人並みはずれたバイタリティーをもつ丸田さんが虜になった、メキシコ伝統舞踊の魅力とは

初めて行ったメキシコで、まだ見ぬ世界に出会った。やりたいこと、見たいもの全てに、人並みならぬ熱意を持って働きかけてきた丸田理乃さん。日本とメキシコの学生交流団体の設立と、日本文化の発信活動、そしてメキシコの伝統舞踊に魅せられた留学生活、さらには将来についても、聞いてみました。

7月の舞踊の祭典・ゲラゲッツァが、メキシコで一番好きなお祭りです。

——伝統舞踊を通してメキシコ各地を回られて、地域の多様性を見てきた丸田さんオススメの、メキシコのイベントはありますか。

7月最終月曜にオアハカ州で開催されるゲラゲッツァ(Guelaguetza)というお祭りは、私がメキシコで一番好きな祭りですね。プロのダンサーたちがオアハカの伝統衣装をまとって踊る様子は感動的でした。もちろんダンスのステージの他にも、オアハカの伝統音楽や、料理などが一堂に会す、楽しくて非日常な空間です。このためにまたメキシコに行くのが楽しみですね。

また、11月1・2日の死者の日(Dia de muertos)を、メキシコシティーのそばにあるミスキックという小さな村で過ごしました。「死者の日」というのはメキシコ全土のお盆で、明るく楽しい骸骨のモチーフが街中に溢れます。ミスキックでは特に昔ながらの風習が重んじられ、お墓が全てデコレートされ、町中の学校や店、家庭それぞれが祭壇(Ofrenda)を作り、オレンジ色のセンパスチル(マリーゴールド)を敷き詰めた花の絨毯があちこちに出現します。その光景はまさに圧巻。メキシコにとって重要なイベントを祝うならば、この村に行くのがオススメです。ちなみに、メキシコ国立自治大学の祭壇を見るために、2時間待ちの行列ができていました…

日が暮れる前に帰宅?!治安面の注意では、日々の工夫が大切。

——フットワーク軽く行動されていたようですが、メキシコで生活する上で怖い思いをしたことはありませんか。

そうですね…今は特に怖い思いはないです。もちろん行ったばかりのころは、バスに乗るのも、地下鉄に乗るのも、すべてのことに緊張しました。日本とは全然違うので。

住んでいたのはメトロCU駅からすぐのところでした。かつてのオリンピックの選手村がマンションになっているのですが、あまり治安はよくなかったかもしれません。できるだけ日が暮れる前に帰るようにしていましたし、遅くなるときは送ってもらったり、身に付けるものに気をつけたりと、工夫するのが大切だと思います。スカートの下には黒いレギンスやスパッツを履くのも徹底していました。

——メキシコ人と行動するのは、危機回避にはとても有効ですね。

将来は、言語や国際協力を軸に、世界をフィールドに活躍したい

——帰国してからは、何をされていますか。

帰国後すぐ大学院に入学し、国際関係を学び、勉強・研究に励む毎日です。メキシコの肥満教育をテーマに研究をしているので、留学後もメキシコに足を運び、高校や大学でフィールドワークをしたり、メキシコの省庁や組織に交渉し、インタビューをしたりしています。こういう場合は、10人にメールして1人返信が来れば大収穫です。そこから人脈が続々と広がっていったのですが、メキシコの方はとても親身になって協力してくれます。たくさんの機会も提供してくれます。日本から面白い学生が来たと思われているみたいですね。笑 日常の授業と並行しての研究は大変ですが、楽しく頑張っています。

——やはり行動力が人並みはずれていますね…将来メキシコに戻るつもりはないのですか?

自分が話せる言語を生かして、世界をフィールドにグローバルに活躍できる仕事がしたいと思っています。日本とメキシコとの関係、中南米との関係、自分の専門を生かせる国際関係の仕事など、何ができるか考えています。一度しかない人生、悔いのないように生きていきたいです。

——ぜひそのバイタリティーで、日本とメキシコ、そして世界の未来を支えてください。最後に、メキシコの魅力はなんですか。

メキシコにはまだまだ各地に伝統が残っていて、それぞれの場所で発展してきた文化を見ることができます。さらにその文化を残していこうという気概も、まだ多くの地域で見られるのが魅力的です。あとは、メキシコ人は陽気で親密なのが自分には合っていたと思いますね。ぜひみなさんにメキシコを知っていただきたいです。

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