2023/05/05

メキシコ人との国際結婚。結婚手続きやビザ、子供のこと、、体験談をもとに解説します!

コロナ禍も落ち着き、海外旅行や海外留学がしやすくなってきました。この春からメキシコでの新生活をスタートした方、これからメキシコで新しい出会いがあるかもしれません! そこで今回は、メキシコにおける結婚について解説します。メキシコ人の結婚観や、もし日本人とメキシコ人が結婚するとなったらどのような手続きが必要なのか?将来メキシコ人との結婚を考えている方は必読です!

メキシコ人の結婚観

出典 - https://www.dcubanos.com/blog/carta-de-naturalizacion-por-haber-contraido-matrimonio-con-varon-o-mujer-mexicanos/

メキシコ人も日本人のように結婚をポジティブなものとして考えています。男性よりも女性の方が結婚願望が強いように感じます。

2020年のデータでは平均結婚年齢は男性が33.24歳、女性が30.26歳です。日本人は男性31.1歳、女性29.4歳なので日本よりも少し遅いようです。日本と同様に晩婚化が進んでいて年々平均結婚年齢は上がっています。

実際に筆者の周りでもメキシコ人の方が日本人に比べて結婚する年齢は高いと感じます。日本人の方が大学卒業後に就職し、経済的に安定するのが早いためだと考えられます。メキシコでは経済的に余裕のある家庭では大学卒業しても直ぐに定職につかなかったり、実家暮らしで自立するまで時間がかかることが要因かもしれません。

離婚率は2021年は33%でした。日本でも3組に1組が離婚すると言われているので割合はほぼ同じのようです。

しかし、メキシコにおける離婚率は2012年の時点では17%でした。日本は2010年に35.9%だったので、ここ最近メキシコは離婚率が高くなっていることが分かります。

メキシコにはカトリック教徒が多く、教会での結婚式では神の前で一生人生を共にすることを誓います。そのため離婚することはタブー・悪いことという概念が多くのメキシコ人にありました。しかし近年ではカトリックの信仰も昔よりも薄れてきており、離婚することへのイメージも変わったため急激に離婚率が増加したのだと考えられます。今でも州別の離婚率を見るとカトリックの信仰が薄い地域では離婚率が高く、カトリックの信仰が厚い地域の方が離婚率が低いです。

メキシコ人の間で最も多いのはカトリック教徒ですが、中にはプロテスタント(クリスティアーノ)を信仰しているメキシコ人もいます。異なる宗教を信仰する2人または家族が結婚するときには少し複雑になります。

メキシコでの結婚は多くの場合、教会で行われる宗教的結婚(Matrimonio religioso)と法律的結婚(Matrimonio civil)の両方を行います。宗教的結婚は神の前で永遠の愛を誓うもの、ミサであり、正式な結婚とは異なります。法律的結婚は日本で言う「婚姻届」を役所に提出することで法律的に結婚したことになります。カトリック教徒が多いので宗教的結婚もする場合が多いですが、法律的結婚のみを行うメキシコ人もいます。

国際結婚の場合の結婚手続きの流れ

出典 - https://mexico.justia.com/derecho-de-familia/matrimonio/

メキシコ人と日本人が結婚する時、メキシコで婚姻してから日本に届け出る場合と日本で婚姻してからメキシコに届け出る場合で手続きが異なります。

現在2人ともメキシコにいる場合はメキシコで、日本にいる場合は日本で婚姻したほうが手続きしやすいです。日本人と外国人が外国に住んでいて先に日本に届け出る場合、大使館や領事館が婚姻届を受け取ることはできず、日本人の本籍地の役所へ問い合わせしなければなりません。

今回はメキシコで婚姻してから日本に報告する場合について解説します。

手続きや必要書類は変わる可能性があるので詳しくは在メキシコ大使館や各市町村にお問い合わせください。

メキシコでの結婚手続き

メキシコの方式でメキシコ人と日本人が結婚する場合、まずは婚姻届を提出するメキシコの州や市町村の役所(Registro Civil)で手続きや必要書類を確認します。必要な書類は各市町村により異なるので注意が必要です。

一般的には

・メキシコ人婚姻相手の出生証明書(Acta de nacimiento)原本とコピー

・メキシコ人婚姻相手のIFE(身分証明書)とコピー

・アポスティーユ*された日本の戸籍謄本(役所でもらった戸籍を外務省に英語で書かれた付箋をつけてもらい認証してもらう)

・↑のスペイン語翻訳*(日本語→スペイン語、英語→スペイン語)

・日本のパスポートとビザのコピー

・役所でもらう婚姻申請書

・二人の血液検査の証明書

・婚姻手続き手数料

などが必要となります。

上記の通り、役所により必要な書類や手続きは異なります。

証人(2人の両親は証人になれない)が4人必要・証人が必要ない、自治体の運営する講習に参加しなければならないなど、どこの役所で結婚するかにより異なります。

特にメキシコでは受け付けてくれる人、問い合わせた人によって言うことが違うことがよく起きるので臨機応変に対応しなければなりません。

*アポスティーユについて

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000548.html

*アポスティーユと戸籍謄本の翻訳はメキシコの公認翻訳士による翻訳でなければなりません。州によってはその州の翻訳士でないといけない場合もあるようです。公認翻訳士の情報は大使館や領事館に問い合わせできます。

翻訳は文字数により料金が変わりますが、相場はスペイン語、英語合わせて1,000ペソ~のようです。

(筆者は10年以上前、小さな役所だったこともありアポスティーユと戸籍謄本は自分で翻訳してもいいと言われましたがレアケースだと思います)

