第二弾!在校生&先生にリアルな声をインタビュー
今回取材させて頂いたのは、2019年4月にイラプアトに開校したグアナファト日本人学校です。前回amiga編集部が取材させて頂いたのは2年前の2019年8月の新校舎完成式典でした。今回は新校舎に移設したグアナファト日本人学校に2年ぶりにお邪魔しました。
第一弾では、対面授業とリモート授業を並行して行われているグアナファト日本人学校の「今」に着目し、学校での児童生徒さんの授業風景をレポートしました。
【グアナファト日本人学校・対面授業再開】 潜入!コロナ禍ならではの画期的な授業スタイル第二弾では、グアナファト日本人学校に通っている児童生徒さんに授業の様子や学校での過ごし方についてインタビューし、先生方にはグアナファト日本人学校の児童生徒さんの様子や先生の視点での学校のあり方についてお伺いしました。児童生徒さんや先生のリアルな声が詰まったインタビューをお届けします。
開校当初から学校を見守る先生
今回、amiga編集部の取材に応えて下さったのは、2019年のグアナファト日本人学校開校当初から学校を支える先生です。教務主任を務める赤峰研人先生にインタビューにお応え頂きました。
【amiga】
赤峰先生、本日は宜しくお願い致します。対面授業が再開して早4か月が経ちますが、授業再開に対しての率直な今の心境をお聞かせ下さい。
【赤峰先生】
昨年度は1年間対面授業が全くできない時期が続いていたので、対面授業が再開し、やっとあるべき姿に戻ったと感じております。ただやはり新型コロナウイルスによる影響が続いているので、学校にお子さんを通わせることに対してややナーバスになる保護者の方もおられます。除菌やアクリル板などの最善の対策をしつつ、現在はリモートで授業に参加する児童生徒さんにも配慮しながら授業を進めています。例えば、リモート生はオンラインだと反応に時差があるなど、対面の児童生徒さんに授業をするのとは違った難しさがあります。なのでリモート生も積極的に授業に参加できるよう、意識的に質問を問いかけるなどの工夫をしております。
【amiga】
リモートと対面の同時並行型の授業で苦労される点が多いかと思います。
一方で、赤峰先生が教師としてやりがいを感じる瞬間はどういった時ですか?
【赤峰先生】
児童生徒と一緒に過ごす昼休みですね。
やはりリモートとは違い児童生徒の存在を身を持って近くで感じられるので教師をしていて良かったと強く感じます。
【amiga】
授業外でも児童生徒さんとはとても仲が良いのですね。
学校行事についてご質問がございます。
グアナファト日本人学校は、メキシコの現地校とも交流はあるのでしょうか。
【赤峰先生】
新型コロナウイルスによるパンデミック以前は、年に4~5回ほど交流がありました。お互いの文化の紹介や異文化交流を中心に行っておりました。例えば、英語で「差別」というテーマに対してのディベートなどをやっておりました。
【amiga】
現地校との交流もとても盛んなのですね。
保護者の方の中にはお子さんが帰国し日本の学校に転入後、スムーズに溶け込めるか心配されている方もいます。貴校ではその点に関してどのようなサポートを行われていますでしょうか。
【赤峰先生】
やはり、過去に本校に通われていた児童生徒さんの中には日本の学校に入学・転入するのに最初は抵抗があったと言われる方もいました。メキシコから日本へ帰国後にカルチャーショックを受けたお子さんの話などはよく耳にします。また日本の教育についていけるか心配されるお子さんや保護者の方も多いかと思います。特に理科や社会などの科目は、現地校で習う内容と日本で必要とされる内容とは大きく異なります。また理科や社会は補習校では行われていない科目でもあります。グアナファト日本人学校ではそういった心配を少しでも和らげるべく、不安要素である理科や社会の授業も日本と同様のカリキュラムで実施しております。
メキシコ現地校から日本人学校へ。在校生が語るグアナファト日本人学校の魅力
今回は特別に許可を頂き中学3年生の女子生徒さんにグアナファト日本人学校での日常についてお聞きしました!普段知ることができない生の声とグアナファト日本人学校の魅力が詰まったインタビューとなっております。
【amiga】
本日は宜しくお願い致します。
メキシコに来てどのくらい経ちますか?
