日本とはケタ違い！メキシコでのエコカー販売台数は…

　メキシコ自動車工業会（La Asociación Mexicana de la Industria Automotriz）は、2016年の1・2月の電気自動車・ハイブリッド自動車の販売数合計は、メキシコ全体で255台（内訳はそれぞれ20台、230台）との結果を発表しました。

全国で、２ヶ月でたったの255台！？

ケタ間違っているぞ！と思われるかもしれませんが、ひと月の自動車販売台数がおよそ10万台である中で、こういった「エコカー」の普及率は著しく低いのがメキシコの現状です。

高くてとても手が出ません！エコカーは富裕層のもの

　普及が広がらない大きな原因は、エコカーの高すぎる価格にあります。以下は、メキシコで出回っている主なエコカーの価格。

ハイブリット車

BMW 335 「アクティブハイブリッド」 930,000ペソ（約650万円）

Honda 「CRZ」 345,000ペソ（約240万円）

INFINITI 「Q50 Hybrid」 930,000ペソ（約650万円）

Toyota 「プリウス」415,000ペソ（約300万円）

電気自動車

三菱自動車「アイミーブ」160,000ペソ（約110万円）

日産「リーフ」550,000ペソ（約400万円）

ルノー「Kangaroo ZE」370,000ペソ（約260万円）

パッと見ると、日本で買う新車エコカーと同じくらいの値段ですね。

しかし、平均年収が84,000ペソ(約60万円)のメキシコ人にとって、この値段ではとてもではないですが手が出ません。エコカーの購入者が一握りの富裕層であることは想像に難くありません。

トヨタが魅せた鮮やかなエコカー販売戦略！市場では値下げが加速中

　メキシコの大気汚染が深刻化する中で、エコカーの需要をどのように増やしていくかは、今後の大きな課題です。

そんな中トヨタは昨年、339,700ペソの手頃なモデル「Prius Base」を発表し、２種類のプリウスを展開しました。その戦略が功を奏し、2015年は年間で1400台の販売に成功。今年の販売予測を前年比80％増の2600台としています。

また日産メキシコが、電気自動車の主力商品リーフの価格を499,000ペソに引き下げ、シボレーも電気自動車のSPARKの価格を10,000ペソ割り引いた399,000ペソまで値下げするなど、エコカーは以前に比べ少しずつ手が届きやすくなっています。

エコカーは「ノーカーデー」規制対象外！メキシコシティーでの需要が40%強

　また、市民の意識を変えることも重要です。これらのエコカーの地域別販売の割合は、メキシコシティーで42.4%を占めています。これには、以前紹介した「ノーカーデー」の規制対象車とならないことが購入の動機の一つとなっていると考えられます。政策執行には様々な問題を抱えていますが、ノーカーデー政策が大気汚染に対する問題意識を高めているとも考えられます。

番外編：最新！2016年1-4月期メキシコでの自動車販売シェアランキング

ちなみに、2016年１-４月期の自動車販売台数ランキングは、

1位 日産 118809台

2位 General Morters 81179台

3位 VOLKSWAGEN(グループ合計) 77368台

4位 FCA México 31058台

5位 トヨタ　30179台

6位 Ford 28252台

7位 ホンダ　27163台

となっています。

一方、各社の生産台数を見ると、Ford、General Morters、VOLKSWAGEN、FCA Méxicoは生産台数が前年同期と比較して10~20％前後減少しているのに対し、首位を守る日産、新工場建設計画が進むホンダ、トヨタの生産台数増加率はそれぞれ4.6%、38.9%、77.7%となっています。

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