2021/12/22

メキシコ料理に欠かせないトルティーヤとは?タコスやブリトーとの違い、歴史や種類について徹底解説

メキシコ料理には欠かせないトルティーヤ。今では日本でも簡単に手に入れることができコンビニなどでも見かけます。しかし日本で一般的に知られているトルティーヤと本場メキシコのトルティーヤは少し違います。ここではメキシコで一般的に食べられているトルティーヤについて説明していきます。

メキシコのトルティーヤとは?

出典 - https://www.pexels.com/ja-jp/photo/5589943/

まずはじめにメキシコではトルティーヤと言いません。tortillaの”ll”をメキシコではジャに近い音で発音するため「トルティージャ」が正しい表記になります。

トルティーヤはすり潰したトウモロコシや小麦粉で作った生地を薄く伸ばして焼いたのクレープ状のパンのことです。日本のスーパーで通常売っているのは小麦粉で作られたフラワートルティージャ(tortilla de harina)になります。

トルティーヤとはパンだけの名称で具材を挟んだものをタコス、小麦粉のトルティーヤに具材を包んで巻いたものはブリトーと言います。その為日本のコンビニで「トルティーヤ」という名前で売られている、クレープ状のパンに野菜やお肉が包まれているものはメキシコではブリトーと呼ばれます。

現在のメキシコでは貧困層から富裕層まで社会階級関係なく94%の人が毎日トルティージャを食べていると言われています。もちろんメキシコがトルティージャの消費量世界第1位です。まさにメキシコ人には欠くことのできない国民食です。

参照 https://romotortilla.com/historia-de-la-tortilla/

トルティーヤの歴史

出典 - https://es.wikipedia.org/wiki/Tortilla_de_ma%C3%ADz#/media/Archivo:Tortilleras_aztecas.jpg

メキシコ以外のアメリカ南西部や中央アメリカの国々でも食べられていますが、トルティーヤの発祥はメキシコです。紀元前500年前から食べられていてオアハカではトルティーヤを作るための粘土盤が発見されています。

トルティージャの原材料は何千年前から変わらずトウモロコシと粉末石灰と水です。乾燥したトウモロコシを皮ごと石灰と一緒に数時間煮ることでトウモロコシアルカリ化させ、トウモロコシの皮を柔らかくしてから取り除きます。その後水を足しながら粉砕してまとめて生地をつくります。

トウモロコシを調理するときに石灰が必要なのはトウモロコシが粉砕しやすくなり、生地に粘り気がでて焼いた後に曲げても破れにくくなるからです。またナイアシンという水溶性のビタミンを吸収しやすくなるため、トウモロコシを主食すると罹りがちなペラグラという栄養失調症になりにくくなります。スペイン人がアメリカ大陸からトウモロコシをヨーロッパに持ち帰って広く食べられるようになった後、トウモロコシを主食にしていた人々はペラグラを発症しました。石灰を使ったトウモロコシの処理の仕方はヨーロッパに伝わらなかったためです。しかし古代からメキシコ人は栄養失調症にならないトウモロコシの食べ方を生活の知恵として受け継いできたのです。

伝統的なトルティーヤの作り方は手で1つずつ生地を丸めたあとトルティーヤをプレスする道具で薄く伸ばします。そしてコマルという鉄板で焼いていきます。

現在ではトルティーヤを作る機械が開発され、生地を入れると形成から焼き上げまで全自動で行ってくれます。1時間で300枚のトルティージャの生産が可能となりました。

参照 https://romotortilla.com/historia-de-la-tortilla/

https://es.wikipedia.org/wiki/Tortilla_de_ma%C3%ADz

カラフルなトルティーヤ

出典 - https://ciudadtrendy.mx/chulada-tortillas-artesanales-colores-tortilleria-cdmx/

メキシコには白や黄色いトルティーヤだけでなく様々な色のトルティーヤがあります。普通のトウモロコシで作ると白や黄色いトルティーヤができますが、青、ピンク、赤、黒色のトウモロコシもあるため、その様なトウモロコシを使うとトルティーヤの色も変わります。よく見かけるのはトルティージャアスールという黒に近い青色のトルティーヤです。

出典 - https://www.kiwilimon.com/receta/guarniciones/tortillas-de-maiz-de-sabores

また最近では普通のトウモロコシの生地にパクチー、ビーツ、チレなどを混ぜ込み緑、紫、赤と色を付けたトルティージャもあります。またカボチャの花やエパソテという葉っぱを生地と一緒にプレスしたトルティージャもあります。色が変わるだけでなく素材の風味も付くのでいつものトルティーヤとは違う味を楽しむことができます。

オトミ族のトルティーヤ

出典 - https://www.mexicodesconocido.com.mx/decorado-de-la-tortilla-ceremonial-otomi.html

グアナファト州のオトミ族の儀式ではかわいい絵が描かれたトルティーヤが作られます。このトルティーヤの儀式はトウモロコシをへの感謝と敬意を表しており、作られたトルティーヤは聖人へお供えされます。

オトミ族にとってトウモロコシはスペイン人が到着する前から栽培、収穫、消費してきた生活や宗教に深く根付いた穀物です。そんなトウモロコシへの信仰は昔からありましたが、スペイン人の侵略後はカトリック信仰と結び付けられて今でもこの儀式が残っています。

普通のトルティーヤにムイクレ(muicle)という植物から作った染料を木彫りのはんこに塗りトルティーヤにスタンプします。昔のはんこの絵柄は守護聖人だけでしたが、今ではオトミ族の刺繍にもよくモチーフにされるハチドリ、花やトウモロコシの穂など地元の自然を表すものもあります。このはんこは母から娘へと代々受け継がれ各家庭に独自のハンコを持っています。古いはんこほど価値が高いとされています。今では民芸品として売るためにはんこを作るところもあります。

参照 https://www.mexicodesconocido.com.mx/decorado-de-la-tortilla-ceremonial-otomi.html

https://gourmetdemexico.com.mx/comida-y-cultura/que-son-las-tortillas-ceremoniales/

まとめ

今回はトルティーヤの基本的な説明と様々なトルティーヤがあることをお伝えしました。日本で一般的に知られているトルティーヤと本場メキシコの「トルティージャ」は違うかもしれませんが、メキシコ料理やメキシコ人にとってはとても大切な食べ物です。またメキシコにはカラフルだったり絵が描いてあるかわいくてインスタ映えするようなトルティーヤもあるのでメキシコにいる方は探してみてください。

これからも日本であまり知られてないメキシコの情報を発信していくのでぜひお楽しみください。

【おすすめタコス6選】知らなきゃ損!メキシコタコスの歴史と豊富な種類メキシコ人「タコベルのタコスはメキシコ料理じゃないって、日本人に言っておいて」
1/1
お気に入り

特集

amigaピックアップ