メキシコにおけるコロナウイルス感染拡大の現状
(画像:2020年5月31日時点)
2020年5月31日現在、メキシコでは新型コロナウイルスの累積確定患者数は90,664人、9,930人が死亡しています。死亡率約11%となっています(日本では死亡率約5%)。一日当たりの感染者数は約3,000人前後と増加の一途を辿っています。
(画像:2020年5月31日時点の各都市一般病院のベッドの占有率)
メキシコ国内では一般病院のベッドの59%が利用可能で、41%が占有されています。しかし感染者数が急激に増加しているメキシコシティでは、ベットの占有率が71%となっています。
活動再開に向けた指針
ロペス=ガテル(Hugo López-Gatell)保健省次官は、2020年6月1日より「健全な距離の維持キャンペーン」が終了し、新たに「Nueva Normalidad(新しい日常)」が始まることを発表しました。各地域のコロナウイルスの感染状況により、経済活動が徐々に再開されることになります。しかしメキシコ保健省は「メキシコのパンデミックは終わっていない」と明言しており、コロナウイルス流行抑制のための制限や予防対策は引き続き行われることになります。
(画像:経済活動再開に向けた指針)
各地域における活動再開について「信号情報」を導入。「赤」「オレンジ色」「黄色」「緑」の4つの色(レベル)で構成され、各信号色に基づいて許可される活動のタイプが定義されています。また段階によって規制解除が行われます。
赤色
・業務:必要不可欠な業種のみ
・公共空間の使用:不可
・脆弱者(高齢者、妊娠女性等)への対応:現状の制約を維持
・学校:通学不可(オンライン授業等により対応)
必要不可欠な活動のみが実行され、在宅勤務が推奨されます。また人と人の間を1.5メートルの距離を取る必要があります。
オレンジ色
・業務:必要不可欠な業種に加え、それ以外の業種も限定的に再開
・公共空間の使用:密閉されていない空間のみ限定的に再開
・脆弱者への対応:最大限の配慮
・学校:通学不可(オンライン授業等により対応)
在宅勤務が推奨されます。また人と人の間を1.5メートルの距離を取る必要があります。
黄色
・業務:業種の区別なく再開
・公共空間の使用:密閉されていない空間は再開。密閉空間は限定的に再開される。
・脆弱者への対応:中程度の配慮
・学校:通学不可(オンライン授業等により対応)
公共スペースでの限られた活動と完全な経済活動が再開されます。また在宅勤務が引き続き推奨されます。
緑色
・業務:業種の区別なく再開可
・公共空間の使用:密閉の有無にかかわらず再開可
・脆弱者への対応:適度な配慮
・学校:授業再開可
経済、社会、教育活動が再開されます。職場で全ての従業員が働くことができます。しかし健康保護対策の実施が必要です。
(画像:2020年5月28日時点のメキシコ各地域の段階レベル)
現状新型コロナウイルスの感染拡大が各地域で続いています。オレンジ色に点灯しているサカテカスを除いて、メキシコ全体が「赤信号」であることを理解し、感染を回避するための対策を取る必要があります。