子供5名含む、13名死亡(8月26日現在)
8月19日(木)にカテゴリー1の規模でユカタン半島に上陸したグレースは、メキシコ湾を横切りながら威力をさらに強め、8月21日(土)の午前中にカテゴリー3の大型ハリケーンとしてベラクルス州テコルトラ付近に上陸しました。この大型ハリケーングレース(Grace)により、現在、8月26日(木)時点では13名の死亡が確認されています。そのうち5名の死亡はプエブラ州で確認され、同州では北部及び北東部の山岳地帯の28の自治体で約2万戸に損壊や浸水などの被害をもたらし、34の自治体では停電が発生しました。ベラクルス州では少なくとも8名の死亡者と3名の行方不明者が発表されています。同州では62の自治体が洪水や土砂災害、橋の崩壊、停電及び断水など様々な被害を受けています。現在、被害に関する調査が進められており、今後も被災地は増加する可能性があります。
※カテゴリーとは、シンプソンスケールと呼ばれるハリケーンの強さを表す5段階の階級のこと。北中米やヨーロッパの台風に当たるハリケーンに対して用いられます。
参考サイト1参考サイト2家族6人を亡くした男性、悲痛の叫び
ベラクルス州ハラパ市に住む男性アダン・モレノ(Adan Moreno)さんは妻と生後二週間の娘を含む5人の子供をハリケーンによる土砂災害で亡くしました。「地面が崩れる音が聞こえた。丘が押し流され、みんなそこにいた。私の妻と6人の子どもが」と彼は声を詰まらせながらAFP通信に語りました。アダン・モレノ(Adan Moreno)さんは助けを叫び求め、親戚と一緒に土を掘りましたが、助け出せたのは7歳の息子1人だけだったといいます。クィトラワク・ガルシア・ヒメネス(Cuitláhuac García Jiménez)知事は翌日行われた葬儀費用や事務処理、損害を受けた資産への支援を保証しました。政府は今後も1戸1戸調査を進めながら、食料などの支援物資の供給を進めていく方針です。
Mi pésame a los familiares de niños y adultos que fallecieron por el huracán en Xalapa y otros lugares de Veracruz. No están solos. Cuentan con Cuitláhuac y todos nosotros.
— Andrés Manuel (@lopezobrador_) August 21, 2021
アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領はツイッターを通し、ハリケーンで亡くなった被災者家族に対し、哀悼の意を表しました。また8月24日(火)にベラクルス州を訪問し、被災者支援の計画について話し合うと発表しました。
参考サイト1参考サイト2グレース(Grace)の現在
グレース(Grace)は威力を弱めながらメキシコ中心部を移動し、メキシコ西部に到達しました。熱帯低気圧マーティ(Marty)を新しく形成しましたが、その後太平洋沖に移動していきました。
まとめ
今回はメキシコ東部を襲った大型ハリケーンについてお伝えしました。6月〜11月頃はハリケーンが多く発生する時期です。今週は新たに熱帯低気圧ノラ(Nora)が太平洋側に上陸し、カテゴリー1のハリケーンになる可能性があると予想されています。影響を受けやすい地域に住んでいる方や旅行や出張を検討している方はご注意下さい。amigaでは今後もメキシコ国内の最新情報をお届け致します。