【中学3年生女子生徒】
現在、4年目になります。最初の2年間は現地校に通っていたのですが、
その後、この日本人学校に転入しました。
【amiga】
元々メキシコの現地校に通っていたのですね。
メキシコの学校も日本の学校も双方を経験しているのは貴重な体験ですね。
現地校と日本人学校の相違点を教えて頂けませんか。
また、グアナファト日本人学校の好きなところはどんなところですか。
【中学3年生女子生徒】
全然違いますね。現地校に通っていたときは、日本の教育が受けられる補習校にも通わなくてはいけなかったので大変でした。そこでは日本の国語と数学だけ学んでいたのですが、理科と社会の授業は実施していなかったんです。ここ日本人学校では日本の理科、社会の授業も開講しているので転入して良かったと感じています。
【amiga】
やはり、日本に帰国する際のことを考えると日本の理科と社会も学べるのは安心ですね。
好きな授業はなんですか?
【中学3年生女子生徒】
社会の授業です。実は中1から中2まであまり勉強が好きではなかったんです。
ですが、社会科の武田先生という方に教わるようになった今年から勉強が好きになりました。歴史についてとても詳しい先生で、教え方が上手なので授業が分かりやすくて面白いです。定期テストが最近あったのですが今までの中で一番良かったんです。それから自主的に勉強するようになりました。
【amiga】
社会科の先生がきっかけで、勉強が好きになれたのですね。
最後にメキシコの好きなところはどんなところですか?
【中学3年生女子生徒】
メキシコ人はフレンドリーな人が多いので、初対面でも話しやすく話していてとても楽しいです!人生の経験としてメキシコに来れて本当に良かったと感じています。
以上が在校生に聞いたグアナファト日本人学校での日常でした。メキシコ生活の本音や学校での様子が垣間見えたのではないでしょうか。ネガティブなイメージが持たれがちなここメキシコですが、児童生徒の皆さんがそれぞれのびのび学習している様子が今回のインタビューを通して非常に伝わってきませんか?
「小さくても一人一人がきらりと光る学校」大竹校長先生からメッセージ
最後に、今回グアナファト日本人学校の校内をご案内頂きました大竹校長先生に、定期試験から学校行事、教育方針まで保護者の方が気になる質問をお聞きしました。
【amiga】
本日はあたたかいご対応、誠にありがとうございました。
学校の教育方針についていくつかご質問させて下さい。
まず、グアナファト日本人学校では定期テストは、どのくらいの頻度で行われているのでしょうか。
【大竹校長先生】
定期テストは中学生から実施しておりまして、1学期間に中間テスト1回、期末テスト1回、年間で計5回の試験を行っております。3学期は期間が短いので1回だけの実施となっており、日本のカリキュラムに合わせ全5教科~8教科行います。
【amiga】
正に日本の学校と同様なのですね。
校内見学をさせて頂いた際に、保護者の方々もリモートで授業に参加していましたが、
保護者の方も積極的に学校に関与されているのでしょうか。
【大竹校長先生】
はい、グアナファト日本人学校では保護者の方からの意見も積極的に取り入れています。
今年度ですと、オンライン保護者会にて年間スケジュールを説明させて頂いたのですが、その際にコロナ対策について保護者の方々から貴重なご意見を頂きました。我々日本人学校は児童生徒・保護者・学校・運営委員会の4者一体となって運営をしております。保護者の方々には保護者目線でお子さんの為になるご協力をお願いしております。
【amiga】
4者一体、皆様の協力体制があってこその学校運営なのですね。
リモート授業は今後も並行されるのでしょうか。
また現在、行われている行事についても教えて下さい。
【大竹校長先生】
現段階では、リモートを望むご家庭がある限りは続ける方向が決まっております。
また、行事に関しては制限がある中で縦割り活動や英語技能検定の実施などを行っています。英語技能検定は、前回は本校から6名、グアナファト補習校から1名、保護者の方が1名受験されました。実施階級は5級から2級です。
【amiga】
今後もリモート授業も並行して行われるのですね。
最後に、大竹校長先生からメキシコに今後来る保護者の方、現在入学を検討されている方々に向けてメッセージを頂けませんでしょうか。
【大竹校長先生】
私は常々、「小さくても一人一人がきらりと光る学校」を目指して運営を心掛けております。本校はお互いのよさを尊重し合い、良いところは伸ばし、児童生徒一人一人が自信を持てる教育を心掛け、日々の学校生活運営に取り組んでおります。もし今後メキシコに来られる方や入学を検討されている方がおられましたら、我々と一緒に楽しい学校生活を送って頂きたいと考えております。是非お待ちしております。
まとめ
グアナファト日本人学校にお邪魔し、2回にわたり在籍する児童生徒さんや学校生活の魅力をお伝えしました。メキシコの大地でのびのび学習されている児童生徒さんの姿や日本の学校文化を取り入れた教育活動の様子がありありと目に浮かんだのではないでしょうか。
入学、転入を検討されている方がいましたら是非ご参考にして下さい。