にとって何が重要で何が最適であるかを考えて学校を選んでもらえればと思います。

―新設にあたっては、日系企業からの支援も多く受けていますが、MAZDAとしては開校後の学校とはどのように関わっていこうと考えられていますか。

 開校したばかりであるため、まず学校の運営が安定するまでは企業としてもですが、商工会議所として積極的に関わっていきたいと考えています。もちろん企業として支援することも1つですが、いずれは1つの企業がという「どこが、何をサポート」しているという形ではなく、社会へ根付き全体から支えられ、また商工会議所のサポートの下、学校自体が自立する形ができればと考えています。

イラプアト市長

―イラプアトとしては、このグアナファト日本人学校ととのようにして関わりを持っていこうとお考えですか。

 市としての関わりというと、とても大きな括りとなり言及が難しいのですが、この学校に通う子ども達には、その家族も含めて全員が幸せであって欲しいと考えています。この学校の児童及び生徒が幸せであるためには、その家族も幸せである必要性があると思います。これを実現するために必要な支援は積極的に行っていきたいですね。

ー地域の子ども達と、この学校の子ども達との交流についてはどのように取り組んで行きたいと思われますか。

 様々な方法があると思いますが、お祭りなどイベントを開催することはとても良いのではないかと考えます。また、両国の伝統的なイベントを開催することはもちろん、子ども達の興味を引いたり、子ども同士での親好を深めたりする上では「遊び」を通じた交流はとても効果的ではないかと思います。

グアナファト日本人学校について

 グアナファト日本人学校では、他の日本人学校と同様に日本の教育課程に準じた小学部と中学部の教育を提供します。グアナファト日本人学校は、メキシコで3校目の日本人学校であり、この学校が設立に至った経緯には、日系企業のメキシコ進出に伴う日本人の増加があります。増加傾向は現在も続いており、これからのバヒオ地区における日本人向けの学校教育の需要の更なる拡大と、その発展が期待されています。また、学校には日本人のための教育を提供するのみならず、グアナファト州、特にイラプアト市におけるメキシコと日本の文化交流の拠点としての役割も担うことが予定されています。特にここで行われる日墨の交流では単純な異文化交流に留まらず、交流を通して両文化の要素を含んだ新たな文化が、ここで築かれることが期待されています。

体験入学・入学者募集案内

グアナファト日本人学校では、現在体験入学を下記の予定で実施しています。

期間:4月11日(木)~4月26日(金)

対象者:通学可能圏内に在住でグアナファト日本人学校への入学を検討している方

参加条件:原則として、日本語の授業を理解できる程度の日本語能力を有すること。

参加費用:現地校(幼稚園を含む)に通学中の児童生徒は無料。(上記以外の場合は個別相談)

通学手段:ボディーガード同乗の無料スクールバスの使用を推奨(保護者同伴可)

申込方法:体験入学申請書の提出(体験入学希望日の3日前(土日祝を除く))

申し込み先:iejdg2019a1@gmail.com

申込書

 また、体験入学に参加された方には、正式入学時の賛助会員登録料の減免や、既に現地校に支払っている入学金、通学費等の費用のうち、保護者個人の二重支払いとなる部分の免除、希望に応じて校長先生や教師の個別面談による滞在期間や家庭学習状況を踏まえた家庭内教育の指導など、様々な特典がご用意されています。こちらに挙げたもの以外にも特典は多数ございますので、詳しくは是非下記のホームページをご覧ください。

体験入学者募集ページ

また、入学・編入学者のお問い合わせも受け付けております。是非一度ご覧ください。

入学・編入学者募集ページ

まとめ

 イラプアト市に新設された、グアナファト日本人学校の開校式と入学式に潜入した様子をお伝えしました。さまざまな場面で多様性が謳われる現在、学校教育においても多くの選択肢から選べることはとても素敵なことではないでしょうか。それぞれの選択肢に、それぞれのメリット、デメリットはありますが、教育を受ける当人である子ども達にとってよりより環境が提供出来る手助けとなっていけばと思います。

 またイラプアト市長からのお言葉の中で、「文化交流の手始めとしてイラプアトの子ども達のための日本語の授業もこの日本人学校で行いたい」という内容もございました。この授業が実現されれば、子ども達同士の交流の機会も増えることが予想されるほか、イラプアトの人の日本への親しみも高まるのではないでしょうか。日本人学校の今後の発展にもとても期待したいですね。

以上、開校式及び入学式とグアナファト日本人学校についてのご紹介でした。グアナファトに住む、またこれから住まれるお子様をお持ちの皆さま、是非一度グアナファト日本人学校を検討してみてはいかがでしょうか。

関連記事

【日本人によるメキシコにおける教育現場に潜入】ケレタロ補習授業校開校式を取材!
1/1
お気に入り

特集

amigaピックアップ