2023/03/24

【スペイン語豆知識】メキシコならではのスペイン語特集!

全世界に約5億7千万人以上の話者がいるというスペイン語。国や地域によって話されるスペイン語にも違いがあるようです。今回の amiga ではメキシコで話されているスペイン語をピックアップしてみました。

【メキシコで話されるスペイン語とは?】

驚きかもしれませんが、スペインやメキシコ、中南米以南で話されているスペイン語は一様ではありません。実にメキシコの人口の約4倍の人達が話すスペイン語ですから、それぞれの国での独特な言い回しや、他のスペイン語圏の国と同様に、各地域で話される独自の方言があります。

メキシコで話されているスペイン語は、スペインではスペイン語のメキシコ方言と呼ばれていました。スペイン人がアメリカ大陸にやってきて、メキシコを征服しようとしたとき、征服者として自国の言語を強要したのではなく、スペイン人が初めて目にし、名前すらわからなかったものについて、当時メキシコで話されていたナワトル語をスペイン語に置き換えたようとしたり、そのまま採用しようとした経緯があるようです。

それは、スペイン人がメキシコを征服する上で先住民との共存を試み、新しい土地で今までの日常になかったものを受け入れようとした行動だったと伝えられています。

例えば、”TO例えば、”TOMATE”はナワトル語で”Tomatl トマトゥル”が由来とされていて、ナワトル語で”瑞々しい食べ物”の意味を持つ”Tomatl"をスペイン人が”TOMATE"と呼んでスペインに持ち帰ったそうです。

スペイン人が伝えたスペイン語がメキシコで定着する上でナワトル語に似せて話したのがスペインのスペイン語とメキシコスペイン語の違いが生じた原因とされる説もあります。

それでは、メキシコで話されているスペイン語を見てみましょう!

【Chido チド】

出典 - https://verne.elpais.com/verne/2018/08/16/mexico/1534443835_313705.html

メキシコのスペイン語を語る上で最もポピュラーな単語で、皆様も耳にしたことがあるかもしれません。

「かっこいい」「イケてる」などポジティブな場面でよく使われる【Chido】ですが、実はメキシコ独特の表現なようです。スペインでは使われることはなく、同意義の表現には【Bonito】【Muy Bueno】を使います。また、スペインでも【Chula】【Guay】を使う場合もあります。

余談ですが筆者も以前、メキシコ国外で【Chido】という単語を聞いて思わず「どこから来たの?もしかしてメキシコ?」と聞くと「なんでわかったの?」と驚かれることがありました。 

メキシコでも丁寧に話す際は【Bonito】を使いましょうと指摘されることもありますが、メキシコのスペイン語を習得するうえでこの単語は覚えておくとよいでしょう。

【Chela チェラ】

出典 - https://verne.elpais.com/verne/2018/08/16/mexico/1534443835_313705.html

”¿Me puede dar una CHELA ? " ビールを頼む際にこの単語を使ったことがある方も少なくないのではないでしょうか? また、”¿Vamos a por unas CHELAS?” ビールでも飲みに行かない?

など、ビール”Cerveza"はメキシコでは”Chela"とも呼びます。

スペインでは使われない”Chela"ですが、メキシコだけでなくラテンアメリカではエクアドル、ペルーそしてグアテマラでも使われるそうです。

【Chingar チンガール】

出典 - https://verne.elpais.com/verne/2018/08/16/mexico/1534443835_313705.html

こちらもポピュラーでメキシコでは日常的に使われる単語、メキシコでは色々な場面で使われるこの【Chigar】という単語もスペインではあまり聞かれないようです。「Chingar」の意味は様々で一言で言い表すことは難しいですが、直訳すると「迷惑をかける」「ちょっかいをだす」やときにはスラングのように使われることも多い単語です。メキシコ以外の国々では【Molestar】などを使うようで、まさにメキシコ独特のスペイン語といえるようです。

余談ですが、この”Chingar"、メキシコにおいては国民的単語として存在しています。その多様な意味と使用例をまとめた”El Chingonario"という本がある程です。”Chingar"を使いこなしてメキシコ人のようにスペイン語を使いたい読者の皆様は是非手にとって見てください!

【他にも沢山!?メキシコとスペインのスペイン語の違い!】

読者の皆様のご想像のとおり、メキシコとスペイン、2 つの「スペイン語」の単語の違いの数は計り知れません。それは、先述した通り、スペイン人が入植した際にスペイン人の話すスペイン語を強要せずに、先住民の話す言葉を採用しつつ共存を図ったことに原因があるといわれています。

それ故に中には同じ意味でも別の単語、同じ単語でも別の意味で使われるものも沢山あります。

ここではその例を少しあげてみましょう。

【Agujetas】

出典 - https://www.axes-net.com/abox/fashion/shoelaces

メキシコでは「靴紐」、「紐」のように日常的に耳にするこの単語は

スペインでは「筋肉痛」の意味。全然違って驚きです!

【Camron】

出典 - https://educalingo.com/ja/dic-es/camaron

スペイン語で”Camaron”は「エビ」というのはメキシコのスペイン語を普段から耳にする私達には疑いようのないことなのですが、実はこちらもスペインでは違うようです。

スペインで「エビ」のことは”Gamba"ガンバ。例えば、「エビのパエリア」はメキシコでは”Paella de Camaron” ですが、スペインでは “ Paella de Gamba” になります。

スペイン旅行に行った際には注意したい単語の一つです。

【Borde】

出典 - https://www.freepik.es/vector-premium/borde-pagina-barroco-elegante-marco-adornado-decorativo_29365188.htm

メキシコで”Borde"といえば「縁」「端」または「境目」などの意味がありますが、スペインを含めその他の地域では「無礼な人」「嫌な人」などというように全く違う意味になります。

ここまで違う意味になってしまうと面白いですね。

ちなみに、メキシコで「無礼な人」などスペインの”Borde"にあたる単語は”Grosero”や”Mamon"になります。

【オススメ動画】

各国のスペイン語の違いを挙げればキリがありませんが、メキシコで覚えたスペイン語が他のスペイン語圏では違う意味になったり使えなかったりすると知っておくと役に立つかもしれません。

そこでamigaがオススメするのがこちらの動画。

スペイン人、メキシコ人、そしてアルゼンチン人の3人がそれぞれの国で使うスペイン語の違いを面白おかしく紹介しています。

【まとめ】

いかがでしたか? 実際に耳にしたことのある単語、私達が何気なく使っている単語も実はメキシコでしか通じないこともあるかもしれませんね。よりネイティブに近いスペイン語を習得するには、実際にその国で話されているスペイン語を身につけるのが一番の近道ではないでしょうか?読者の皆様もメキシコ人らしいスペイン語を身に着けてみませんか?

今回のamigaではメキシコのスペイン語を紹介してみました。

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