【青年海外協力隊】メキシコでの挑戦~野球指導を通して”夢”を与える~

開発途上国への国際協力を行っているJICA(国際協力機構)。JICAが実施するボランティア事業「海外協力隊」。日本から遠く離れたメキシコの地で野球指導員として、子どもたちに「夢」と「目標」を持ってもらうべく奮闘する日本人がいます。今回は青年海外協力隊として派遣されている金澤さんの活動に迫ります!

略歴

名前:金澤 達記(かなざわ たつき)

所属先:ベラクルス州オメアルカ市役所勤務 

専門:野球指導員 

期間:2018年12月~

出生年:1995年

出身:兵庫県姫路市

青年海外協力隊に参加したきっかけは?

大学4年目の春にマレーシアで世界野球機構のボランティアを経験したことが主なきっかけです。ボランティア活動中に現地の人々と交流する中で、海外には野球指導員を求めている人が多くいることを知りました。その経験を経て「野球指導を海外でしたい!」と強く思うようになり、大学卒業後青年海外協力隊に参加することにしました。そしてご縁があり、メキシコに派遣されることになりました。

青年海外協力隊として取り組んでいる活動内容を教えてください。

ベラクルス州オメアルカ市の人口約2万人の小さな町で野球指導員として活動しています。オメアルカ市はサトウキビの名産地として知られています。夏には40度近くまで気温が上がり、カフェやおしゃれなレストランなどは皆無。その様なメキシコの田舎町でボランティア活動をしています。

普段はオメアルカ市の8か所のコミュニティを周り、毎週200人ほどの子どもたちを指導しています。野球の道具は十分に揃っておらず、子どもたちは素手に近い様な革の薄いグローブで野球の練習に励んでいます。

日本とメキシコで指導方法の違いや苦労していることはありますか?

メキシコ人の子どもと日本人の子どもを比べると国民性の違いがはっきり表れます。メキシコ人の子どもは感情の起伏が激しいですね。常に明るく、陽気なところは大好きですが、野球の練習となると「我慢が出来ない」、「楽しい事しかしたくない」、「基礎の練習はしたくない」とわがままです(笑)。そのため子どもたちのモチベーションの維持や道具の大切さを理解してもらうことが大変でした。メキシコに来た当初は言語の問題もあり、心が折れそうになりました(笑)。

青年海外協力隊として活動していく中で、魅力ややりがいはありますか?

やりがいは子どもたちの「成長」や「笑顔」を見ることです!メキシコに来た当初は、キャッチボールもできない様な野球初心者の子どもが大部分でした。しかし子どもたちは心から楽しんで野球を学んでいます。技術的な難しい練習においても積極的に取り組んでいます。全くバットにボールを当てられなかった子がホームランを打ったときは、本当に感動しました。指導できて良かったと心から思いました。

休日は何をしていますか?

休日は野球をしたり、友達やその家族とパーティーを開催したりして楽しんでいます。現地の人々とのスペイン語での会話や、食事を通して文化を知ることが大好きです。様々な種類のお酒があるので、自分の気に入ったお酒を見つけることも楽しみのひとつです。自分自身の安全と健康の管理のため、飲みすぎに気を付けながら楽しんでいます。今住んでいるオメアルカ市は、安全管理をしっかりとしていれば普通に生活出来ますが、夜は出歩かないようにしています。

青年海外協力隊で成し遂げたいことはありますか?

野球を通して子どもたちに「夢」や「目標」を持ってもらうことです。メキシコの田舎町ということもあり、経済的な理由で大学を目指せない子どもや将来が既に決まっている(職業など)子どもが多くいます。住んでいる場所や環境を言い訳にせずに、「将来は自分で切り開いていくんだよ」ということを伝えていきたいです。

青年海外協力隊を目指したい人達に一言。

メキシコに来てみて私たちを「求めてくれる」、「頼りにしてくれる」人々が多くいることに驚きました。海外に挑戦したい方がいるならば、絶対に挑戦するべきです。毎日かけがえのない時間を過ごせているので、青年海外協力隊に参加して良かったと心から思っています。

JICA海外協力隊、コロナウイルス拡大で約2,000人が日本国内待機

新型コロナウイルスの感染拡大により、現在世界中のJICA海外協力隊の隊員約2,000人が日本に一時帰国しています。活動の再開は外務省の海外安全情報の危険度が下がることが前提。派遣先の医療体制や治安などを考慮して判断するとのことです。

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