Dia de los reyes magos(レジェスマゴスの日)はいつ?
1月6日がレジェスマゴスの日で、日本語では三賢者の日と言われています。なぜ1月6日かというと、12月25日にイエス・キリストが生まれ、その知らせを聞いた東方の三賢者がイエスと聖母マリアのもと(ベツレヘム)に到着したのが1月6日だったからです。キリスト教と関係がある日なのでメキシコ以外のラテンアメリカやヨーロッパの国々でもこの日をお祝いします。
三賢者はイエスの誕生祝いのために一人1つずつプレゼントを持っていきました。そのため1月6日に子供は3人の賢者から1つずつ、合計3つのプレゼントをもらうことができる風習ができました。
前日1月5日には街のいたるところで、三賢者のイラストが描かれたヘリウムガス入りの風船が売られます。子供は三賢者にプレゼントしてほしい物の手紙を書きます。それを風船に括りつけて空へ飛ばすと三賢者のもとへ届き、次の日にそれをプレゼントしてもらえると考えられているのです。
メキシコの親はクリスマス後により多くのプレゼントを用意する必要があるため出費がかさみます。特に1月5日はスーパーやおもちゃ屋さんではプレゼントを用意する親で大変にぎわいます。
三賢者とは?
スペイン語のmagoは賢者、賢人、博士と訳されることもありますが、元々はペルシアの天文学や占星術に秀でた人のことを指します。3人の賢者メルキオール(Melchior)、バルタサール(Balthasar)、カスパール(Casper)はそれぞれ黄金、乳香、没薬をキリストに捧げたとされています。
今では彼らは王(rey)とも表されペルシア起源ではなくアジア、ヨーロッパ、アフリカの3つの大陸から来たと聖書やキリスト教の見解と違った解釈がなされています。そのため現在の三賢者のイラストは3人の人種の異なる賢者が使われています。三賢者がキリスト誕生の地ベツレへムへの移動で使った動物も馬、象、ラクダとそれぞれの土地を表す動物で描かれることもあります。ナシミエントというキリストの誕生を表すクリスマスの人形飾りにもその様子を見ることができます。
1月6日が近づくと大型ショッピングモールやソカロでは三賢者の仮装をした人と子供が一緒に写真を撮る光景も見られます。メキシコではサンタクロースと同様に子供から人気があり愛される存在です。
ロスカ デ レジェス
ロスカ デ レジェス(Rosca de reyes)というレジェスマゴスの日に食べる大きなパンがあります。ドーナツ状の甘いパンでメキシコの伝統的なロスカは砂糖漬けされたサクランボやイチジク、アテという羊かんのようなフルーツのお菓子がトッピングされた部分とメロンパンのようにクッキー生地に覆われた部分でできています。ドーナツ状なのは三賢者の王冠と終わりも始まりもない神の愛を表しています。またトッピングのフルーツも王冠の宝石を表していて平和、愛、幸福の象徴でもあります。
パンの中にはプラスチック製の子供の人形が入っていて、これはイエスの両親がユダヤのヘロデ王からの暗殺を逃れるためにイエスを隠したことを表します。このようにロスカ デ レジェスもキリスト教と深い関りがあるのです。
このパンをメキシコでは家族、同僚や友達で分け合って食べます。一人ひとりが自分が食べたい大きさにパンをナイフで切り分けます。パンの中に入っている人形は当たった人に1年間の幸福をもたらすと言われています。運よく自分の切ったパンに人形が入っていた人は2月2日のカンデラリアの日にロスカを分け合った家族、同僚や友達にタマルというトウモロコシでできたメキシコ風ちまきを全員に奢ります。パンの中に入っている人形の数はロスカの大きさによりますが、複数であることが多いので人形が当たった人で割り勘をしてみんなにタマルを奢ることになります。
ロスカを食べる際にメキシコ人はホットチョコレートを飲むことが多いので、年が明けるとスーパーでは大量のロスカとホットチョコレートが陳列されます。ロスカはスーパーだけでなくパン屋さんやケーキ屋さんでも売られます。パンデムエルトのように季節限定のパンのためロスカが店頭に売り出されるのをメキシコ人はとても楽しみにしています。
最近のロスカはホイップクリームやカスタードクリームがサンドされていたり、アーモンドやチョコレートがトッピングされていたりとバリエーションが豊富です。また中に入っている人形も白だけでなく、赤、青、緑と当たった人形の色によって2月2日にタマルを用意する人、飲み物を用意する人、場所を提供する人を決めるロスカもあります。ロスカに入っている人形も子供の形だけでなくキティーちゃんやベイビーヨーダの人形も売られているとか。
ホリデーシーズンの終わり
日本では12月25日が過ぎると家や街の飾りは一気にお正月仕様に変わりますが、メキシコでは年が明けてもクリスマスの装飾のままです。1月6日の朝子供たちがクリスマスツリーの下で三賢者からのプレゼントを見つけ、みんなでロスカを食べてメキシコのホリデーシーズンは終わります。その年のカレンダーや学校にもよりますが、次の日から多くの学校が授業を開始し、またいつもの日常へと戻るのです。そのため多くの家庭や街の飾りは6日まではクリスマスの装飾がつけられたままになっています。
まとめ
今回の記事は1月6日のレジェスマゴスの日についてご紹介しました。キリスト教と関係があり日本ではなかなか聞いたことがない日ですが、メキシコの子供たちにとってはクリスマスと同じくらい大切で楽しい日です。メキシコに住んでいる方はぜひお友達と集まってロスカ デ レジェスを食べてみてはいかがでしょうか?
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