婚姻手続きをしたい日を予約して役所または結婚式場に判事に来てもらい(出張料などが必要)本人たちと証人がサインをしてメキシコでの婚姻が成立します。

※メキシコの教会で結婚式をする場合は上記の手続きとは別に宗教上の手続きや費用が必要。

メキシコでの結婚が成立したら

メキシコでの婚姻手続きが済んだら3か月以内に日本側へ婚姻届を提出しなければなりません。

・日本の婚姻届

・日本人の戸籍謄本

・メキシコの婚姻登録証明書(Acta de Matrimonio)と同和訳文

・メキシコ人配偶者の出生登録証明書(Acta de Nacimiento)もしくは、有効なパスポート原本の提示と同和訳文

が必要となります。

メキシコの婚姻登録証明書と出生登録証明書またはパスポートは大使館にあるフォーマットに自分で記入して翻訳者のサインをするだけなので業者に翻訳を頼む必要はありません。また大使館まで行かなくても必要な書類などは送料を払えば配達してもらえます。

詳しくは大使館のページで確認できます。

https://www.mx.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000964.html

必要な書類を大使館・領事館または本籍地の役所に提出します。婚姻の日はメキシコでの婚姻が成立した日になります。

結婚後のビザに関して

出典 - https://immigrationconsulting.mx/service/view/3

すでにメキシコで一時居住者や永住者としてビザを持っている場合は、移民局で婚姻状況(Estado Civil)を変更しなければなりません。「未婚」で登録してあるはずなので婚姻日から3ヶ月以内に「既婚」に変更します。変更手続きの際は、婚姻証明書(Acta de Matrimonio)などを提出します。一時的居住者の婚姻関係が2年以上継続していれば「永住者」のビザを取得できます。

一方ツーリストなど「訪問者」としてメキシコに滞在している場合、メキシコ人の配偶者になったので「一時居住者」のビザを申請することができます。2年後、婚姻関係が継続していると「永住者」のビザを取得できます。

苗字は変わるの?子供の国籍は?

出典 - https://www.elsoldedurango.com.mx/circulos/su-primer-hijo-un-guapo-varoncito-7298184.html

メキシコでは結婚しても夫婦別姓なのでお互いの苗字が変わることはありません。

そして日本でも、外国人との国際結婚では原則として苗字は変わりません。よって夫婦別姓になります。

しかし外国人と結婚した日本人配偶者は婚姻成立後6ヶ月以内ならば、「外国人との婚姻による氏の変更届」を提出すれば、外国人配偶者の苗字に変更することができます。婚姻後6ヶ月を経過した後に変更を行う場合は、家庭裁判所の許可を得なければなりません。

子供の国籍はメキシコと日本両方の国籍を取得できます。

日本は「父母両系血統主義」なので、子供が生まれたときに親のどちらかが日本人であれば日本国籍を取得します。メキシコは「出生地主義」なので、メキシコで生まれた子供は(両親とも日本人でも)メキシコ国籍を取得します。

(日本で生まれたメキシコ人と日本人の子供もメキシコ大使館で手続きを行えばメキシコ国籍を取得できます。)

まず子供が生まれたらメキシコと日本に必ず3か月以内に出生届を提出しなければなりません。生まれた日も含めて3か月以内に日本側への出生届を提出しなければ受け付けてもらえず、日本国籍を失うことになります。

外国の国籍と日本の国籍を有する「重国籍者」は、20歳に達するまでに(成人18歳に達した後から2年以内に)「国籍選択届」を提出し、どちらかの国籍を選択する必要があります。選択しない場合は日本の国籍を喪失することになります。

(参考書籍:メキシコ便利帳)

個人的な体験談や感想

筆者はメキシコでメキシコ人と11年前に結婚しました。国際結婚は日本人同士で日本で結婚するよりも多くの手続きや手間、お金もかかります。日本側への手続きも大変ですが、特にメキシコでの手続きはホームページや最初の問い合わせとは違うことを言われることがあります。

必要な書類をすべて持って行ったはずなのに「アレが足りない、コレが足りないから今日は受付できない。また後日来て」など日本では考えられないことがよく起きます。そういったトラブルを2人で乗り越え、お互いをよく知り、絆を深めていくのが国際結婚だと思います。

個人的には移民局でのビザの手続きのほうが結婚の手続きよりも大変で時間がかかりました。申請してから時間が経つのになんの連絡もなかったり、移民局での待ち時間が長かったり…それぞれの州によって移民局の対応も大分違うようです。「永住者ビザ」がもらえた時はもう移民局に来なくてもいいんだ!と嬉しくなりました。

相手がカトリック教徒ではなかったので教会での結婚式はせずにパーティー会場でのみ、結婚式をしました。そこに役所の判事さんにも来てもらい多くの参列者の見守る中、婚姻届にサインをしました。結婚が成立した後、参列者のみんなが「結婚おめでとう‼」と列をなして順番にハグをしてくれました。日本から来ていた家族はそれを見てメキシコでもみんなが私たちの結婚を祝福してくれていると安心したようです。

まとめ

今回はメキシコでの結婚についてお伝えしました。いかがでしたか?

国際結婚は手続きが多く大変ですが2人で乗り越えなければならない最初の壁です。日本からの必要書類も多いので、日本での一時帰国中に取得できる書類は日本で取得した方がいいかもしれません。メキシコ人との結婚を考えている方の参考になれば幸いです。

Amigaではこれからもメキシコ生活に役立つ情報をお伝えしていきます!

関連記事

〇年住めば手に入るの!?意外と簡単メキシコの永住権(FM2)取得法【実は◯◯??】 知ってみると意外なメキシコ人の国民性とは?
1/1
お気に入り

特集

amigaピックアップ